第一章 最終話「アルフィリア王国」
久しぶりの投稿です、止まりどころが見えず長いものになってしまいましたが、ゆっくり楽しんでください!
今から15年前その大陸の王国と帝国の戦争は始まった。
二つの国はもともと仲が良かった、がしかし、帝国の王は呪われた。
帝国の王は禁忌の術を使った、それは決して魔法を使って異なる世界に行ってはならないという事、王はそれを実行した、よって呪われた。
王は狂気と化した、しかし王は抗った故に殺され支配しやすい人間が呪われ王になった。
戦争は今も続いている…
「っ…眩しっ…煉華大丈夫か?」
「えぇ、大丈夫よ、私は」
「え?」
そこには中世ローマにありそう(もっとキレイだが)な闘技場があった、というかその中に。
「やばっ!」
「一斉防御!!!!!!!」
司令が叫ぶ。
それぞれ武器を持ちながら目の前に手を向け詠唱。
「守護神アラスティその光をもって、我らを守れ!」
8人が一斉に詠唱した。
すると、目の前に光の守護壁が現れた、次の瞬間左と右から魔弾が飛んできた。
「攻撃やめっ!攻撃やめっい!闘技を中断しろ!」
大きな声、と言うか大きくしたような声が聞こえた、つぎの瞬間魔弾は止み、砂煙が漂う空間となった。
なにやら外からがやがやと何万人はいそうな声がした。
「な、なんなんだ…?」
俺はわけがわからなかった。
しだいに煙がはれていった、するとそこには左に5人右に5人の魔術師(?(魔法使みたいな服着てるから多分そう))がいた。
「貴様らはなにものだ!!」
すると特別席のような所にいた女性の騎士が大声でそう言った。
「我らの神聖なる戦いを妨害する行為…極刑にも匹敵するぞ!」
「なんて言ってるの?」
この時俺は向こうの言ってる言葉が理解できなかった、が俺以外のみんなは理解しているようだった。
「まぁ、怒ってるわよ」
「申し訳ない!そんなつもりはなかった!私達は異界からきた!日本の東京という所からだ!女王様にお目通り願いたい!」
「司令なんて言ったの?」
「…ぁぁもぅ…リエルどうにかして欲しいんだけど…」
「文明の利器、自動翻訳機を真郷の耳につっこむ」
グイッ
「いででぇ…」
リエルがバスケのゴールにダンクするかのように飛んで耳にイヤホンを突っ込ませてきた。
「あ、それにそんな機能あったんだ…」
するとイヤホンから音声がながれてきた。
『いいか?向こうが襲ってきたらいっせいに太陽がある方の出口に走るんだ』
それが流れた瞬間皆が小さく頷く。
そしてなにやら女性騎士が後ろに座っていた人に話しかけている。
すると後ろに座っていたいかにも女王様みたいなドレスをきた女性が前に出てきた。
「ようこそ!」
「日本語?」
煉華がそう不思議そうな顔でいった。
「不知火ちゃーん!きてくれたのねー!しっかも真郷と煉華ちゃんも!ようこそ!私の王国へ!」
「え………」
なんとそこに立っていたのは、俺の母親だった。
「お前!急に抜け出して自分の国に勝手にもどるなよ!」
何だかんだで闘技場から馬車に乗せられ自分の馬車にはリエル司令母親俺煉華がいた。
そして司令が切れていた。
「しかたないじゃない!私にも自分の守るものってのがあるの!貴方にどうこう言われたくないわ!」
「まぁその事はもういいか…」
「いいわね…」
「「(立ち直りはやっ!)」」
「それより真郷!びっくりだよね、こんな状況で」
「あぁ…まったくだ…なんで自分の母親が国の王様やってんだよ…」
「まぁ、生まれた時からこうだったからしょうがないわね」
「まぁ、同情はするよ、一昔前のおれに「私は女王様なの」なんていっても分からないだろうし」
「あら、物分りがよくなったのね」
「色々あったからな、で何でさっきからカーテンしまってるんだ?」
闘技場の中に馬車が入ってきて乗ったその時からずっと外を見ていない。
「まぁ、びっくりさせたいってのもあるし、私が入ってる馬車みつかったらやばいでしょ?」
「ふーん、で、びっくりって?」
「私の国の広さ!美しさ!素晴らしさに!」
「(おぇぇぇ…)」
母はむかしから変な人だったけど、性格以外は完璧だったから大体の国の感じなんて、中世ヨーロッパくらいでしょ、とか思って馬車に乗っていた。
「あ、城?っての?についたら親父の事教えてもらうからな」
「いいよ、今まで言えなかった事教えるわよ」
母の目が一瞬真剣になった。
「私も少しいいかな?」
司令が私もと言わんばかりに間に入って言ってきた。
「うん、いいよ」
「それは助かる今後の話をしよう」
馬車から降りるとそこは城壁の中だった、ここに来る時上り坂があったのでここが高い所なのだとは想像がついた。
「(そと見えないなぁ…って…でけぇ…)」
そう思ったのは真郷だけでは無かった、先に着いていた5人もみんな城を見上げていた。
その大きさには想像がつかない、なにせ城の一番高いところが少しだけあっる雲より上にあったからだ。
その城はまるで要塞、あまりにも巨大だった、それはあのシンデレラ城の約80倍くらいか。
「皆さん、さぁ入って」
すると巨大な門の横にあるドアからアルフィリアが呆然としてる俺らを誘導していた。
「真郷、行くよ」
「お、おう」
城の中に入るとものすごく高い天井とめっちゃ長い通路があり、そこから更に多くの通路があった。
「これが城…?」
先ほども言った通りやはり要塞、戦う事を前提とした建物だった。
「敵が攻め込んできた時直ぐに占領されないためにこうしているのよ、間違った道に入ると呪われるからあまりはいらないでね」
なんか怖い事をすっと言われた。
歩いていると一番奥の地面に柵のついた巨大なコンクリートのような板があり、それは板の下にある二つのの魔法陣により浮いていた。
王女はどうぞ、と、そう言いながら皆を乗せた、そして最後に王女が乗り柵を閉め手のひらを地面に向け目を閉じた、すると自分らが乗っていた石版が動き出し上に上がって行った、そして天井に空いている穴にちょうど石版が入り薄暗い空間が広がりちょっとした緊張感がその場に漂った。
そして石版が止まるとそこには大きな部屋があった。
「どうぞ入って」
そう言い皆を先におろし、さいごに王女が降りた。
「ここは?」
そう俺が聞いた。
「ここは私の仕事部屋よ、まぁ王座ね。こっちに座って話しましょ」
洋風の仕事机の奥に王座と思われる豪華な椅子がありそれらの横に、話し合いなどに使うような長い机に長いソファがついにに二つ並んでいた、どうやらそこに座れとの事のようだった。
とソファに向かう途中、仕事机の向こう側にあるベランダと思われる場所のドアから見えてしまった、この世界が。
「あー!真郷ー!見ちゃったか…いいや先にこっちを見ようか」
すると王女はベランダへと続くドアを開け皆を誘導した。
そこでみな再び呆然とした。
目の前に広がる世界それはまるでファンタジーの世界、上空に浮かぶ浮遊島、国境と思われる巨大な壁の向こう側には超巨大なクレーター、水平線に薄らと見える巨大な城、そして何より綺麗に並んだ城下町、そしてなによりそのベランダの左右には超巨大な砲台があり、他にも色々な兵器が城にくっついていた、あまりに異常であった。
「どうかな?私の国は」
「どうして、こんなに酷いんだ…」
「酷い…ね、真郷の目にはそう見えるの…」
王女、いや母の顔が少し悲しそうになった。
「真郷君…それは違うよ、こちらの世界の感覚と私達の感覚は違うんだ」
「いいわよ不知火、たしかにこんな物騒なものくっつけてる城がある時点で平和には見えないものね、あの跡も…」
「なにがあったか、教えてくれ…お母さん…」
「いいわよ…じゃこっちにきて…」
そして先ほどの場所にいき俺たちは王女から色々話を聞くのであった。
「何からはなせばいいかしら…」
「じゃあこの世界のこと、お母さんの身の回りの事を教えてくれるかな」
「わかったわ、まずこの大陸はアルデバラン大陸と言って今は二つの国があるわ、そして少なくともこの大陸周辺の人々はこの世界をアンダルテシアと呼んでいる、でこの大陸の一つの国をベトナシュ帝国、もう一つをアルフィリア王国、この二つは今戦争をしている、だけどちょっと前までは平和な国同士だったの」
「ならどうしてこんなに兵器が?」
普通なら戦争が始まってから作ったと言えば自然な回答だが、この城にある兵器は何十年も前からあるものとしか思えないのだ、なぜならこんな要塞10年やそこらでは作れないからだ。
「これはね、30年前にあった、天空界戦争の時に作ったもので似たような物が向こうの国にもあるわ、その時はもっと小さな国も
他にあったのだけれど最近は帝国に占領されて帝国と融合してるわ、まぁつまり30年前二つの大国は協力してその災厄を乗り越えたってわけよ」
「天空界戦争ってのは?」
「天空界戦争ね…」
