表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/16

遊び人の生計

 もう、ブンドド殿には単独で戦って貰うしかない。


 玉座の間で水晶玉を我が主と共に見守る。


「ガト、敵の戦力を報告せよ」


我が主が、水晶玉を睨みながら言う。


「はっ、勇者の名はアレス。ここ数十年の勇者を名乗る者の中では随一の剣術、魔力を備えております。戦士のリアンも同様です。後は、遊び人のシリュウに――」


「遊び人? フム……聞かない職だが」


この報告はサラッと行きたかったが。


「あの、要するに遊んで暮らす人です」


「……どうやって生計を建てるのだ?」


知らん。人間の事情など知らん。


「ええっと、どうせくだらないと思いますけどね。遊ぶのを職業としてるなんて――」


「ガト、お前はその印象のみで取るに足らないものと結論付けるのか?」


「……はっ、失礼しました。次までに遊び人の生計の建て方をまとめて来ます」


あー、クソ真面目だなホント。こっちはいっぱいいっぱいなのにまた仕事増えた。


 そんな事を話してい内に、ブンドド殿が出てきた。部下は他に連れていない。


 あんた、立派だよ。あれだけ愚痴こぼしても、結局は、我が主の方針の元立ち向かうのだから。


「愚かなる人間どもよ。西のゴブリンを束ねる、このブンドドが相手だ」


そう大きな声で叫んだ。


「……シリュウ、あれ、やれ」


勇者アレスがシリュウに指示すると、


シリュウが、不思議な踊りを踊り始めた。


「ぐぐぐぐぐっ! 何たる腹が立つ踊りだ」


我が主が思わず、歯を食いしばった。


 気の抜けたような表情で、挑発するような踊り。アレやられたら、腹も立つ。

 激情家であるブンドド殿なら、なおさらだ。


「貴様―っ!」そう叫びながら、不思議な踊りを繰り出したシリュウめがけて襲い掛かった。


 落とし穴に、落とされた。


「ブンドドーっ! 何て卑怯な人間どもだ」


我が主が水晶玉に向かって叫ぶ。


 あんたのせいなんだよ。半分は、あんたのせいだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