表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

一話

どうも。

今回も短めです。

 





 薄暗い部屋の中、カチカチと音が聞こえる。明かりはパソコンのライトくらいだ。

 そのパソコンの画面には、ベッドのシーツに包まっている半裸の美少女が映っている。

「ふぅ、これで攻略完了か」





 これで何本目だろうか。そろそろ積み上がってきたエロゲーの箱が無視できないレベルになってきた。

 そして達成感とともに何とも言えない空しい気持ちがこみ上げてくる。

 その気持ちを無理矢理呑み込んで数ヶ月ぶりに部屋を片付け始める。


 春休みといわれるこの連休もあと5日くらいしか無い。それが終わったら高校生活が始まってしまうのだ。

 学校が始まったら妹が様子を見に来るらしいから、それまでに片付けないと兄としてのプライドとかそういうのが木っ端微塵に砕け散ることになる。

 それほど兄妹仲は悪くないと自負しているし、それだけは避けねばならない。

 そもそも半年ぐらい会ってない。久しぶりに会うのだからこんな部屋見せられない。


 俺がこんな風になったことを知っている人間はいない。この半年の間に会った人なんて数えるくらいしかいないし。










 この世界には魔法がある。

 ずっと昔からあったらしい。

 ごくわずかに存在する、才能のあるものだけがそれを使うことができた。

 それはずっと秘匿されてきたもので、これからもそうなるべきものだった。

 しかし、一人の頭が狂った魔法使いが世界中に『種』をまき散らしたせいで秘匿は不可能になった。

『種』は人に、殆どは幼い子供や赤子、精子や卵子に取り付き、魔法の才能を与えた。

 魔法は扱い方を誤れば、非常に危険なものだ。それを自制心が弱い子供たちが使うことができる。

 これは非常事態だ、そう政府は考えた。

 事件が起こる前に魔法を公にし、魔法を使えるものを徹底して管理することにした。

 最初は混乱も起きたし様々な衝突もあったが、数人の被害者が出てきたところで完全にこれは認められた。

 魔法は空想ではなく現実のものとなった。


 そんなことが起きてから50年。完全とまではいかないが、世界は、人々は魔法を受け入れていた。

 教育機関も整備され、魔法科というものができ、更にそこから分岐するいくつもの学科もできた。

 未だに機械は使われているがエネルギー源は新しいものに換わり、エネルギー不足も無い。

 魔法によって人類は大きく前進したのだ。










「っとこのくらいで大丈夫かな」

 部屋は掃除して放置された洗濯物は洗濯機の中で踊っている。あれなゲームはパッケージに詰め、袋に入れ、段ボール箱に入れ、収納の奥深くに詰め込んでおいた。

 家賃月に8万の割にはそこそこきれいで広い部屋。ものは整理されてるし本棚の本も整っている。完璧だ。


 時計を見るとまだ朝の6時。買ったエロゲーは全てクリアしたし、やることが無い。

 勉強はいつも十分過ぎるほどやってるからいいとして、そういえば食料が切れてたな。買い出しにいくか。

 前に買ったのは一ヶ月前だけど、それは通販で配達してもらっただけだし、その前もその前も、更にその前もそうだから家を出るのは4ヶ月ぶりか。

 うわあ、ちょっと自分でも引くなぁ。これはさすがにまずいかもな。

 通信教育で学校行く必要なかったし。

 ああ、そういえば受験で一回外に出たな。あれを入れれば二ヶ月ぶりくらいか。

 それでも結構危ないな。まあ学校始まればいやでも毎日家を出ることになるし、これ以上悪化することも無いだろう。

 コンビニなら開いてるかな?まあさっさと行ってさっさと帰るか。



家からまだ一歩も出てないっていう。


感想とか直した方が良い点とかあったら気軽にどうぞ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