「あぁ、いいよソルティナ、私から言おう。天空界戦争ってのはその名の通り天界で起きた戦争なんだ、よく地球側だと天界と言えば神聖な力とか言われるけど、こっちの世界の天界ってのはそんなに神聖な物じゃなくてね、ただの上に住んでる翼の生えた人間ってかんじなんだ、で下界の人は陸の人間より頑丈でね、普通の人じゃ死ぬような場所に住んでるんだ。で、それぞれの世界はあまり共感しないように生きてるんだけど、なんせ重力には勝てないからね、上の戦争の残骸が陸上に落ちて来てね、ものすごい被害があったんだ、その被害の中で一番酷かったのが天界の更に天界、極天空界って言うまぁ一番の心臓部分ってのかな城があってそれの残骸が落ちて来てね、きいてみればそんなに威力無さそうだけど、まぁ落ちてきた物が兵器でね、落ちた瞬間大爆発を起こした、その時のものがあのクレーター、だよね?ソルティナ」
「えぇ今ので間違いないわよ、ありがとね」
「いいんだ、さんざん語り合った仲じゃないか…」
「え?お、2人そんな仲いいの?」
「えーっと、じゃあ私達が知り合った、と言うか私が日本に言った時の話しをしようかな」
「あぁ、それでいいよ」
「まず、私は天空界戦争が終わったあと両国ともに復興をしていた、そしてお互いの絆も深まった、そして17年前また戦いは始まったのよ、帝国の宣戦布告によってね」
「え?仲良かったのに急に?」
「えぇ、私も何かの誤報かと思ったのだけれど、宣戦布告が実行されたのよ…」
「そんな…」
「あなたが生まれる前の話よ。それでね、こっちの国はどんどん負けていったわ…ここ何百年戦争なんてして無かったはずなのに、戦略が異常なほど良かった…おそらく、というか確実に誰かの介入があったわね、そうじゃなきゃあの皇帝がそんな事…」
「ちょっとまって、その皇帝とはどういう関係なんだ?」
「仲良かったわよ、もともとこの大陸は二つの国があって、まぁ今もあるけど、その二つが出来た理由がとっても面白くてね、まぁ簡単に言って二つの大陸と大陸が地殻変動でくっついたわけよ」
「え?…」
「島がくっついたのよ」
「し、島が?」
「真郷君よくある事だよ?日本だってあと数万年か何年かは分からないけど、未来ではハワイが日本にくっつくそうだし」
「知らなかった…」
「まぁ、そんなこんなで、島がくっついて二つの国の交流が始まったというわけよ、でも島のくっつくスピードはものすごく早かったけどね」
「でもそれじゃあ地形がぐちゃぐちゃにならなかったのか?」
「それがねくっついた時から接触地点から山ができ始めたはでき始めたんだけど、天界戦争の時からピタリと止まったのよ、その事についても今調査中よ、っと話が脱線してるわね、ふふっ。まぁ、簡単に言って二つの大陸がくっついて戦争に巻き込まれて、二つが仲良くなって、なんか分からないけど向こうさんが狂った所まで話したのよね、でこっちがだんだん負けていって私は逃げる事になったの」
「王女がにげるって…マリーアントワネットになりかねないんじゃ…」
「えぇ…そちらの国の王女にはそんな歴史を辿った人もいたそうね…だけどね私国民に愛されてるのぉ!」
部屋が凍りついた。
「はぁ?何言ってんだ?」
「まぁ、そんなに怒らないで!私が逃げたくて逃げたなんて一言もいってないでしょ?と言うかちょっと違和感感じない?真郷」
「違和感?それって…王女が国をまとめてるって事?(世界違うから普通なのかと…)」
「そう!それよ!16年前この国は攻め込まれて私は父親アルフォルト・ユグドラシル・ソルティナ国王に国の外へ連れ出された、っていってもリエルにだけどね!」
ビクッ
「わ、私ですか?」
リエルが聞いてるだけで自分に回ってくるとは思わなかったのか焦っていた。
「えぇ、リエルは忘れているかも知れないね…あのビデオと言うか、んー…和訳でなんて言うのかしら?あれは見たのかしら?」
「みた…前の私の遺してくれた少しの遺言…」
そうリエルが言うと王女が焦ったかのように言う。
「かってに前の彼女を殺さないであげてね」
この発言に司令が反応した。
「それはどういうことだ?」
「まぁ、それは今度話すけど、簡単に言えば記憶を取り戻す方法が見つかったの…それの話をすると長くなると思うし...じゃあ続きを話すわね。この城から逃げる方法っていうのが、異世界へ逃げるというものだったわ、私も門を作る魔法は使えるけどもちろん父も使えたの、それで私は地球の日本についた、という訳よ」
「それで親父とはどうやって?」
「あの人とは不思議な出会いだったわ…日本にリエルと2人で言った時私達は戸惑ったわ…一時期は元の世界に戻ろうとはしたのだけれど、リエルに説得されてね、「国王の意思を無駄にしてはいけません!」ってね」
「(あのビデオも見たけど…リエルがそんな口調だなんて…想像つかないな)」
ギャップの差が激しい…
「って言っても私達の住んでいる世界とはまるで違くてね、困ったものだったわ…その時助けてくれたのが努弩鬼さんだったのよ」
「助けるって…?」
「私はまぁ…東京ドームに臨界したのだけれど…何か閉まっててね出れなくて…何とか抜け出したのだけれど、どこに行けばいいかも分からなかったし…なにより人が多いい事にびっくりしたわ、で、まぁ人目を避けながら逃げてたら車にひかれちゃってね…信号ってものが分からなかったからしょうがないのだけれど、それでその車に乗ってたのが努弩鬼さんだったの、その時はリエルが「きまさまっ!何をするっ!」とか言って大変だったのだけれど、私は下敷きになったわけじゃないから、「大丈夫その人は悪くない」って言ったら落ち着いてくれてね、だけどその時に私の体力は限界を迎えてね、倒れそうなっちゃって…まぁ、言葉も通じなくて…とりあえずジェスチャーでお腹がすいてるって事を分かってくれて何とか食べさせてもらったわ、それで流れで家に泊めてもらうことになってね、そこでリエルが言葉を知りたいって事をジェスチャーで言って日本語を教えてもらったわ、って言ってもパソコンを貸してもらっただけだけど、それでリエルは日本語を喋れるようになったの」
「(恐らく魔法でパソコンから言語情報を抜き出したんだろうけど…魔法って何でもありだな…)」
「それで、私達は異世界から来たってことを言ったの、最初は信じてもらえなかったけど、魔法を見せたら信じてくれたわ。それで努弩鬼さんが国の所へ案内してくれてね、普通そんなに上手くいくと思わないでしょ?だけどみんな魔法を見せればどんどん国の奥に近づけてね、総理の所へ行けて話し合いまで行けたのだけれど、話してる最中に帝国は私の行先を掴んで地球にきた、その後は日本政府が私の事を守ってくれたわ…あの時死んでしまった日本国民には本当に申し訳ないと思ってる…それで国と帝国が戦ってる間私は努弩鬼さんの家に泊まる事になったの」
「え?なんで?」
「あら、知らない?努弩鬼さんって第2陸佐だったらしくて信用もあつかったらしくてね、お姫様を基地なんかに止めておけないから強い人に守ってもらった方がいいってことで私は努弩鬼さんの家に泊まる事になったのよ…まぁそれからは楽しかったわ…帝国の襲撃は幾度かあったけど…本当に楽しかった…」
王女の目は少し暗く、そして俯いてそう言った。
「それで仲良くなって結婚したと?」
「日本国の法律っていうの?は守ってないけど2人で「結婚します」って互い宣言したから問題無いわね!」
「(あるでしょ…)」
「安心したまえ真郷君、ちゃんと努弩鬼お姫様の結婚式はしたさ、だけどなんせ国籍が無いからねとりあえずで結婚したんだ」
「なんだ、ちゃんと最低限はやってるんですね…」
「その後子供も出来てあなた達を産んだ。でも、幸せな生活は続かなかったの…努弩鬼さんが誘拐されたのよ…」
「な、なんでなんだ?」
「多分思ったよりも近くに敵は潜んでいたという事でしょうね…私達が結婚したと知って私を殺るというより私の幸せを奪おうと思ったのでしょう…まぁそれは見事に成功したの、敵さんは努弩鬼さんを洗脳させ地球の人の特別な力を奪った…」
「ちょっとまて、地球の力ってなんだ?地球の技術か?」
「強いて言うなら想像力よ、昔から日本と言う国は自由の表現だとか言うもので自由に色々やっていい国でしょ?まぁ例外もあるけどね。そもそも魔法って言うものはイメージ、つまり想像力が必要なの、だから真郷もほかの人が魔法を使ってるのをイメージしたら魔法使えたでしょ?」
「魔法ってなんだ?ってのもあるけどな」
「後で説明して上げましょう、話を最後まで言うと努弩鬼さんは誘拐され洗脳、敵の帝国の皇帝となった、元の皇帝がどうなったかと言うと、殺されたわ。だから恐らく本当の黒幕が、私達の知らない本当の敵がまだいるのでしょうね…」
「本当の…」
「じゃあ魔法の話をしてあげましょう、魔法というのはこの世界…いやこの私が知っている範囲の世界、と言った方が正しいでしょうね、それらがま生まれた時からあるものよ、簡単に言うなら生まれた時それなりに必要な物と一緒に生まれたみたいなものよ、私達は生まれた時から魔術経路をもっている、だから私達は魔法を使えるの、それでさっき想像力が必要と言ったけれど万能では無いの、万物の物事には全て理由がある、という事なの」
