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《完結》子供が出来ない日の初夜なんて無駄なだけです  作者: ヴァンドール


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5話

 全く、何なのだ。公爵邸に久しぶりに帰ると、使用人たちは皆、俺のことを遠巻きによそよそしく見ているし、呼びつけてもなぜか淡々としていて冷たく感じる。

 ロザリーが朝早く出て行ったと聞かされて、俺は清々しい気持ちで言った。


「そうか、やっと出て行ったか」


 俺が、満足げにしていると、使用人の分際でランナのやつが嫌味ったらしく言う。


「あんな素晴らしい奥様はもう二度とお目にかかれないでしょうね」


 俺は腹立たしいのですぐにアンリ嬢を屋敷に呼び寄せた。

 屋敷に来たアンリ嬢ははしゃいでいる。


「素晴らしいお屋敷ですね、さすがは公爵邸です」


 その言葉に気を良くした俺は思わず言ってしまった。


「よかったらここに住んでもいいぞ」


 するとアンリ嬢は喜んで


「ウェル様、本当ですか? 私、とても嬉しいです」


 そう言って、抱きついてきた。

 そしてその日のうちに自分の荷物を運び入れてしまった。


「ねぇ、ウェル様、ドレスとか足りない物はウェル様にお願いしてもよろしいですか?」


「ああ、好きにするといい」


「それでは、私の侍女は?」

 

「ランナ、今日からアンリ嬢の侍女を頼む」

 

 その日の夜からアンリ嬢は俺と夫婦の寝室で寝ることになった。ロザリーとは一度も使わなかった寝室で。


 次の日の朝、俺は昨夜のアンリ嬢との行為が朝までだったので疲れ果てて、目覚めたのは昼近かった。


 起きると、階下が賑わしいので下に降りると、そこにはアンリ嬢が商会の人間と色々な品物を並べて、あれもこれもと選んでいた。

 それを見てふと思った、ロザリーは一度もこの公爵邸に商会を呼んでいなかったはずだ、買い物をすれば請求がくるはずだが、一度も見たことはなかった。

 何だか不思議な気持ちになった。

 そして、ランナを側に置き、傲慢な態度で接しながら、買った荷物を次々に運ばせていたアンリ嬢を見て、それを不愉快に感じながら注意をしようとしたら、俺の存在に気づいた彼女が抱きついてきた。


「ウェル様、ありがとうございます。昨夜は疲れましたね」


 思わず、何も返せなくなった。

 そして『まあ、このくらい仕方がないな』と思ってしまった。

 しかし、この状況がずっと続くことになるとはこの時の俺は想像もしていなかった。


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