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過去戦争(アナログウォー)

作者: 大和

 「過去戦争(アナログウォー)


 現代(いま)を生きる私達の生活は、日々、未来(デジタル)の進歩によってより便利で快適なものになっていた。


 快適を求め、さらに進歩を続ける未来(デジタル)


 これは、そんな未来(デジタル)の進歩する加速をわずかながら食い止めた短編物語である。

 


 時は現代(いま)、人々(わたしたち)は目に見えぬ脅威(てき)に襲われていた。


 その脅威(てき)を前に、日々進歩する未来(デジタル)が立ち向かう。


 当所、未来(デジタル)は優勢な立場にいた。


 人々はこれに安心し、その脅威(てき)が去るのも時間の問題と楽観視、また元の生活を夢見る。


 しかし、脅威(てき)もまた進歩を遂げ、未来(デジタル)に襲いかかった。


 未来(デジタル)脅威(てき)の激しい戦いが繰り広げられる中、人々は見守るしか出来ない。


 やがて、未来(デシタル)が押され始める。


 脅威(てき)は学習し、己の判断(自己)を持つようになった。


 未来(デシタル)は人々の指示を仰ぎ、判断する。


 この差が明暗を分けた。


 脅威(てき)に支配されていく未来(デシタル)、混乱する人々。


 絶望の言葉が脳裏をよぎる。


 最早、脅威(てき)の存在に抗う術が見当たらない。


 未来(デシタル)の敗北が見え始めた頃、人々は、豊な生活を放棄せざるおえなくなっていた。


 豊な生活を失い、貧しい生活を送る日々。


 そんな貧しい生活が続く中、ある時、人々は気がついた。


 失っていた大切なものに。


 過去(アナログ)が目を覚ます。


 過去(アナログ)は、人々を苦しめる脅威(てき)に戦いを挑む。


 未来(デシタル)が敗北した脅威(あいて)に。


 自己を持ち、猛威を奮う脅威(てき)過去(アナログ)が勝てるはずがない。


 人々はそう思う。


 過去(アナログ)はそんな脅威(てき)の猛威を少しずつ、後退させた。


 脅威(てき)は何故、自分が押されているのかわからない。


 次第に弱る脅威(てき)に、過去(アナログ)は相討ちを仕掛ける。


 人々の前から脅威(てき)は消え去った。


 無論、過去(アナログ)も。


 過去(アナログ)が勝てた理由。


 それは自己を持ち、進化を遂げる存在は最強と言える、しかし脅威(てき)敗北(まけ)(よわさ)を知らなかった。


 自己を持ち、己を高ぶるだけでは勝者とは言えない。


 過去(アナログ)もかつては強者であった、未来(デシタル)に破れるまでは。 


 敗北(まけ)(よわさ)を学び、それを生かした故に、過去(アナログ)脅威(てき)に勝てたのだ。


 人々は過去(アナログ)に感謝した。


 貧しい生活は豊な生活に戻りつつある。


 豊な生活を取り戻した人々の元に未来(デシタル)が再び顔を出す。


 やがて人々は脅威(てき)を無くした過去(アナログ)の存在を忘れ去っていく。


 それを静かに見守る過去(アナログ)。 


 いずれ、破れた脅威(てき)は更なる脅威(てき)となって人々の前に現れるだろう。


 その時、過去(私)を必要とするかは人々の心次第。


 過去(アナログ)は再び眠りについた。


 


 


 


 


 

 


 

 


 

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