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アルドワ560号世界

「ではこれより、ガリレオ・ガリレイを死刑にするための逆転裁判を執り行います‼」

「弁護側、準備完了しております‼」

「検察側、同様だ」

 裁判長の宣言に、弁護士ナル・フォードと検事ミッツ・ルギーが応える。どこかで見たような奴らだ。

「あわわわわ」

 ガリレオ・ガリレイはゴミのように糞チビる。湿っぽい法廷の湿度が増していく。

「ガリレイさん、動いてるのはテン、ですか‼ チ。ですか‼」

 何故テンには読点なのだろうか。などという疑問は今はどうでもいい。ここはテン、と答えなければならない。チ。と答えた時点でチ。に出てきた地動説論者のような目に遭わされる、とチ。の愛読者のガリレイは感じ取っていた。

「テン、です‼ テン、‼」

「何故読点なんですか‼」

「そこ⁉」

 いや、お前も付けていただろう‼ などとツッコんでいる場合ではない。心証は最悪に近い。

「もう死刑にしましょう」

「検察側もそう思う」

「弁護側も、特に異論はありません!」

 ナル・フォード‼ お前だけは食い下がれよ‼ などと言っている場合ではない。ヤバい。このままではガチで死ぬ。

「いや、動いているのはテン、ですよ‼ チ。は駄作ですよ‼」

「アニメ化したのに?」

「ツイッターでも人気だったぞ?」

「いや、今はXです!」

「ぐぐ……」

 ナル・フォードがよく分からないところでミッツ・ルギーを追い詰める。よし、いつもの逆転裁判みたいな流れになってきた。

「何をしているの、ミッツ! 早くガリレイを仕留めなさい!」

 カルラ・レイ検事も召喚された。やはり門倉翼の推しだけあり、無理矢理の友情出演だ。

「実に面白い‼」

「何がですか!」

「いや、ちょっと言ってみたくて」

 ガリレイは言ってみたくなって自身の名台詞を放つ。いや、実はガリレイの名言ではなく、ガリレオの名言だ。ガリレオとガリレイでは、遺伝子レベルで超えられない才能の壁がある。


「逆転裁判なんですか! チ。なんですか!」

 いや、逆転裁判みたいになっているのは貴男達の所為だろう。そしてチ。みたいになっているのは致し方ない。何故ならこの作品の企画がそもそもそれへの便乗なのだから。

「殺していいんじゃない?」

 カルラ検事が物騒なことを言う。

「殺していいかもしれん」

「殺していいかもしれませんね」

「食らえ!」

 ナル・フォード弁護士に至っては、生卵をぶつけてくる。

「シュークリームでーす! 差し入れでーす!」

 なら普通に渡してほしかった。

「どうしても吐かないっていうのなら、アレしかないわね」

 カルラ検事は衣服を脱ぎだし、ムチムチの肢体を法廷に曝す。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお‼ レイちゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん‼」

「くそ、我が娘が……」

「カルラ検事いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい‼ 最高っすううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう‼」

 何かどこかで見たような人達が傍聴席から歓声を上げる。皆の隠していた感情が悲鳴を上げている。いや、二話目からいきなりエロ同人展開をぶち込んで良いのだろうか。

「あら、こっちの口は素直ね」

 カルラ検事はガリレイのレイをしゃぶる。そういえばこっちもレイだ。

「貴男と結婚したらレイ・レイになるわね」

 いや、どうしたってそうはならないだろう。しかし、まずい。溜まっていたからすぐイってしまう。イってしまったらガチでイってしまう。ガリレイ転生してしまう。転生したらスライムになりたい。ルーデウスにはなりたくない。リムル様になりたい。カズマでもいい。スバルは嫌だ。

「中途半端だけは嫌ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼」

 その時ガリレイの力は目覚め、

 大地が震えた。

「これが俺の力、地動力……‼」

「大地は震えた。つまり、地は動いた。地動説に異議はありませんね⁉」

「異議なし‼」

「異議なし‼」

「ん、きもちい、んん」

「無罪‼ 閉廷‼」


 前回、見事無罪判決を勝ち得たガリレイ。

そして彼に目覚めた新たな力、地動力。

天地揺るがすバトルファンタジーの幕が上がる‼


「ん、んん、ん」

 カルラ検事はガリレイのナニをしゃぶる。どうやら先程の一件で惚れられてしまったようだ。ガリレイ一行の一人目の仲間、性欲処理係のカルラ・レイだ。レイという名前に運命的なものを感じていたが、まさかメインヒロインになるとは。小説は奇妙奇怪奇々怪々だ。

「よし、気持ち良かったよカルラ検事」

「そ、そう? それは良かったわガリレイ!」

 鞭でびしっと叩かれた。彼女は鞭使いのようだ。そして何故今叩かれたのだろうか。

「しかし、地動力なんて、よく分からんなあ」

「地を動かす力。貴男が先程法廷で使った力ね。それと逆の力は天動力という」

「天を動かす力か」

「ええ。そっちの方が一般的だったんだけど、地を動かす力なんて使うの多分貴男くらいよ」

「チートスキルか」

「調子に乗らないで。希少なだけで絶対ではない。レアなだけで最強ではない。時の魔術師のようなものよ。ブルーアイズに粉砕されるわ」

「タイムマジック‼」

 ガリレイがカルラ検事の両乳首を捏ね回すと、

「調子に乗らないことね!」

 とびしばし鞭の反撃を受ける。

「ちなみに私も使えるわ。天動力ならね」

 そしてカルラ検事が

「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼」

 と力むと、

「ぷう」

 と可愛いおならが出た。

「ああ、成る程。気圧的な。気象的な」

「いや、そうじゃない、今のは」

 カルラ検事が羞恥に顔を焼かれていると、

 雲行きが怪しくなり、

 周辺がやたら湿っぽくなる。

「湿度が、上がった……?」

「ああ、これが天動力」

 つまり、天候に関与する能力ということか。それならば地動力は

「大地、地球か」

「ええ。天動力は天空、そして宇宙」

「それだけ聞くと天動力の方が強そうな」

「いやいや、地動力は強い。特に私達地球人にとってはホームそのものなんだから」

「そっか。ホームか」

 なら天空、宇宙はアウェーということになるのだろうか。

 地動力者ガリレオ・ガリレイは、

 天動力者カルラ・レイと旅に出る。

「実に面白い‼」

 実に面白いものを見に行くために。

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