エピソード5 SINGETU
翌日の朝、インの頭の中は昨夜の男性のことでいっぱいだった。
〈彩世さんと音楽ユニットを組むのか~って、あの人ボカロなのかな、しかも、物語を楽曲にするユニット。〉
インが考え事をしていると、ネオが突然来た。
「インちゃん、おはよう、昨日の夜、何かあった?」
「あったよ。あの男に『音楽ユニットを組まないか。』って。」
「えっ、そうなの、マジで、その男詐欺師って言うか、名前は?」
「えーっと、確か、ボカロの彩世光?」
「ボカロの彩世光?どっかでか聞いたことのあるなぁ、もしかしって、と言いたいんだけど、その話は学校に着いてから。」
インとネオはその話をするため、学校に行った。
教室に着いたふたりは登校中の話をした。
「ボカロの彩世光って、この男でしょ。」
ネオはスマホをググってインに見せた。
「え、私が言っている『ボカロの彩世光』って、あの男なの?!」
「彩世光、西暦2005年12月24日、年齢は21歳、職業はプロの音楽家、出身地は奈良県北葛城郡、家族構成は父、母、3歳年下の妹。」
ネオは光の個人情報を言い、YouTubeを開いて『彩世光』と検索した。
「彩世光のYouTubeは自身の曲と歌ってみたがあるの。特に歌ってみた動画が再生回数多いんだって。歌ってみたの再生は私の家でっと言いたいんだけど、インちゃんは今日、用事ある?」
「水曜日だからないよ。」
「じゃあ、放課後、私の家でね。」
ネオはそう言って放課後を迎えた。
放課後、インとネオはマンションに行った。ネオの家でインは昼食にチャーハンを食べながら光の歌ってみた動画を再生した。
歌ってみたの曲はラテン語で言うと『Post ludum tea temporeのCagayake! Puellae,noctemのMORTUUS』である。この曲はインとネオが聞いたことあるかないかの曲であった。動画を見ている間にインターホンが鳴った。
「あの~マスカーさん、インはいるのでしょうか。」
モニターに映っていたのは光だった。
「え、もしかして、光!なんでこの家を知ってんの。」
インはモニターを見てすぐに玄関を開けた。すると、知らない人がたくさんいた。
「イン、僕を信じて、物語を楽曲にする音楽ユニットを組もう。」
光はプロポーズをするみたいにインの心を揺らした。
木曜日の放課後、インは光の事務所に行った。光の事務所は『SME』である。『SME』は日本を代表する音楽会社である。
「イン、僕は今までの夜、事務所に物語を楽曲化にする音楽ユニットとユニット名を提出した。ユニット名は『SINGETU』。SINGETUの由来は僕たちふたりの音楽で色んな人々を幸せにし、遊び心満載で新時代を作ることへの願いであり、1stシングルはMatoのpixiv小説『結婚式の花』を原作とした『二人の花』でデビューしたいけど、まずは明日やるTikTokで自己紹介をし、次に楽曲を覚え、7月31日に本番をやってから8月1日にYouTubeに投稿する。」
光はインに次にやることを言った。
SINGETUのメンバーはコンポーザーはHikaru。ボーカルはInのふたりに決まった。
翌日の夜、SINGETUはTikTokで自己紹介をしてからすぐにデビュー曲の練習をした。完成するまでは、約三日はかかっていたのだろう。
本番の日、SINGETUはデビュー曲である『二人の花』を歌い始めた。歌の内容はYの『夜駆』に少し似ている。8月1日に光はYouTubeにデビュー曲を投稿した。数時間後、デビュー曲は34億回、再生され、世界中の話題になった。
一方その頃、叶影は自室で動画を見ていた。
〈SINGETU、今年のお盆休みにボクレスジムの連中が君らに誹謗中傷を出しまくる。〉
叶影はSINGETUの未来を予言した。