「(どゆこと…)」
「その顔はわかってないわね…!つまり、理由が必要だから何でもは出来ないの、逆に理由さえあれば何でもできるの、例えばさっき言ったパソコンの情報を抜き出すやつねは、あれは出力端子の部分から擬似コードを作ってデータを出しただけなのよ」
「その擬似コードを作る方法は?」
「簡単よ、そもそも魔法元素って言うのはね万物に姿を変えるの、属性ってのがあるのがわかりやすいわね、使う人によって姿を変えるの、リエルの得意な物は情報、にあるわ。もちろん普通の魔法も使えるけど、リエルの場合は記憶を犠牲にするとんでもない魔法をつかうといった感じよ」
「その魔法元素を動かす方法ってのは何なんだ?」
「それこそ想像力が必要なの」
「な、なんでなんだ?」
「んー、やっぱりそちらの世界にはこう言った感覚はないのね…そちらにもわかりやすく言うなら幽霊…いや、生霊に近いわね、生霊は生きてる人間が超常現象を起こすものでしょ?それと一緒よ」
「なぁ、一見そんなの魔術経路があれば誰でも出来るように聞こえるんだが、魔法って誰でも使えるのか?…俺もあんなに簡単に出来たし(後ろのこの人たちも使えてるし)」
「それは違うわ真郷、魔法ってのは決して簡単には使えないの、少なともこっちの世界の人は、こっちから言ったらあなた達が異常なのよ?」
「え、そうなの?」
「えぇ、だからこっちの世界には魔法が使えるようになるための学校があるのだけれど、あなた達で言う高校生の中盤くらいで魔法が使えるようになるのよ」
「え?俺達もそうなんじゃないの?」
そこで、司令が口を開いた。
「真郷君、残念だけどここにいる7人は全員園児の時から魔法は使えたんだ」
「え?!ってかなんで魔法が使えるんですか?」
俺がそう司令に聞くと王女が答えた。
「リエルが擬似的に作った魔術経路を埋め込んでるのよ、日本の技術と魔法の融合をした結果のね」
「そんな事が…」
「出来たのよ、でもね元からある私たちのように強い力は使えないの、だからあなたのお友達さん方は色んな武器でそれを補ってる、もしくはそれ以上の力を出してるのよ」
「でも埋め込むって、危なくないのか?」
それに司令が答えた。
「それはまだ、この世界の魔法と言う物が入る前だったからね。その時の成功者は煉華だけだが、その後は全て成功したんだ。ちなみに煉華は生の経路を入れたから真郷君に力のレベルは近いよ」
「なるほどね…」
「何か他に質問はある?」
「いや、特には無いんだけど、その魔術経路?司令には何で移植してないんだ?」
「そ、それは…」
「あー、真郷君、ごめんね私が嫌だと言ってしてないんだ、魔法は使えないけど武術で何とかするさ、あまり気にしないでくれ」
「そ、そうか…」
「そろそろ私と王女で色々話していいかな?」
「はい…大丈夫です」
「じゃあ王女、率直に聞こう今後王女はどうしたい?」
「そうね…そちらの意見も聞きたいけど、お互いの戦力増強が最優先かしら、後は向こうさんが攻めてくるまで、こちらは攻撃しない形で行きたいかしらね」
「うむ…そうだね、戦力増強も防御と言う形を取るのも賛成だ、だが大きな問題があるんだ」
「それは?」
「実はこっちはもう攻められた」
「え?!大丈夫なの?!」
「えぇ…とりあえずはね…何が言いたいかと言うとこちら側は二つの前線があると言う事だ、しかもその二つは遠い…そして情報も回りにくい、それらをどう解決するかが問題なんだ」
「…確かにそうね、今はどうなってるの?」
「魔術戦闘員を島に配備してあるよ、だから少数で来たんだ。だが島が一斉に襲われれば全滅、たちまち日本は占拠される…」
「とりあえず、通信機器が門を越えても使えるか試してみたら?」
「やってみるか…あ、さっき真郷君に通信機を渡したんだっけ?それ使ってみくれないかい?」
「えーっとどうやって?」
俺が渡されたイヤホンはさっきから付けているが不思議と外の音や声がまるでイヤホンを付けていないかのように聞こえるので付けていることを忘れていた。
「実はそれも魔法と技術を融合させた物なんだ、イメージすれば繋がるよ、と言うか司令部通話開始と頭の中で唱えれば通話できるよ」
「ほぇ…(なんかすげぇな…)ちなみに通信距離は?」
「通信と言う言い方はあまり正しくないが、強いて言うなら地球全部くらい?測ったことないからわからないや(アハッ)」
「(やっぱりなんでもありだな…)」
「ここで問題なのは門がどういう仕組みになってるかなんだ、それが分からないからいまからやるのさ」
「へー。(理解出来ん…)、やりますよ…」
頭の中で先程の言葉を唱えると急に右耳からノイズ音が流れてきた。
『…------、ちら、と、魔術、本部、た、だ?』
「(なんとなく言ってる事はわかるな…)こちらソルティナ王国の瑞翔真郷です、」
「繋がったかな?」
俺は分からないと首を振った。
『おぉ…そ、らは、こう、し、たい、10、ま、ない、か』
恐らくそちらは交渉部隊10人で間違いないか、と言っていたのだろう。
「あぁ、そうだ」
『少、まち、さい』
少々お待ちください、かな?
すると次の瞬間国王以外の部屋にいた10人が反応した。
『…、そちらは精鋭交渉部隊か?』
お、電波が急に良くなった?
「一気に全員で使うと電波が倍になるから、通信が良くなるんだよ」
「(じゃあ最初っからやれよ!)」
「えー、うん、こちら精鋭交渉部隊の隊長不知火だ」
『こちら東京魔術機関本部!』
「なにかあったのかね?」
『瑞翔 小癒姫第三特佐が襲撃を受けました!!!』
「(えー!!!あいつ特佐なの?!ってか軍人かよーー!!)」
「で、被害は?」
『はい、強襲だったので、無傷とは行きませんでした…ただ、引率で千歳解析官がいってて…』
「おっと…それは敵さん残念だったね…」
「妹は、大丈夫なんですか?」
やはりちょっと心配になった。
「あ、大丈夫だよ、あの二人がいるなら問題無いさ。なんせ冷血なるアーチャーと死神のアサシンって言われてるからね」
「え…?」
『恐らく、問題は無い思いますが、報告致しました。後はウィザード用特別戦闘服が出来たと言う事でしょうか…』
「おぉ、とうとう出来たか!報告は以上かい?」
『はい』
「了解した、また何かあれば連絡をくれ、私達はあと数日こっちにいる。あと、門出現場所の安全も確認した、戦闘服もそれなりに用意出来たらこっちに送ってくれ」
『了解しました、失礼致します』
「まぁこれで日本になにかあったら分かるだろう、でも何か起こってしまった遅いんだけどね」
「そうね、じゃあ話し合いはこの位にしてお昼にしましょうか!」
◇ ◇ ◇
「合宿…だるい…」
瑞翔 小癒姫はバスに揺られて酔っていた。
「はぁ…それでも一国の姫様の娘かい?シャキッとしな!」
「先生、うるさい…」
「ちっ…生意気な娘だねぇ…」
バスは山道の中に入っていっている。
「まだ?」
「まったく…おとなしい見た目しといてグチグチ言うんじゃないよ!」
「うるさい、みんなが困る」
小癒姫と千歳は運転席の後ろの席に座っていた、なので後ろの席を見ることは出来ないが明らかにさっきよりシラケている。
「2人は仲がいいんだなぁ……」
と、そこに話しかけて来たのは合同練習に参加している、聖鳳学園高校剣道部副将「幻道 確神」だった。
剣道部と弓道部は部員もあまり多いいとは言えず経費削減の為に同じ合宿場で練習をする事になったのだ、ちなみに幻道は機関の人間ではなく、ただの23番島市民だ、それと物凄く人見知り、背は低い方で眼鏡をかけている。
「仲良くない」
落ち着いた物言いで小癒姫がそういった。
2人が座っていたのは運転席の後ろだが幻道が座っていたのは入り口に近い席、つまり通路を挟んだ反対側にいた。
「ご、ごめんなさいぃぃ!」
なぜか幻道の方が年上なのに小癒姫の方が強く見える。
「もうすぐ着くわよー!準備して!」
合宿場は長野県の高原の森の中にある東京魔術機関の研究施設兼訓練場である、東京魔術機関長野支部である、一応東京や学校にも訓練場はあると言えばあるのだが、普通の一般人もいるのであまり大きな練習は出来ないのだ、しかし今回はあくまでもそんな大きな訓練ではなくただの部活動の合宿なのだ。
「うわぁ…すごいなぁ…こんな所で練習出来るなんて!」
幻道が驚いているが、じつは去年までは民間の合宿場で練習していた、が今年は訳が違う、それは戦争の始まる日だから本部から出来るだけ子供は東京から離したいという不知火司令の心意気があったからだ、そんな事言ったって日本市民の約99%以上の人は知らない事なので自覚と危機感があるのはその1%未満の人だ、この場合は千歳先生(解析官)と小癒姫だけだ。
もう日はかけ始めている、なぜかと言うと船で3時間バスで6時間かかったからだ。
この合宿場は色々な道場と訓練場がある、銃器から刀、様々だ、だがそれらの訓練をしている人はほとんどいない、なぜならみな東京本部に集結しているからだ。
