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アダムの嘲笑  作者: 卯月 絢華
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Interlude 01 4人の証言

【京橋冬彦の証言】

 あの時、僕は大阪城公園でストリートライブをしていました。ストリートミュージシャンだから当然でしょう。だから僕が人を殺してなおかつ死体をバラバラにして棄てたとは考えられません。

 もしも誰かが僕に濡れ衣を着せるとしたら、僕を恨む人でしょうね。


【桃谷詩織の証言】

 あの時、私は昼の番組のDJをやっていました。だから理論上殺人は不可能です。ラジオ局の社屋があるのは南森町みなみもりまち。東西線でも殺人現場から南森町、つまり北野天満宮まで2駅です。しかし私が連続殺人事件を犯す理由は何処にも見当たりません。

 仮に私が殺人事件を犯すとしたら、元彼に対してでしょうね。


【大正光の証言】

 僕が債務者の取り立てを行っていたのは紛れもない事実だ。しかし人道的に反する方法での取り立ては考えていない。寧ろ、他のサラ金会社と比べるとクリーンな方法で取り立てを行っている。

 刑事さん、僕が殺人を犯していないという証拠はここにあります。これは会社の携帯電話です。確かにこの時間、僕は取り立てを行っていました。しかし京橋ではなく反対側の南森町です。だから、僕は殺人を犯していません。


【西九条悦子の証言】

 その時間、私は大河ドラマのロケハンのために大阪城公園に行っていました。もちろん、天守閣の中にも入っています。次回作の大河ドラマが前田利家まえだとしいえを題材にしているので、少し戦国武将について勉強しようと思って。

 殺人?私が犯すわけがないじゃないですか。私は日本アカデミー賞女優です。もしも人を殺したら大問題。銀幕のみならずブラウン管にも瑕が付きます。


「4人の証言は以下の通りだ。」

「赤城刑事、お疲れ様です。とりあえず全員怪しいのは分かりました。」

「そうだな。4人共殺す理由が見当たりそうな気がする。引き続き捜査を行っていくから、君もよろしく頼んだぞ。」

「はい。分かりました。」

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