エピソード8 死神になった魔術師
影と連翔の残酷な戦いに目を覚ましたインは光のベッドで少し寝ていた。
「イン。朝食できたよ。君のタイミングでいいからね。」
「あっそうだ光。大事な話って何?」
「大事な話っていうのは、SINGETUの『二人の花』のEnglishverとMatoのpixiv小説『Mr.フォックス』シリーズを中心とした楽曲をたくさん作詞作曲していこうと思っているんだ。」
「あ、そうですか。」
Matoのpixiv小説『Mr.フォックス』シリーズはSの大人気ゲーム『S・T・H』シリーズの人気キャラクター、マイルス・パウアーを主人公にした小説。
数分後、インはテーブルに向かった。テーブルにはサンドイッチやミートスパゲティが置いてあった。インは椅子にゆっくり座った。
「美味しそう。光。これ食べ終わったら外出してもいい?」
「いいよ。」
インは朝食を頬張ってから連翔の所に行くため、外出した。
家を出たインは連翔の家に向かった。連翔の家に着いたインは家のインターホンを押した。しかし連翔は出なかった。連翔が家から出なかったので、インは光の家に向かった。光の家に向かっている途中、渋谷で偶然連翔に会った。
「連翔くん?」
インは連翔に声をかけた。しかし連翔はイヤホンをしていた。
イヤホンをしている連翔にインは人混みに隠れながら追いかけ始めた。インが連翔を追いかけているとなぜか浅草に来ていた。
〈なんで私と連翔は浅草に来たんだ。〉
インは浅草の風景を見ながら考え込んだ。インが考え事をしていると、中華屋の屋上から見知らぬ男が飛び降りて来た。
「やっと来たか。影。」
〈影って、朝会った男。〉
インが見た見知らぬ男は朝の葛飾区で会った時倉影だった。
「貴様の後ろには今朝の女か。」
影はインを遠目で見つめた。
「イン?」
連翔は犯罪者のような目をしながらインを見つめた。
「何?何なの、ねぇ、怖いよ。」
インは思わず怯えてしまった。
「イン、俺が魔術師として強くなる未来のために、眠り姫になってくれ。」
いつもの連翔では無い。何者かにか操られてるような人間になっていたのだった。連翔はレスリング選手のようにインを襲い始めた。
「誰か。助けて。」
インは二人の犯罪者からすぐに逃げ、助けをすぐに求めた。しかし、誰もインのことを助けてくれなかった。
「残念だったな。イン。僕の『時止』でこの時間を止めた。助けを求めても無駄だ。大人しくながい眠りにつけ。前田みのるの嫁。」
「前田みのるの嫁?!」
インはすぐに逃げるのを辞めた。
「違う。私は前田みのるの嫁じゃない。」
インはすぐに影の姿を見た。
「何を言ってるんだ。アイミ・イン。俺らが決めた未来を削除するのか。」
「人の未来を決める人なんて。最低。時倉影。あなたはこの世界で最低な男。私の未来を決めるなんて最低。」
「何を言ってるんだ。アイミ・イン。貴様は頭が狂っているのか。」
「自分の未来は誰かが決めるんじゃない。未来は自分で決めるもの。」
「『未来は自分で決めるもの』か。ふん。ばっかみたい。」
「もう一度言うは。未来は自分で決めるもの。誰かが決めるものじゃない。」
「だから?」
「私は生まれつき体が弱く、両親はいなかったの。私はみんなみたいに速く走れる人じゃない。叶影くんみたいに身体能力が無い。でも、三歳の時、おじとおばは音楽に関する職業だったの。私が音楽を始めたきっかけはおじとおばの仕事の影響。」
「生まれつき体が弱い。目障りだ。滅びるがいい。前田みのるの嫁。」
「私は自分の未来を自分で決める。誰かが決めない。自分で決める。」
影が右手からの焼肉を焼くような黒い煙を出した。
「私は、時の魔術師の嫁。アイミ・イン。」
「時の魔術師の嫁。アイミ・イン。目障りだ。僕の怒りの力は永遠に削除されない。眠り姫になって滅びろ。」
影は黒い煙を右手に溜め込み、連翔に向けた。怒りの力は黒いオーラを保ち、連翔の身体を包み込んだ。
「さぁ。死神になれ、美樹連翔!」
連翔の姿は金髪に上半身裸の男になった。
「俺の名前は、ウルフ・キラー!そこにいるお嬢ちゃん。眠り姫になって。」