ちなみにここが研究所なのは魔法を使える人が集まるからである。
「それじゃ、みんなバスから降りてしぶっ…合宿場のロビーに集まってー!」
「(…)」
小癒姫が千歳を睨みつけた。
バスから降りた聖鳳学園の生徒は支部のロビーに行き、支部長に挨拶、と言ってもこの時は武道館の所長と言う設定になっていた。
そして各自自分の部屋に行った、ちなみにここはホテルもついている、と言っても職員の住居スペースだが。
その後、夜飯を食べて風呂に入りその日は終了となった。
次の日
6時に起床、そして30分に食堂、そしてお互いの部活の自己紹介となった、なぜ昨日やらなかったかと言うと移動でみな疲れていたからである。
「高校剣道部副将の幻道 確神です、今回は蘇龍先輩が欠席なので私が剣道部の代表として頑張ります!よろしくお願いします!」
「中学弓道部主将、瑞翔 小癒姫です、今回は合同合宿ですが仲良く出来たら嬉しいです、お互いのスキルアップに繋がるよう頑張りましょう」
「じゃあ、とりあえず代表者の挨拶は以上、後は各自でやって」
実は剣道部は中学高校とあるのだが弓道部は高校生部員がいないため中学しかないのだ、なので弓道部の代表挨拶は小癒姫になったという訳なのである。
それからしばらく経って、それぞれの部活は同じ道場で練習をする事になった。
なぜ同じ道場で練習をするとかと言うと、表向きはお互い声を出し合って「うるせぇ…」と思っても結果が出せるように、という精神統一のため、と言われているが、本当は千歳と小癒姫の守れる範囲に学校生徒が全員をいさせるためである、そしてそれは功を制す。
それは昼前に起きた。
突然道場の天上についているスピーカーから警報音らしき音が流れた、そして道場内のあるふたりだけ緊急事態を知らせる音声が伝えられた。
『侵入者です!人数は2人!反応は敵性魔力検知だけで、姿や熱を感知できません!かなりの精鋭と思われます!ここの建物にいる強力な力を持ったウィザードはあなた達だけです!恐らく直ぐにそちらに到着します!』
「ちっ…やっぱりきた…日本内に敵が潜伏してるってのは本当だったって事ね…」
「細かい事は後、皆を避難させる…」
「そんな時間ないわよ!」
部員達は緊急地震速報か何かだと思っている様で部長の指示を待っている、が剣道部の部長が見つからない。
「確神は?」
「ぶ、部長ならこれが鳴った途端どっか行っちゃいました…」
と、剣道部の生徒が答えた。
「…あいつ…」
小癒姫の顔が怒りの顔へと変わった。
「(前から臆病な奴とは思ってたけど、ここまでおかしな奴だったなんて…普通警報音が鳴っても飛び出ない...)」
「小癒姫!危ないっ!」
と、小癒姫の前に二本のナイフを持った千歳が庇うように入った、次の瞬間、魔弾、いや恐らくこちらの世界の武器と融合している弾丸のようなものが次々に飛んできた、千歳はそれを連撃ではじく。
金属と金属があたる高い音が物凄い速さで鳴り響いた、もちろんその間に小癒姫は何もしてた訳ではない。
「みんな!頭を下げて!」
その声により生徒達は地面に伏せた。
「……透視魔法、魔力検知、光の屈折解析、熱分析…開始!」
この世に完璧のな魔法などない、小癒姫はその完璧ではない魔法の欠陥を探し出すため姿を消している敵に対して透視魔法系統の魔法を複数使ったのである、ちなみに最初の襲撃からここまで5秒。
この魔法は簡単に言って眼球の中に魔法陣を作り視界に入ってくる物の感知能力を高めるというものであった。
「見えた」
小癒姫だけに見える状態となった敵は黒いパーカーを着ていてフードで顔は隠れていた。
「いいから!早くやって!腕がもう限界だよ!もうオバチャンなんだから!」
まだ31である。
「もうちょっと頑張ってオバチャン」
「やっぱりオバチャンは…やだねっ!」
恐らく融合魔弾を強化した近接戦闘用ナイフではじいてるため、他の生徒には何を喋ってるのかはさっぱり分からないだろう。
「現れて…私の神弓、グラル・オプティエンス」
すると小癒姫の目の前に和弓とほぼ同じ大きさである高さ約2mの雪のように白く輝く弓が現れた、小癒姫はそれを掴むと元々練習の為に使おうと持っていた矢をつがえた。
「強化魔法…対爆破耐性発動、次、爆破魔法、爆破範囲最小...威力最大!」
詠唱しながら小癒姫は矢を放つ最終段階の会へと到達した、そしてさっきまでただの鉄の棒だった矢は光を帯びていた、そして5秒後弦を離し矢は速いスピードで飛んでいった、そして矢が小癒姫から1m離れた所で、矢の後部で爆破が起こり更に加速した、もはやそれが見えるものはいない、そして敵を貫ぬきそのまま反対側の壁へと刺さった。
敵はそのまま地面へと倒れ使っていた武器のマシンガンとその体は魔力の粒子となって空気に消えた。
「まだ近くにいる…」
「あぁ…」
いま戦っていたのは魔法で形成された人形、つまりそれを作り操作してたやつがまだ近くにいるという事だ。
「動くな…」
「「!…」」
道場の入口に出てきたのは確神を人質にとられたヤクザみたいな敵の姿だった。
「っ…」
「あなた…何にも関係ない日本市民を巻き込んで…しかも私の生徒に…」
「千歳…落ち着いて…」
「やれ!」
確神がうつむきながらそう言った。
「てめぇ!黙ってろ」
「君はその不思議な力を使える!それならこいつを倒せる!やれ!俺は大丈夫だっ…ぐふっ…」
敵のナイフが確神の首へ食い込んだ。
「(…あいつってあんなに勇気がありそうな性格?恐怖でおかしくなったのかな…まぁ威嚇射撃してみるかな…)」
シュッ
「て、てめぇこいつ殺すぞ!……え?」
敵が怯んだ瞬間、確神は敵の拘束を逃れた途端両腕に具現した日本刀と西洋の剣で敵の左胸を貫いていた。
「なっ!…おまえ…いったい…」
するとまたもや敵は空気に溶けていった。
「あいつ…なにものだ…?それより!いまの!あいつも人形か?!」
「………」
「おいっ!」
「!、すまない、現状把握出来ていなかった…あれは間違いなく人、恐らく敵は捕まって解剖されることを恐れてる、だから生命活動を停止したと同時に消滅した」
「なるほど…」
「あ、あのー…話は終わりましたか?」
小癒姫は頷いた。
「あ!本部に連絡…お前らなんか話してて。おーいお前ら!とりあえず部屋に戻ってろ!!」
すると一般生徒はみんな部屋にもどっていった、もちろんパニックを起こしながら。
「率直に聞く幻道 確神あなたは何者?」
「ぼ、僕は…」
ギロっ
「ひぃぃ!ぼ僕は!古代魔法族の生き残り!と言うか子孫!…です!」
「古代魔法族?」
「説明しろと言われても出来ません!何もわからないので…生まれた時から魔法が使えるってだけで…」
「(生まれた時から…?でもこいつの具現…移植じゃない、本物しかあんなの出来ない…でも…)生まれは?」
「日本だけど…」
「育ちは?」
「日本…」
「親は?」
「両親とも日本人…あ!でもお母さんの方のおばあちゃんはイギリス人だったよ」
「魔法を使えるのは?」
「僕とお父さんとお母さんでそのお母さんとそのお母さんとそのお父さんと…」
「もう大丈夫(ずっと日本人…?)」
「両親とも魔法を使えるのは珍しいらしくてね、両親の両親の片方は一般的な人だったらしいよ」
「ずっとこっちの世界にいるのは間違いない?」
「こっち?あっちってどこ?」
「(?!、異世界の事をしらない?)」
「僕らは先祖ずっとこの地球暮しだよ?でも…今から1600年前…だったかな?この世界に魔法が異国から入ってきたって聞いたことがあるよ」
「なるほど…(それがあの世界?)」
「君たちも魔法族…なんだよね?なんか今まであってきた人とは全く違うけど」
「…恐らく違う」
「え?!」
「(さっきの具現魔法…術式が全く違かった…)」
「でもまぁ確かに…武器の形成の方法が全然違ったもんね」
2者とも空気中にある魔法原子の姿を変えて具現させている、その事については同じである、しかし小癒姫側はイメージにより霊的エネルギーで動かしている、しかし確神は自分でイメージし動かすと言うより何か大きな自分とは別の生物に司令を送り魔法を使う、つまり憑依、と言うより神頼みのような感じなのである、そうそれはリエルと同じ。
「あなたはどんな風に今の剣を具現させたの?」
「えーっと…基本は小癒姫さんと同じだけど、僕はそれを人にさせてるんだ、1人はアーサー、もう1人は宮本武蔵だよ」
「…そんなことが……」
「うん、だから二刀流なんだ、だけど異国の血が入ってるからなのか日本刀ってあまり合わなくて…だからそこにアーサーの記憶、と言うか技術を憑依させて戦闘はその2人の人格に任せてるんだ、だからたまーにエラーみたいな事も起こるけどそこはもう調節済み、もう思う通りに動いてくれる」
「(この方法はリエルのようにもともと魔法という概念の中身がそもそも違う人にしか出来ない…ということはリエルと似たような仕組みなのか…?)確神…あなたは何か代償みたいなものはある?」
