挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
アイコン戦国志 作者:小金沢

織田信長の章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

1/4

一五五一   魔王が生まれた日   (〇〇一)

~~~尾張 那古野なごや城~~~


挿絵(By みてみん) 織田おだ信行のぶゆき
「今日は父・信秀のぶひでの葬儀に集まってくれたことを、まずは感謝いたす。
だが悲しみに暮れてばかりもいられない。
今こそ我々は後継ぎである兄の信長のぶながをもり立て、一致団結する時だ」


挿絵(By みてみん) はやし秀貞ひでさだ
「失礼ながら……その信長殿は今どちらにおられるのかな」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信行のぶゆき
「兄は宗家へと連絡に行っておられる」


挿絵(By みてみん) 柴田しばた勝家かついえ
「ほう。父の葬儀を放ってか?」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信行のぶゆき
「このような時こそ宗家との関係を密にすべきと考えたのだろう」


挿絵(By みてみん) 柴田しばた勝家かついえ
「フン、どうせ鷹狩りに夢中で忘れたのだろう。
なあ丹羽よ」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「さて……?」


挿絵(By みてみん) はやし秀貞ひでさだ
「いずれにしろ信行殿がおられれば問題あるまい。
兄君よりもよほど頼りになられる」


挿絵(By みてみん) 柴田しばた勝家かついえ
「まったくだ!」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「ああ、まったくだ。だから安心して家を空けられる」


挿絵(By みてみん) はやし秀貞ひでさだ
「こ、これは信長殿……。
宗家への御用事は済まされたのですかな?」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「なんのことだ?
俺は村の相撲大会へ出ていただけだ。勝ったぞ」


挿絵(By みてみん) 柴田しばた勝家かついえ
「ち、父の葬儀を放って相撲大会だと……?」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「村人たちとは親父が死ぬ前に約束したからな。
だが親父が死んで悲しいのか、あまり盛り上がらなかった」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「……そりゃそうだ」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信行のぶゆき
(せっかく上手くごまかしてやったというのに、この男は……)


挿絵(By みてみん) はやし秀貞ひでさだ
「ま、まあせっかく来られたのだ。
まずは上座へ参られよ」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「いや、この後は隣村の水泳大会に出る。
焼香だけして帰るとしよう」


挿絵(By みてみん) 佐久間さくま信盛のぶもり
「……水泳大会も盛り上がらないでしょうな」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「そうか? やはり父の影響力は大きいのだな」


挿絵(By みてみん) 柴田しばた勝家かついえ
(息子が親父の葬儀を放って来てるから、
村人もドン引きしてるだけだろうが……)


挿絵(By みてみん) 織田おだ信行のぶゆき
「と、とにかく兄上に会えて父も喜んでいるだろう」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「異なことを言う。死体は喜ばんぞ。
それに私は昨日も親父の臨終に立ち会ったばかりではないか」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信行のぶゆき
「は、早く焼香を済まされよ!」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「大声を出さなくても聞こえる」


挿絵(By みてみん) はやし秀貞ひでさだ
(なんという男だ。
常日頃からおかしいとは思っていたが、ここまでとは思わなんだ。
かくなる上は一刻も早く……んん?
抹香を握ったまま何を呆けているのだ?)


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「………………」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信行のぶゆき
「あ、兄上……?」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「ッ」


挿絵(By みてみん) 佐久間さくま信盛のぶもり
「し、焼香を位牌に投げつけた……!?」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「邪魔したな。後は頼んだぞ信行」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信行のぶゆき
「      」


挿絵(By みてみん) 柴田しばた勝家かついえ
(な、なんという……。
こんなうつけに従っていては身の、いいや織田家の破滅だ!)


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「………………」


~~~尾張 那古野城下~~~


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「丹羽か。どうした。私を待っていたのか」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「水泳大会は勝てたか?」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「無論だ。だが佐久間の言った通り盛り上がらなかった」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「だろうな。まずはこの手ぬぐいで頭だけでも拭け」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「ああ。で、何用だ」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「なぜあんなことをしたんだ?」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「あんなこととはなんだ。どのことかわからん」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「焼香のことだ」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「ああ、あれか。
簡単なことだ。作法を忘れた」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「忘れたとしても、焼香を投げつけるのは違うとわかるだろう?」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「細々した間違いをするくらいなら、派手な間違いをしようと考えた。
その方が派手好きだった親父も喜ぶ」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「親父殿は細々した間違いの方がうれしかっただろうな」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「その可能性は否定できない」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「……なあ織田。お前の唯一の弱点はそういうところだと思うぞ」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「どういうところだ。はっきり言わねばわからん」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「だからそういうところだ。
つまり……その、なんというか、お前は空気が読めない」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「そうらしいな」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「自覚があるだけマシか。まあいい。
また何かあれば、私が必ず苦言を呈そう」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「助かる」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「だが、これから面倒になるだろうな。
林や柴田が黙ってはいまい」


挿絵(By みてみん) 織田おだ信長のぶなが
「なぜだ?」


挿絵(By みてみん) 丹羽にわ長秀ながひで
「……わかった。ゆっくり説明しよう。
やれやれ、今日は帰りが遅くなりそうだ……」
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