二話
プロットを大幅に変えてました。
嘘です。ごめんなさい。
シャワーを浴びて着替え、玄関のドアを開けると目の前には自転車置き場。アパートの一階に位置している部屋を借りてるからだが。
しかし自転車置き場と近いのは地味に便利なので、景色などの不満など消し飛ぶ。
空はまだ白く、夜の間に冷えた空気が体を突き刺す。もう四月だというのにこの寒さはどうなんだろうと思うが、空調設備が整った部屋にいたせいかもしれない。現代っ子だから仕方ない。
自転車の鍵を開け、またがってこぎだす。それなりに新鮮な風景。背の高いビルが乱立している駅付近から少し離れた、民家や公園の多い住宅地にアパートが位置しているので緑が視界に多く映る。
まだ春休み中であり、出勤にもやや早い時間なせいか、人がほぼいない。たまに見かけるのは走り込みをしている健康的な人間くらいだ。
自分はそんな人間とは正反対だな、とか思いつつ閑散としている住宅街を抜けて行く。
視界にやや低めのビルが入ってくる。あのビルがだいたいの境目であり、あれをこえて少しいけばコンビニだ。
ついた。時間はそんなに経っていない。自転車をとめて中に入ると、レジと商品棚のほうからほぼ同時にいらっしゃいませ、と明るく声をかけられる。
まっすぐ飲み物のコーナーに行って水2リットルを2本、次に弁当のコーナーに行って日替わりを一つ、最後にカップラーメンを6つくらいかごに入れてレジへ。
会計が終わった時尿意を感じ、店員に断ってトイレへ。すっきりして手を洗い、荷物を持ってトイレを出ると、サングラスマスクの刃物を持ってレジにいた方を人質にしている不審者と、助けたいのに手が出せない、悔しい、でも感じたりしないし怒りとやるせなさが有頂天、と言った感じのもう一人の店員がいた。
姉さん事件です。姉なんていないけど。
どうしようか。トイレがあるのは一番奥なのでバレて無いみたいだけど。一先ずトイレの個室に戻って警察に電話。そして所持品をチェック。
あるのはさっき買ったものと、時計と、財布。あと鍵。ですよねー。
様子をうかがうと、何をしたのか不審者が興奮してる。なんかキレてる。視線を追うと窓の外。警察早いです。でもドアに鍵がかかってるし人質がいるので迂闊なことは出来ない。もう一人の店員は未だに動いていない。動けないらしい。
それもそうだ。不審者今にもレジ店員の首切りそう。やばいな。使うかな、魔法。
基本人に当てちゃいけないし、当てたらほぼ捕まる。でもこの場合はセーフだよね。やっぱり怖い。面倒くさいけど少し工夫するか。
ペットボトルの中身を半分くらいトイレに捨てて蓋を閉めてほぼ密封、魔力を引き出してペットボトルの中に火を出しそれを熱する。もちろんペットボトルは市販の普通のものなので変形して溶け出すがが、そこも魔法、外面を冷たい障壁でコーティング。ペットボトルの形は維持しつつ、中の水だけが水蒸気となり体積を増していく。
そうして限界まで中の水を蒸発させると、ペットボトルは限界。
静かにドアを開け、相手がよそ見をした瞬間にペットボトル(仮)を投げる。身体能力を軽く強化し、風によるコントロールを行う。
相手にぶつかる瞬間に障壁を解除、すると限界だったペットボトル(爆)は内側からの圧力に耐えきれず爆発。怯んだ隙に突っ込んで衝撃のせいか泳いでる腕から刃物をおとし、もう一つの2リットルで頭を殴る。人質はもう一人の店員へ投げ、念のためにもう一度頭を殴り、気絶したのを確認して鍵を開ける。
警察の方々が中に入ってきて、まずは犯人を取り押さえた。
これで一件落着。水は仕方ないけど水道水飲むか。さあ帰ろう。
なんていくはずも無く、署まで連れて行かれて事情聴取です。拒否はしません。魔法は当ててないけど使ったし、憂鬱である。
さっきの店員二人はもう事情聴取を終え、最後に俺の番。
どうして店内に?とか、あの爆発は?とか、色んなことをしつこく聞かれた。当たり前だけど素直に話します。警察相手に嘘とか馬鹿。
ペットボトル(爆)の作る過程を懇切丁寧に説明し、過激だったが人質は無事に助け出すことができたので罪には問われない、だが一応少し待ってくれと言われて少し豪華な待合室に連れて行かれた。
そこで待つこと15分。失礼します、という眠たそうな声とともに入ってきたのは見事に見覚えのある人だった。
「半年ぶり」
「あぁ、半年ぶりだな。紫鳳」
それは半年ぶりにあう、半年くらい前の事件に関わりを持つ、紫鳳 霧という名の少女だった。
不定期とはいえこれはない。
でも遅筆だからしょうがない。