「よく知ってるね、うん、あるよ僕の場合は寿命つまり時間、もともともう死んでしまってる人を憑依させるのだからしょうがないよね」
「あなたはなんでそこまでするの」
「昔から言われている事があってね、まぁ予言だよ、次に起こる災厄ってのが僕が生きてるこの時代なんだ、そしてその時代に生きるものは死ぬ気で生きなければ本来生きて行ける時間より遥かに早くに死ぬ、とまぁだから戦闘時くらい3倍の命を削ったって問題はないよ」
「(思ったよりしっかりしてる)」
「な、なに笑ってるんだよ!」
「いやべつに」
「今度はこっちから質問していい?」
「あ、最後にいい?あなたみたいに魔法を使える人同期にどのくらいいる?」
「それが…あまり把握出来てないんだ、うちは組織としては動いてないから…あくまで昔からの言い伝えで隠れて生きてるって感じだし」
「(リエルに似ている…)わかった、じゃあ質問していい」
「じゃあ率直に聞くよ、あなた達は何者?」
「私たちは自衛隊の対異世界機関、「東京魔術機関」、わたしはその第三特佐、大半の指揮権を持っている」
「じ、自衛隊?!しかも異世界って………ほんと?」
「ほんと、この合宿が終わったらあなたを連行する」
「え?」
「あなたは危険な存在、機関の監視下に入ってもらう、そして他の情報を聞き取らなければいけない」
ガクガク
「そそそそそんな…」
「ちょっと小癒姫、そんな拷問するみたいな事言わないの。ごめんねー、そんなつもり全くないわー、でも私達はあまり情報もないし戦力もないの、あなたは力になれる、私達に協力してくれない?」
「うっ…そういうことなら…」
「(なぜ私だとだめなの…)」
「そんなおちこまないでよ…」
「なるほど…何となくは分かりました…あなた達は魔法集団と言った感じだけどそもそも魔法は使えなくてもともと魔法が使える人は味方に4人だけと…」
「そう」
「そのリエルって人が魔法が使えない人に魔法を使えるようにする方法を持ってると…」
「正確には日本が協力した結果に出来るようになった」
「う、うん、わかった、(そんな睨まないで…)で今のところ異世界と戦っていて、向こうの世界にも味方はいると…」
「うん、さっき私のお兄ちゃんが向こうの世界に着いたって」
「お兄ちゃん…」
「なに?(ギロっ)」
「なんでもないー!」
ウーーーーーー
またもや警報音がなった。
「生徒は?!」
千歳が通信機で問う。
『大丈夫です!全員各自の部屋に戻っています、そして敵はあなた達の所へ向かっています!』
「数は?…」
小癒姫が問いた。
『1.2.3.4.5….大隊規模です!』
「くそっ!どうする?!」
「ここで逃げたら他のみんなに被害がでる…ここでやる、確神…申し訳ないけど力を貸して」
「う、うん!」
「千歳…頼みがある…」
「わかってるよ!長い付き合いじゃない!私の方が先に死んじゃうんだし、その代わり、あなたもサポートたのんだわよ!」
「うん……くる!」
すると道場入り口から武装した(魔法とは逆の)約30人程度と思われる者達が一斉に襲ってきた。
「囲まれるな!散開!」
千歳が、そう言うと3人はそれぞれ別の場所へ行った。
「うーん…めっちゃ追ってきてるな…僕どうしよう…うわぁ!」
確神が走っていると後ろから撃たれた。
「駄目だこれ以上は逃げきれない…ここでやるか…」
確神は行き止まりの壁まで行くとそのまま壁に向かって走り、そして跳びバク転をするように壁を蹴り、空に舞っている間に2つの剣を具現させた。
「はぁぁぁ!」
剣を具現させた後そのまま壁を蹴り猛スピードで敵を切り裂いて行った、しかし敵もやられるだけではなく兵器で対抗した。
「ある武器すべて使え!」
敵の将と思われる兵士がそう言った途端廊下の後方にいた兵器がロケランと思われる物を幾つも担いでいた。
「(それはやばい!)」
「うてぇ!」
確神は前衛の敵の相手をしていたので防御が遅れた、しかし何とか防御しようと剣を飛んでくるロケット弾に向かって下段から上段へ切りつける、二本同時に、確神はそのままロケット弾の軌道を上にそらそうとしていたが上手くいかずその場で起爆してしまった、確神はそのまま行き止まりの壁まで吹き飛ばされた、しかしロケット弾は一斉に撃たれたわけではなく、多少ばらつきがありその先頭弾を起爆したおかげで後からきた弾全てに誘爆敵の頭上で爆発し前衛はすべて全滅した。
「くっそ…なかなかやるな…」
確神は額から血を流しながら立ち上がった、敵は容赦なく次弾をうってくると、思われたが敵は油断していた、それは廊下という場所だから起こった、言わばこれは確神の背水の陣、しかし敵はそうではない、そう敵の後ろには暗殺者アサシン-がいた、そして指揮を出していた敵に持っていた近接戦闘武器のナイフを1本首に突き刺した。
「うがっ…お前…なんで…他のやつは…」
「他のやつ?そんなのいたかしら…?しらないわね、ってかキモイ、マジキモイ、さっさと死ね、あ、出来ない?じゃあ私がやってあげる」
この間に敵は撃つことは出来た、しかし恐怖心で出来なかった、そして千歳と思われる人間はもう1本を反対側の首に刺しそのままナイフの刃を交差させた、もちろん首は飛んだ、と言うより落ちた。
ニタァ…
「あなたほんとにさっきの千歳さん?…」
ボロボロになりながらも確神は質問した。
「うん?そうだよ、じゃあやるね、終わったらすぐ行くよ!小癒姫が待ってる!」
「え?」
次の瞬間、千歳が消えた、いや視界の中心点から消えただけであるが、千歳は敵の足元を払っては首に一刺し、それを流れる様に、作業するかのように日本のナイフで行っていた、敵は反抗しなかった何故なら見えないからだ、敵は首を一刺しされているので声もだせない、そして一瞬で刺し抜く、だからまだ足には力があり即死しているがたち続けて、後ろにいる戦闘員に敵が来ている事を知られる頃にはもう後ろに来ていて気づいた頃には死んでいるのだ。
そして5秒後、千歳は血に染まった手で確神の手を取りそのまま死体を踏んづけて廊下をもどっていった。
そして確神はコケた、そもちろん死体を踏んづけられなかったからだ。
「イヤッ…」
千歳が教師らしからない、しかもさっきたった数秒で何十人も殺した人がそのまま後ろに倒れた、そしてなぜかわからないが確神はこけた際あ180度回転し仰向けになる様に倒れたそして前を向いていた千歳も手を引っ張られる形で倒れたのでそのまま2人の顔は急接近した。
「っ!!!」
「はわわわわ…」
「(だめよ!千歳!かわいいとか思っちゃダメ!私の生徒よ!抱きしめたい!ぬいぐるみみたいでかわいいなんて思っちゃだめ!あ…やばい…)」
「はわわわわ…せ、先生?」
「ちょっと抱きしめていい?」
「え?…えぇえぇ?!」
「むりぃぃ!かわいい!」
ギュッ
そのまま確神は千歳の胸に顔を押し付けられた。
「むぐぐぐ…」
数秒後。
「(はっ!行かなきゃ!)」
「んんん??!!!」
千歳は自分より1回り小さい確神を抱きしめながらと言うよりだっこしたまま真顔で小癒姫の元へ走っていった。
「散開!」
次の瞬間一斉に逃げた、と思いきや小癒姫と千歳は道場に残っていた、そして数秒の戦闘のあと小癒姫が壁に、つまり後衛、そして千歳が小癒姫の前に立ち前衛、小癒姫がうしろから援護射撃し、千歳が近接戦闘で敵を圧倒していた、その戦況はまさに「コンビネーションが凄い」に限っていた、なぜなら小癒姫は矢をつがえて(つまり装填し)いつでも撃てる準備をしていて千歳が攻撃をものすごい速さで切っていたまさにそれは隙だらけの暴れん坊の様に(しかし連撃は流れる様に)、しかしその隙は意図的に作ったもの、防御を捨て全てを攻撃に回す、それはその隙を後ろで補っているものがいるからだ。
敵は思う。
「(背中を見せた!いまだっ!……)」
シュッ、グサッ………ドォォン!
「…」
自分が死んだ事にも気づかないであろう、なぜなら頭に刺さった矢はその場で紅蓮の魔法陣を展開、小規模に抑えた爆発が起こった、それは千歳を巻き込まない程度に周りの敵を吹き飛ばし、次には矢は二本同時に千歳の周りの床に刺さり次は水色の魔法陣を展開そして床は一瞬にして凍結した、そして足を凍結された敵集団に対し千歳は死体を踏みながら、決して氷に触れないように、次々と殺していった。
そして敵は目的を変更次は小癒姫を狙おうとした、そして小癒姫に接近、千歳は敵の相手をしているため動けない、しかし小癒姫は何かを信頼しているかのように動かない、つぎ、一斉に敵が小癒姫に攻撃を開始した、が、全ての弾丸は弾かれた、高速移動する4本のナイフによって、そしてそのナイフは一瞬にして小癒姫の目の前にいた敵を消し去った。
「わぁたぁしのぉ!幼女っ!…じゃなかった…生徒に手出しさせないよ!」
ナイフの主それは千歳である、千歳の得意とする魔法、それは物を高速で動かす事、そして簡単にだがナイフの刃に魔力を送ることで刃こぼれを起こさせず、そして属性を付けることも出来るのだ。
ドォォン!
