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六章 第一話 内乱、再発

しんと静まり返った廊下。三人の男女が椅子に座り、黙りこけていた。

「ねぇハルヴィン、その話全部信用していいの?」

銀髪の女性が口を開き、話しかけた。

「…勿論と言いたいけど、クロイラから聞いただけだから、全て正しいかどうかはわからない」

金髪の長身が答えた。

「…ダイティさんがクロイラさんでクラティさんがシロイラさんすかね?」

茶髪の男性が金髪に向けて言った。

「そこはクロイラに何を聞いても、ダイティ・ツォフォルは死んだとしか言わないんだ」

再び金髪が答え、沈黙が三人を襲った。しかし、待とうと沈黙は誰にも破られる気配はなかった。

突如、銀髪が立ち上がりすぐ側の病室のドアを開けた。彼女の顔は一気に青ざめ、開いた口が閉じなかった。

「二人が…」

何事かと茶髪も立ち上がり、病室を覗いた。そこにいるはずの二人がいない。ベッドには点滴が投げ出され、窓が開け放たれていた。

「脱走だね…」

金髪が呟いた。

「あの傷じゃあそう遠くまで逃げられないっす。早く追いかけた方がいいっすかね…?」

「確かに。早く探しに行こう」

茶髪の提案に銀髪が賛成した。金髪も頷くと三人は駆け出した。





さらさらと清流が流れる川のほとり。二人の男女が肩を寄せあいながら歩いていた。その首にはもうイラは巻かれていなかった。二人は絶望的な目をしていた。この世界で生きる場所をなくしたかのように。

この王国では、差別の激しい国だった。分かりやすく言えば、元ラニューカ王国の人間はレールド王国の人間と対等な立場でない、等とということだ。元々レールド王国には王族、貴族、平民、奴隷という階級があった。下の階級の者は上の階級の者に口を聞いてはならない、という法律があった。つまり、クロイラとシロイラは元奴隷なのでばれぬ様に接してきたのだが、バレてしまうと二人は罰せられてしまう。だから二人は逃げたのだった。

ズルズルと歩くシロイラの目に涙が浮かんだ。今まで騙していたことと、もう二度とあの三人に会えないことを後悔しているようだった。

その時、パアアアンと音がして真っ赤な煙が立ち上った。きっとあれは意味があるものだろう、クロイラはそんな目で空を見上げた。自分たちはあの意味を知っているが、もう関係のないことだ。二人は歩みを進めた。


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