二章 3
やがてクリーミーな泡が立っているギネスとカシスオレンジが運ばれてくる。二人はグラスを持った。
「主任!おめでとうございます!乾杯!」
グラスを軽くぶつけ合い、お互いに一口ずつ口をつける。
「おめでとう!」
亜矢が拍手で祝福する。
「バーカ。まだ早いよ。まだヒラだよヒラ。4月からだって。再来月だな。それにまだ正式な辞令も出てないんだし…」
大橋は否定こそするものの、それが照れ隠しだということは亜矢にもわかっていた。
「いいじゃん!ちょうど4月は誕生日なんだし、ちょっと早い誕生日プレゼントだよ」
「まぁ8年間がむしゃらにやってきたからな…。営業ばっかだけど…」
「そのおかげで私に出会えたんでしょ?」
「その通りでございます!全く感謝だよ」
「私もタクミに出会えたおかげでこんなお洒落なお店に出会えたし、茂野さんに佑紀さん、それに優ちゃんにも出会えたんだから、ものすごい感謝してるよ」
優しい笑顔で見つめる亜矢。
「照れるだろうがアホ!」
ギネスを一気に飲み干す。
「まぁお前に出会って3年だもんな…。こっちも本当…感謝してるよ。ありがとうな…亜矢」
「…タクミ。酔ってる?」
亜矢が茶化すように言う。
「うるせえ…」
大橋は照れ隠ししながらギネスをもう一杯注文する。