「なんだ!?」
「確神の方から聞こえた…千歳、ここは私に任せて、あいつは多分憑依させる事は出来ても、戦闘には慣れてない、つまり体がついていけてない可能性がある、だがら…」
「あー!わかったわかった!行ってくるよ!じゃあ…死ぬなよ」
「あぁ…」
次の瞬間千歳は自分の体に魔法をかけ一瞬で確神の戦場へと足を踏み入れた。
「(弓をこんな扱い方したくないけど…やむを得ない…)強化!次に魔力具現武具形成!」
次の瞬間小癒姫の弓は強度をまし、弓の上と下には鋭い刃が形成された。
「ふふっ…これを試すときが…」
そこに一斉に敵の銃弾が襲いかかる、が小癒姫の前には回転する弓があった。
「(弓壊れないでー!)」
小癒姫は心配していたがなんの問題もなく全ての弾丸は弾き飛ばされた、その流れ弾におまけ程度に敵が死んでいった、そしてリロードの為弾丸の雨が一瞬病んだ所で矢をつがえ、弓を引く行程をいくつかとばしいっきに放った。
「これで!」
放たれた一本の矢は敵の頭の位置で盛大に爆発、しかし爆発の範囲はすべて真横にいった、それは小癒姫の操作があったからだ、小癒姫は遠距離からの攻撃を得意とする、つまり狙った所には絶対外さないというものだ、もちろん魔法を使って、(でなければ弓道の大会なんて簡単に優勝してしまう)、そしてその着弾地点に様々な効果を付けることが出来る(飛行中でも可)、ちなみに弓の強化をすれば多少速さを増すことは出来るが、先程の超光速射撃は千歳がいたから出来たのだ、その方法と言うのが千歳が魔力を送った物は一切の空気抵抗を受けないものでそれは千歳の魔法を理解した「者」しかその「物」を使えない、そして小癒姫はその矢を持っていない(使い切ってしまった)なので先程よりかは刺さってもたいして殺傷能力はないのだ、ちなみに属性はすべてである、そしてその効果も、ある意味なんでもありな存在なのだ、(ちなみに回復もできるが、刺さったら元も子も無い)そして小癒姫はその強さを変える事もできる、今のは超爆発魔法をめっちゃ強い氷魔法でサンドしたものだ、そのため全てのエネルギーは真横にいき、「敵の首より上」は消し飛んだのだ、(ちなみに火事をさけるためである、あくまで、決して小癒姫の裏の顔とか、残虐に殺すのが好きとかそういう事ではない)。
「なにやってるの」
「?なにって小癒姫を助けに…………………は!確神?!なんで、私に抱きついているんだ?!そしてなぜ2人ともそんな顔で私を見るんだ?!や、やめてくれ!そんなかおで…」
「うるさい、もう1回本部に連絡して」
「う、うんそうよね!」
千歳は連絡するため少し離れたところに行った。
「千歳さんって…なんなの?」
「幼女幼男好きのお姉さん(ちょっとババア要素あるけど)」
「ぼくって幼男なの?!」
「まぁ大きくは無い」
「ガーン」
効果音を口で言った。
「それより…怪我してる、手当、ちょっと失礼…」
「えっ…ちょっ…いやっ…」
「キモイ声出さないで」
「ひぃぃん…ごめんなさいっ!」
少し離れたところで…
『千歳さん?!千歳さん!応答して下さい!』
「はっ!すまん!目の前で子供同士がイチャつく最高の光景を見てしまった!もう死んでもいい!」
『しなないでください…』
「なんで服を脱がせるの?」
「直接肌に触れた方が効果が出やすい」
「ふーん、でなんで胸なの?」
「心臓があるから」
「なるほど」
「終わった」
「おぉ…すごいなぁ、もう何ともないや」
小癒姫は決して矢の着弾地点にしか効果を出す事が出来ないわけではない、むしろ逆に言えば普通に魔法が使えてそこに弓と言う武器をプラスアルファで付けることによって戦闘の幅を広げたということだ。
「もどったよ、ここの生徒はそのまま置いといていいって、後はここの職員がめんどうをみるって、私達は東京に戻ろう」
「え?!」
反応したのは確神だった。
「部活は?!」
「確神、すまないが言わせてもらう。私達は戦争をしているんだ」
◇ ◇ ◇
「なんて?」
「あ、いやなんでも無いんだ、ただ小癒姫ちゃん達が2度目の襲撃を受けたそうでね、まぁもちろん問題は無いんだけど3人ともこちらに来るそうなんだよ」
「ほぇー、ん?3人?」
「なんか戦力新メンバーが出来たとか…まぁ今度分かるか」
交渉班はちょっと遅めの昼食を食べていた、そこで不知火のもとに通信が入ったので席を外して、今戻ってきたという状況だ。
「そう言えば母さん、さっきやってた闘技大会みたいなのはなんなんだ?」
「あぁ、あれ?一言で言うならあなたが今行ったので間違いないわよ?5対5で戦うの、敗北条件と勝利条件は色々細かいわ、まず敗北条件、それは魔力の使用量が危険値に到達した場合、気絶した場合、降参した場合、戦術的にこのままやれば死ぬと判断された場合、まぁ簡単に言えばこう。で勝利条件はこれの逆敵の魔力量を枯渇させた場合、相手を気絶させた場合、相手が降伏させた場合、この時拷問など敵の口を意図的に動かしたりなど意図的に吐かせると違反行為になるわ、そして戦術的に勝利と判断された場合、近接戦闘の場合は相手の首に刃をつければ勝利、まぁこんな感じよ、まぁ安全第一って感じね」
「へー、面白そうだな」
「やってみる?!」
「え?」
「もー、そんなにやりたいならそう言っとけばいいのに、私の方からエントリーしとくわ!」
「えっ?ちょ、え?」
「いいじゃないか、私達10人を二つに分けて出ようか、その方が戦力増強も狙える」
司令がそう言った。
「でも、戦争中なのに大丈夫なのか?母さん」
「逆に戦時中だから、いま不知火がいったように戦力増強のため闘技を行うのよ?なんの問題もないわ、しかも、あなた達戦いの点についてはまだ弱いかもだけど、魔法と技術の融合、魔術を駆使して使うのはあなた達しか使えない(ん?日本語おかしい?まぁいいや)つまり!有利ではある!」
「で、いつやるんだ?」
「えーっとね、敵の襲撃が無ければ毎日やるわ、ランキングになっていてね、上から2で割ったときにペアになった所と戦うんだ、例えば1と2、3と4ってね、そして勝てば、一つ上のランクで戦ったチームの負けた方と入れ替えになる、そんな感じよ、だから1と2が、正直1番辛いかもね」
「で、明日から?」
「そうね」
「まだ全く魔法使えないのに?!」
「え?そうなの?」
「あはは…実は火事場の馬鹿力で使えたってだけで完全には使えないんだよ」
そう司令がいった。
「そうなの…じゃあ午後は模擬戦闘であなた達で戦ってみたら?」
一斉にその場の9人の動きが止まった。
「いいじゃないか、じゃあチームは私、不知火チームと煉華チームで分かれよう、じゃあどうしようかな…生徒会長と小真崎、學備場、後は西風!いいかな?」
「いいわよ、じゃあこっちは私と真郷、リエル、瓜生と如月ね」
「時間は今から2時間後、その時になったらみんなを闘技場に連れて行くわぁ…(めっちゃ楽しみ...)お客さんもいるからぁ!」
「「「「え?」」」」
反応したのは4人。
「まぁ練習よ!さっき闘技を中止してしまってお客さんちょっとご不満だからね、協力して?」
「まぁいいじゃないか、実際死と隣り合わせの戦闘になったらそんな事言ってられなくなるだからね」
「じゃあ各自、作戦会議とか魔術の調整とかして時間になったらさっき門のところね、なんかあなた達が迷子になるの怖いからこの城の罠は切っといたわ、防犯装置は動いてるから問題ないわ、道に迷ったら城の兵士にでも聞いてね、結構いるのよ?」