「連翔くん、戻って。お願いだから。」
「死神になった魔術師は元に戻らん。残念だったな、アイミ・イン。」
インは涙をこぼしながらすぐに逃げ始めた。その時の瞬間、黄金の雷が激しくなり光った。
「キャー!」
インは思わず耳を塞ぎながら座り込んだ。
「やはり死神になっていたのか。美樹連翔。」
インが後ろを向くと、彼女が探していた時野叶影が目の前にいた。
「イン。離れろ。後は俺が殺る。」
叶影は右手を出した。
「青い無限。旋律吹雪。」
激しい吹雪が吹くようにウルフ・キラーは凍死した。
「ウルフ・キラーは、シンガーソングライター。ハリケーン・ザ・ウルフに生まれ変わる。俺の宝石魂がそう言っている。」
叶影は左手から緑色の宝石魂を左ポケットから出した。
「叶影くん。それって、宝石魂なの。」
「そうだよ。花嫁。」
「何くだらんことを言ってるんだ。時野夫婦。目障りだ。滅びるがいい。」
「滅びるのは、貴様の方だ。時倉影。」
「ふん。じゃあ。滅亡しろ。影スピア。」
無数の黒い光が叶影とインに向かって来た。
「大丈夫だよ。花嫁。緑の無限。無限バリア。」
明るい緑色のバリアが出てきた。夫婦の方へ向かった影スピアは無限バリアに当たった。しかし、バリアは無傷だった。叶影は帝釈天印をしながら右腕を上げた。
「科学展開。無限空間。」
緑色の光がバリアの周囲を囲み始めた。そして、大爆発が起きた。インは理解不能な状態になり、目を閉じた。
インが目を覚ますと、光と私服を着た叶影がいた。
「イン。君はずっと寝ていたんだよ。」
「イン、今からMatoのpixiv小説『Mr.フォックス』を原作とする楽曲を制作していくから。」
「あ、はい。」
「無理しなくていいからね。」
「時野。ありがとう。インを運んでくれて。もし君がいなかったら、インは命を落としていたのだろう。」
「そうかもね。光。お前と彼女は自分の夢を所有物にしている。俺も自分の大切な物を所有物にしている。」
「そうだよね。時野。僕とお前は。小学校からの親友だからね。君は大学を卒業したら近畿へ行くの。」
「違う。悪い未来が見える。夏休み最後の二週間。ボクレス団体。アイキルユーがインを難病にする。俺の宝石魂がそう言っている。」
「『アイキルユー』って、あなたを殺す意味だよね。君の宝石魂がそう言ってるなら、インは難病になるの。」
「私難病になるの。ねぇ、光くん。あなたも魔術師なの。」
「違うよ。イン。僕は魔術師じゃない。時野が魔術師であることを知ったのは、路上ライブでギターを弾いていた時に時野が緑の宝石を見せて僕の未来を占って。結果的、時野の占いは本当だった。そっから僕は宝石魂と魔術師の秘密について時野に教えて貰った。」
「そうか。じゃあ楽曲制作しようか。」
「そうだね。イン。」
「じゃあ俺は君たちの夕食を持ってくるから。イン、今日は家に泊まりな。おばに言っておくから。」
「はい。ありがとう。叶影くん。」
叶影くんが夕食の準備をしている間、インと光はパソコンのソフトでpixiv小説『Mr.フォックス』を読み始めた。Mr.フォックスのあらすじは、テイルスが夜更かしを楽しんでいる時、偶然テレビでプロレスの試合を観戦する。プロレスラーの汗を流す姿に心を奪われたテイルスはプロレスラーを志す。
「Mr.フォックスをどうやって楽曲にするのか。」
インは小説を難しく思うように光に言った。
「そうね。この小説は3シリーズの短編小説集だからな。」
「そうだ。Mr.フォックスのエピソードを楽曲にするのは。」
「それいいね。じゃあ。今から楽曲制作をしよう。」
インと光は楽曲制作をし始めた。
一方その頃、叶影は夕食を作りながらテレビを見ていた。
「続いてのニュースは今話題沸騰中のシンガーソングライター。」
〈やはり、シンガーソングライターになっていたのか。ハリケーン・ザ・ウルフ。〉
「ハリケーン・ザ・ウルフ。21歳。彼は作詞作曲編曲の実力を持っている男性シンガーソングライター。彼の音楽は独特的な音楽。」
叶影はテレビの声を聞き続けた。
叶影が料理をしている中、インと光は楽曲制作をしているのであった。