『復讐の無い世界』

ね

ね　猫　眠り　値段　粘土　ネオン　年功　年少　寝相　

　猫のように、明日からまたはっきりした目標を持って生活しよう、と決めたが三日坊主である。やはり真剣に生きなければならないと改めて自覚をすると、途端に眠くなった。自分の値段は、自分で決めては駄目で、粘土のように何度も念を入れて形作られたものだけが本物だと思う。だから、夜の景色に点在するネオンの美しさ、つまり夜景は人工的な美であると定義付けられよう。年功序列の世界、年少者がつらい世界、そんな世界ならば、寝相も悪くなるな、とため息をついて、光を求めた自分が見る夜景は絶景としての絵画的現象だった。