「じゃあ解散にしよう」
そして王室から出ていこうとした時(ちなみにお昼は王室の横にあって、厨房もそこにあって、たくさんの料理人がいた。なんかみんなマッチョだったけど)エレベーターが上がってきた時真郷と同じくらいの背丈の鎧を着た女性騎士がエレベーターに乗っていた。
「(エレベーターって王女しか動かせないんじゃ?!…)」
一瞬の疑いで騎士を睨んでしまった、が。
「その推察能力は褒めよう、しかし、そんなので私を威嚇しているつもりか」
その女は金髪で髪を下ろした実に美しい女性であった、しかし顔が一気に変わる、そしてその場にいた王室とリエルと司令以外の全ての人間が恐怖を感じた、そうこれが。
《ほんとの死と隣り合わせの世界を生きてきたものの顔》と
「まぁまぁ、私の客人よ?あんまり怯えさせないであげて?フォルテ」
「はっ…それは失礼しました…それより王女、闘技は…?」
「今日は無しにして明日の午後からこの方々が特別に闘技をするわ」
「こいつらが…まぁ多少は期待しましょうかね」
「ふふっ、心配しなくても過去最高の戦闘が見られるわ」
「そうですか」
そして10人でエレベーターに乗った。
「じゃあまた後でね?」
「あぁ」
そう王女と司令が言うと、騎士と王女は王室に残り、あとの俺たちは降りて行ったのであった。
「あの人やばくなかったか?」
「あはは!大した事はないさ、あれはオーラを纏っていただけさ、いやーフォルテってあの人の事なのか、面白そうな人だなー…」
「さすが司令…」
「じゃあ中庭にいって特訓だ!私は城出て右のほう使うから、煉華は左の中庭で特訓してくれてかまわないよ」
「はい」
「どうしようか…」
「どうしましょうかね…」
「俺にもわかんねぇ…」
「(早くしてくれ)」
5人は真郷を戦力に加えるため悩んでいた。
「日本人が魔法を覚えるのが早いとはいえ、1年くらいはかかるのが普通」
「でも、俺はこっちの血が入ってるんだろ?」
「たしかにそうであるけど、あなたは王家の血の者、普通のこっちの世界の人とは違う」
「というと?」
「地球の血で想像の力、つまり魔法の具現能力が全体的に大きい、そして王家の血の力で全体的なパラメータが物凄く高い、なぜ高いのかという疑問があると思う、それは私と同じ、つまり受け継いだ力が他の人より大きいという事、正確には代々受け継いだため君に順番が回ってきた時にはとてつもない力になったという事」
「ごめん…まだ良く分からない…受け継いだって所について教えてくれ」
「この国、というかあなたの家の血は約2000年受け継がれている」
「その受け継ぐってのが分からない、人は昔からだれかしら親がいてずっと昔から血というものは受け継がれているのでは無いのか?」
「その考え方はたしかにあっているが王家の場合は別」
「まさかこの血筋はある日突然この世界に現れたとでも言うのか?」
「ちがう、不明なだけ」
「不明?」
「普通王の家なら代々伝わるものがあるはずなのだけれど、2000年前より前の遺物はない、そして地球に魔法という概念が登場したのもその2000年前」
「地球に?魔法が?」
リエルは頷き次に言った。
「まず不思議に思う事がある、それは今地球に魔法は浸透していない、ならなぜ魔法という言葉が出来たのか」
「そりゃ、誰かが作った作り話なんだろ?」
リエルは首を横に振った。
「理由は実際にあったから」
「え?じゃあなんで今は無いんだ?」
「魔法を使えるものが地球から消えたから」
「ちょっとまて!その前にそもそもなんで地球に魔法が?」
「恐らく私の御先祖さまが地球に持ち込んだ」
「…どこまで知ってるんだ」
「残念ながら私が知っているのはあと少しだけ、魔法を与えられたという地球の魔道士の名をマーリン、そう聞いてる」
「なっ!」
マーリンと言えば言わずと知れたアーサー王伝説に出てくる登場人物の1人で魔法使うとかなんとか…残念ながら真郷の脳内知識ではこの程度だった。
と、その時ふと真郷は周りを見てみるとやはり皆も驚いた顔をしていた。
「(やっぱり皆もここまでは知らなかったのか…)」
「ちなみに私が知っている地球の魔法に関する話はあと一つ、それとこの世界に魔法が現れた起源は、不明」
「え?わかってないのか?」
「私が思うにこの世界が生まれてから、と言うかこの世界の人間という概念が生まれてからあると思っている、それ以前に魔物という生物もいることから人が魔法使わずとも魔法は昔からあったのかもしれないが…」
「なるほど…地球という歴史の中でずっと酸素があった、とかと同じような感覚か?」
「…まぁあっていると思う」
「(地球の科学にはまだうといのか…)」
「そしてさっきのもう一つというのが地球から魔法が消えた理由、当時マーリンは未来予測の魔法を使ったところ、魔法によって沢山の死傷者が出ることがわかった、だからマーリンは魔法の魔導書を私の先祖に返した、しかしその後も地球では魔法は残った、日本では馴染み深いのが妖術などの陰陽師など、西洋ならそれこそ魔法使いが残り場所によっては未来魔女狩りの元となるそもそもの魔女というもまで現れた、つまりマーリンは魔法を伝えられそれを先祖に返したが地球に魔法は残ったということ」
「なんで?」
「わからない、が恐らく魔法を地球に広めた黒幕がいるはず」
「今もいるのか?」
「わからない、がこれで分かったかな君がただの地球人ではなくただの魔道士でもないことが」
「あぁ…でも使えない物は使えないんだよな…ってか俺はどんな武器をつかえばいいんだ?」
「自分が使いたい武器をイメージすればいいのよ!そんな難しく考えなくてもいいわよ?」
と、煉華が黒と白の二丁拳銃を具現させながら、そういった。
「(今は俺銃を思い浮かべてたけど…煉華は二丁拳銃…じゃあ俺は二刀流でも?いやぁ…剣持ったことすらないもんなぁ…何使えばいいんだ…俺が得意なもの…)」
「そう言えばあなた、昔から棒を振り回すのが好きだったわよね?槍とかは?」
「薙刀使ってる人いるからなぁ…」
「もういっその事その拳で戦ったらどうだ」
そこで今まで喋った事の無いNo.5瓜生 雷徒が口を開いた。
「司令と被るわよ?」
「あの人はボクシングみたいなかんじだろ、空手みたいな感じでいいんじゃねぇの?」
「千歳先生みたいな所あるわね…」
「あの人は完全にアサシンじゃねぇか、ってかほとんど拳じゃねぇし」
「まぁ、空手ってほどに行かなくてもその体を武器とするのはいい手かもね、あなたが自分で戦闘して勉強すればいいのよ、我流で」
「(いい加減だなぁ…)」
すると雷徒は独りでに練習を初めてしまった。
「とりあえず強化魔法を覚えましょうか」
「おう」
「まぁ、そのうち出来るようにはなるんだけど、イメージ的には腕に力を込める、まぁ筋肉を使うような感じね、そんな感じで使えるわ」
「……」
「まぁ使えるわけ無いわよね、こんな所で使えてたら日常生活であなた自身の存在について気づいててもおかしくないもの」
「どうする…」
「安心して、筋肉って微量の電気を流すと動くでしょ、それと同じような感じでやるわ、癒姫お願い」
「り、了解しました!」
「ん?」
すると癒姫は真郷の腕を触った。
「真郷さんちょっと地面を殴ってみてください」
「おう」
真郷は膝をつき、まるで試合に負けて悔しがっている少年のように地面を殴った、すると。
ドン!
