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解説

叙述トリックを使用している為、本文では読者が論理的に解く過程は明かされていません。なので、恥ずかしながらここで解説させていただきます。必ずしもこの順で解く必要はありませんし、容疑者の除外理由に関しても別解がある場合があります。


まず違和感を抱くであろうことは、Vtuber視点と警察視点の矛盾。Vtuber視点では、昼食後の二十分に「わたし(きさら)」と「エイリ」がお手洗いに行ったと書かれている。また、警察視点でその時間にトイレに行った人物は、「エイリ」と「メノウ」である。挑戦状に記載した真の手掛かりにより、真実を言っていない方はVtuber視点。

では、なぜ「わたし」は嘘を付いているのか。

それはゴールデンウィーク企画がそれぞれのアバターを交換するというものだから。その「練習」を現在進行形で行なっていた。

理由は複数。起きがけの「エイリ」がきさらをエイリちゃんと呼んだこと、誕生日のバースデーソングの最後が揃わなかったこと、鳴宮失踪後に『練習を忘れ』てからわたしが私表記になったこと、ゴールデンウィーク企画を現在進行形で練習中なのに、その企画ではダンスは行なわれないことなど。

この叙述に気付いたら、あとは誰が誰を演じているかを推理する。


再び挑戦状の手掛かりから、実際にトイレに行った人物はエイリとメノウである。エイリ役がきさら役に対して、寝ぼけてエイリちゃんと言っていること。また、交換企画の練習なのに、エイリがエイリ役を演じるのは理に適っていないことを踏まえると、きさら役はエイリが担っていると判断出来る。


相浜聡美  神星メノウ→天風エイリ役

芝山冴和  天風エイリ→夢前きさら役 語り手


次に骨折していたのは誰か。警察視点では複雑骨折をしていた彼女はギプス包帯でぐるぐる巻きで、寸分も動かせないと書かれている。Vtuber達の描写を探すと、右手を使っている表現が書かれていない人物はウト役のみ。病院に行っていたことも合わせて、警察視点の坂城(ミスズ)がウト役を担っていると分かる。


坂城四葉  仕棟ミスズ→葉桜ウト役


あとはウトときさらが、メノウ役とミスズ役のどちらを演じているのか。

ミスズ役と周囲の言動を見ていく。

ミスズが誕生日であり、誕生日プレゼントを開ける流れになったとき、Vtuber視点では誕生日の人物はミスズ役であり、考える人の像をプレゼントされたのもミスズ役のように描写がされていた。しかし、ウト役がミスズだと確定した今、実際にプレゼントを贈った人物はウト役(ミスズ)に贈ったわけである。

次にプレゼントの贈り主について。なぜ「わたし」は本来のきさらが贈り主と分かったのか、そしてなぜ他のVtuberは自分の役の人のプレゼントではないと分かったのか。それはウト役(ミスズ)が贈り主を尋ねたとき、ミスズ役以外で微塵も反応を示す人物がいなかったからである。つまりミスズ役は自分自身が贈ったプレゼントを選んで開けたことになる。

そしてウト役が問い掛けたとき、名乗り出た「わたし」がきさら役であることから、プレゼントを贈ったミスズ役は本来のきさらであると判明する。よって、本来のきさらである沖田は、死亡推定時刻の前半にプレゼントの凶器を持つ人物であり、ダンスレッスンの後に単独行動をしていた人物でもある。


沖田優羽  夢前きさら→仕棟ミスズ役

消去法で、

片桐明日架 葉桜ウト→神星メノウ役


最後に、きさら(ミスズ役、最初に空白の時間)とウト(メノウ役、最後に空白の時間)のどちらが鳴宮を殺害したのか。

警察視点の描写で、片桐(ウト)は鳴宮と同じ背丈をしていると書かれている。つまり犯人視点で鳴宮と相対しているときに片桐(ウト)は見下ろされることはない。よって犯人は沖田優羽である。


以上で犯人当て第三弾完結です。率直なご意見ご感想ありましたら、遠慮なく書き込んでいただけると嬉しいです。読んで下さった方々、考え挑戦してみて下さった方々も、本当にありがとうございました。

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