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第3話・王都と動揺

急展開(というほど急でもない)

ブレイドと別れてから半月は経っていた。その間俺は短期間で出来る【ハンターギルド】のミッションをこなしつつ勇者パーティーのいる王都の城下町を目指した。ミッションをやりながらの理由は、単純にそうしないと生活が出来ないからだったが、副産物的にギルドでのランクも上がってしまった。おかげで昨今では珍しい、単独のSSランクハンター(この国にはまず俺しかいないだろう、人智を超えた何かだ)になってしまった。まあ、それは別にかまわなかったのだが。


そこからさらに一週間して城下町について二日後、勇者パーティーが旅立つ出征式(という名の祭だ)が今から一週間後に行われるとお触れが出た。どうやら心なし早めに着いてしまったらしかった。ここのところあまり休まずにいたのも手伝って、金や武具を作るための素材(倒した魔物からむしりとったり、ギルドのミッションの報酬で出される。)が余りまくっていたこと、愛用していた装備の一部に限界が来ていたのもあって、出征式までは骨休めをさせてもらうことにした。


せっかく王都の城下町という最先端の技術や一級品の装備のあるところにいるのに、新たに装備をこしらえないのも勿体ない。とはいえすぐにいい装備が見つかったり作れるわけでもなかったので、精々投げナイフの補充を数本に、ある程度の打撃や威力の低い魔術を防げる防御魔術の入ったフード付きマント、ナイフや荷物を入れるサックやポーチといった既製品ぐらいしか、購入する間も無かったが。これでも一般家庭の生活1年分ぐらいの金は無くなったはずだ。それでもまだ金は余りまくっていた。


出征式当日、王城の城門から町の関門まで一気に突っ切る中央通りの人垣の奥に俺はいた。向こうがこちらに気付く必要もない以上、こちらが人垣の最前列に行く必要もない。第一、俺の背の高さならこの位置からでも勇者パーティは確認できる。この状態でも通りの向こうはしっかり見えるからな。俺は新調したマントのフードを被り、一行が見えるまで待機することにした。別に俺しか待機していないわけでもないので、問題は全くなかった。


ふと、王城側がにわかにざわめいてきた、どうやら姿を現したようだ。


勇者一行は全員馬や地上歩行型のドラゴンなどに騎乗していた。人数は全部で六人、一人を除いて全員が男だった。今代の勇者は年端のいかない少女だと既に知れ渡っていたため、パーティーの中央で白馬にまたがっている少女に対する歓声や期待などの視線は、かなり強烈そうだった。当然と言えば当然だが。


パーティの中には当然、ブレイドの姿も確認できた。見事に動じていない、ふりをしているようだったが少し表情がこわばっているように見えた。分かりずらい変化なので、おそらく俺しか気づいていなかったと思うが、まあ無理もないだろう。


そうして勇者一行が俺のいるあたりの前を横切ろうとした時、その瞬間、勇者がこちらに視線を向け、俺の視線と偶然かち合った。



どご    ん



俺の心臓が、一際大きく震えた音がした。


そしてその震えの正体に気付いた時、俺の顔から勢いよく血の気が失せる音がした。


勇者が通り過ぎても、俺はそこからしばらく―――指の一本も、動かせずにいた。俺の心中は、珍しく大混乱を起こしていた。遠目で見ていた時も引っかかるものはあったがまさか、いやだが時代が合わないのでは?しかし向こうもわずかに反応していたような、いやしかし。

と、脳内で激しく自問自答を繰り広げていた。無論口に出すようなへまはしていない|(筈だ)


ふと、自身の陰の位置が変わっているのに気が付いた。時間にしておそらく一時間ほどか?どうやら本当に、かなり動揺していたようだった。

当初の予定ではこのまま出征式の祭の出店を見て回ろうと、そのつもりでいたのだが、先ほどの事も手伝って俺は精神的に大分疲弊していた。今日はもう宿に戻って休もうと結論付けるのに、時間はかからなかった。


肉体的には何も異常はなかったが、精神的に疲れたのだ。それこそ今まで生きてきた中でも上位5位ぐらいに入るほどの、完璧な疲れっぷりだった。だが、だからこそ気付かなかったのだろう、顔を上げたすぐ目の前に。


先ほど町の外に向かったはずの、今代の勇者が、まるで俺を観察するような瞳で、こちらを向いて立っていることに。


直後、俺は走り出した。


ギルドから出されるミッションの形式は、某神様喰らいや某怪物狩猟みたいな感じです。


各町や村でその一帯を担当するギルド支店に行く

  ↓

掲示板からその時受けたいミッションを探し、受付に持っていく(決められなかった場合は、そのまま受付に行ってもいい)

  ↓

ミッションの詳しい事情を受付から聞き、受注印をもらってから依頼を遂行する(ここでその時の自分に丁度いいミッションを、受付に選んでもらうことも出来る)

  ↓

依頼内容を遂行したら、それをやったという証明をギルドに提出する(魔物の体の一部だったり、ミッションの依頼人に証明印を押してもらったり等々)

  ↓

ミッションクリア


こんな感じです。

ギルドは他にも様々なものがありますが、そちらについてはおいおい。

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