「え?」
一瞬脳が揺れ、目を閉じてしまった、そして目を開くと自分の半径1mくらいにクレーターが出来ていた。
「えー…ってこれほんとに俺がやったの?」
「えぇ、そうよ」
「ってか癒姫が強化魔法つかったんじゃないのかよ」
「いいえ、今のはあなたが自分で自分に強化を付けたのよ」
「って言ってもなぁ…」
「しょうがない…真郷スナイパーライフルわかる?イメージして、ポイントはその映像を想像するのではなく特徴をイメージするの、例えば長い、威力が強い、反動が強い、装填する玉は長細いとかね、それさえすれば後は勝手に脳が本物を出してくれるわ」
「そんな便利なのか?」
「脳ってね、知らないうちに色々な情報をとりこんでいるの、あなた多分小さい頃に本物の銃を見た事あると思うのよね、まぁそれはあなたのお母さんにきいてみて、まぁ大丈夫わよ」
「んー…」
「じゃ、また癒姫お願い」
「了解です!」
またもや癒姫が腕を触ってきた。
「真郷さん、スナイパーライフルの構え方をしてくれませんか?」
「…こうか?」
真郷は左手を伸ばし手のひらを上に向け、右手を右肩の前にトリガーに人差し指を差し込むような形で手を置いた。
「それじゃ行きますよー!真郷さん、イメージ!」
「お、おう!」
するとライフルを出そうとしている所の周辺から光現れ、集結した。
「うわぉ…」
自分の手にはスナイパーライフルと言うより火縄銃のような鉄と木で出来た、よく狩などで使われる銃が出て来た。
「あらぁ…まぁ最初はこんなものね、さてじゃあ撃ってみましょう」
「どこに?」
「まぁ人もいるし、空にでも撃ってみたら?」
「わかった。あ、そう言えば強化ってのもイメージでどうにかなる物なのか?」
「えぇ、イメージ的には元々の性能をイメージして、そこから強くなった光景をイメージするの、わかった?」
「それって元から強いのをイメージすればいいんじゃないのか?」
「それが、そんな簡単でも無くてね。具現は一番魔力を使うの、なにせそこには無い武器を物として具現させるんだもの、だけどね元々あるものに強化を付ける事は簡単なの、なぜなら軍が使ってる銃だって強化できる、つまりは元々あるものなら何でも強化できるの」
「まぁ、なんとなくはわかった…まぁやってみるよ」
そうして、真郷は空に向かって一発撃ってみた。
カチッ
「ん?」
トリガーを引いても何ともならなかった、だから覗き込もうとしてしまった。
「真郷!銃口を覗くな!そして銃口を空に向けてからトリガーを離して!」
「え?お、おう、わかった」
煉華の顔は焦っていた。
そして、次の瞬間。
何も聞こえなかった、いやそれは聞こえていたのだが音が大き過ぎて許容範囲を超えた、と言うのと音が高かったののもあるだろう、言うなればキーンとした音だった、そして閃光も共に。
「うっ、眩し」
その場にいた5人が一斉に目を瞑り次に空を見上げた。
「うそ…」
浮遊島が一つ円形状のボールのような火の玉に包まれ、次第に火が消えると元々あった島が無くなっていた。
「そ、そうだわ!真郷!あなたは何もかもがおかしいのよ!だから何やっても強すぎるの!何を使ってもいいのよ!」
「(煉華の様子がおかしくなってる…)」
「ちょっと試しに炎を纏った剣とか想像してみてくれない?…」
「上手くいくかな…今度は1人でやってみるわ(イメージ…イメージ…昔見てたアニメに出てきた妖刀村正みたいな感じで…)」
そうして真郷は左手を上に右手を左手の下に置き上段の構えをした。
「…おぉ!出来てきてるわよ!」
真郷はイメージに集中するため目を閉じていたので自分の手に今何があるのかは分からなかった、が、そこに何かがある事はわかった。
「(やべぇ…なんか疲れてきた…もうそろそろ出来ただろう)」
「す、すごい!」
煉華の驚きの声に目を開けてみると、
「うぉっ出来てる!」
そこにはまさに日本刀と言ってもいい物に紫色の炎が切羽の所から刃の先端に向かって燃えている剣があった。
「ちょっと…それ地面に刺してくれない?」
「おう」
すると真郷の持っているその剣は地面に刺したのにも関わらずまるでそこに地面など無かったかのようにスルスルと地面に吸い込まれていった。
「え?」
真郷がこれ以上はやばいと思い剣を引き抜いてみると剣を刺した穴は黒く焦げ、煙が線香の様に一筋の線となって天に向かい上がっていった。
「これよ!これで戦えるわ!」
煉華はしばらく唖然とした後、なにか閃いた、と言うより「やっぱりこれよ!」というような雰囲気でそういった。
「ちょっとお前まさか、皆が使ってる武器を使い分けて戦えってのか?強い武器を出せるからって」
「そうよ!」
「って言っても、あの人たちが使ってる武器はあの人たちが専門としてるものなんだろ?俺が色々な武器を取った所で大きなダメージは与えられないぞ?」
「そんなの後から教えてもらえばいいわよ!」
「じゃあどうやって戦えば?」
「向こうも真郷がこんな力を持っているってことは知ってるだろうけど、ここまでとは思ってないはず、ましては真郷がこんなに早く具現武具を習得するなんてさらに思わないはずよ、だから戦況をみて使いなさい。多分その瞬間に隙が生まれるわ」
「まぁ、やるだけやってみるよ(ってか今ので結構司令の方に情報行ったよな)」
その頃、司令率いる上級生軍は特訓兼作戦会議を城と城を囲む様にある壁の間にある庭でしていた
「うわー、すごいねー、さすが真郷君」
と、不知火司令が空を見上げながら、少し驚いた顔でそう言った。
「さすが、王家の血とこちら側の血を持ってるだけはありますね」
と、蘇龍が同じく空を見ながらなにか考えるように言った。
「なんか真郷くんが敵なのか味方なのかって言い方だね…」
「ふっ…そんなわけ、しかし王家の立ち位置がいまいちよく分からないのも事実、あくまでも私達が守るべきは日本国民、こちらの世界は別にどうでも良いのです」
「まぁねー、日本もそこまで他人の戦争に全面協力出来るほど豊かでもないからねー」
「そうです、この戦争はこの大陸の2つの国が起こした戦争、日本は出来るだけ関わりたくない…だが」
「あぁ、こちらは日本国民を1人誘拐されているから、関係ないといえないんだ、もしそう言ってしまったらマスコミは異国に拐われた日本国民を救わない政府はクズだの色々言ってくる。まぁそもそもまだ異世界の事を知っている人間は少ないけどね。さぁ!作戦を練るよ!」
司令はそう言い再び魔法の特訓や作戦会議を始めた。
「で、俺が魔法を使えるようになったのは良いが(もう使えるのか?)、あの人たちとどうやって戦うんだ?敵チーム全員上級生だろ?」
「えぇ、そうね。だけどこっちだって魔法を使ってる歳が劣ってる訳じゃない、まぁあなたは別だけどね」
「で、具体的には?」
「まず、こっちの編成について考えましょう」
と、煉華は中庭のあちこちに散らばっていた味方チーム全員を招集した。
「改めて、こちらの陣営は、私、真郷、如月、リエル、雷徒だ、こちらの大きな利点は向こうにはいない支援型ウィザードがいるという事、それと自衛隊特殊部隊の中では一番魔法に長けている私が事が一番の有利な点かな!」
と、煉華は腕を組んで得意気に言った。
「あいつらもお前に負けないくらい強い…」
「まぁそうね、だけど私達の力が向こうの5人に負けるほど弱い訳じゃない。瓜生と真郷は如月を守って、私とリエルで開戦と同時に左右から攻める、真郷は私達が敵に向かってる間にデカくて威力の高い遠距離の武器を具現させておいて、そして私達が敵に到達する少し前に撃って、そして不意を付かれた所を仕留めるわ、OK?」
「問題ない…」
瓜生がフンッと言うように目を閉じ腕を組みながら言った、おそらくそんなもので倒せるのか、と疑問をもったがそこまでいい案も言えず不貞腐れたのだろう。
「じゃあ初めようか!」
そしてさらなる試行錯誤や訓練が行われた。
◇ ◇ ◇
と、夕暮れ時。
「皆さん、お泊まりの部屋へ案内致します」
と、そこに可愛らしいがどこかで見たことのある、メイドさんがやってきた。
その後ろにはなんとも言えない顔をしている4人(司令以外(その司令は笑いをこらえている))がいた。
「あ、はいわかりました!」
一体何なのか分からないので、とりあえず反射的にそう答えた。
城内をメイドさんが先行して歩くなか、先ほど合流した司令チームの日比斗が真郷と煉華の間に入りこう言った。
「あいつ…さっきの騎士だぞ…多分…」
「「えっ…?」」
その時真郷たちもなんとも言えない顔になった。(ちなみにリエルはめっちゃ眠そうな顔をしていた)
「リエル…お前気付いてたのか?」
「……ん、何故か驚かなかった…おそらく何か耐性があったのではないだろうか、例えば…前から私はあの人を知っていたとか…」
リエルがこちらの世界の人間であり、王家に近い存在ならば不思議では無い話であった。
「そ、それではこちらをお使いください…」
「ど、どうもー…」
普通ならば男女は別の部屋になるのだが、今後の戦争次第ではこのペアで行動する事になるからお互い〈色々〉な事を知っとけ、との事でさっきと同じペアで部屋にいるのである(もちろん司令はそのあとにこう付け足した「あくまでも私達は自衛隊対異世界特殊部隊、あくまで自衛隊の一員という自覚をもって行動してね♪」まぁ変な気は起こすなという事だろう)
「(はぁ、この4人と一緒の部屋で一晩…いや数日過ごすのか)」
「どうしたの?」
「いや別に…」
その時点でリエルは寝ていて、瓜生は外を見ていて、如月も寝ていた、小さい子達は異世界に来て疲れてしまったのだろう。
「ほら皆!寝る前に風呂と飯よ!!!」
と、リエルが言うとリエルは「飯ぃ!」飛び起き如月は「お風呂ぉ…」と返事をしながら別々の足取りでベッドから這い出てきた。
「(ん、もう飯出来たのか?うおっ…)」
ついさっきどっかに行ったはずのメイド騎士がまた廊下にたって俺らを待っていた。
「(いけねぇ、ボケっとしてた…)」
今日という1日だけでこんなにも中身がある日をおくったのは初めてだったので、色々体が疲れている様だ。
6時間前
「まぁー、あんなに怖がらせちゃって。思いっきり嫌われたわよ?」
王女がニヤリと笑いながら王座に座り肘置きに肘をつき手を頬に当ててそう言った。
「…王女そんなに私をいじめないで下さい!私が超がつくほどの人見知りって知ってますよね?!」
「えぇ、けどどうするの?これから一緒に仲間として戦う人達にあんな殺気に満ちた顔しちゃって」
「…ど、どうしましょう…」
フォルテは顎に指先を当て本気で考えた。
「(ふふっ、困ってるフォルテ可愛い♪)一つ提案なのだけれど…」
王女はニヤリと笑みをこぼした。
「な、なんでしょうか?」
「あなた、真郷と煉華のチームに入って明日一緒に戦いなさい!」
「んなっ!…」
「そして!これは王女命令よ!あなたはこれからメイド姿になって、あの方々の身の回りの世話をしなさい!」
「な!なぜそのような事まで!?」
「何故って…お互いを知るためよ」
「闘技だけでいいでしょう!」
「だめよ、生活の場でも知り合わなきゃ」
「…わ、分かりました」
そして現在
「というわけで、6対5になっちゃうけど、いいわよね?」
「あぁ、いいんじゃないかな、元々戦力には差があったからね」
「(げっ…あの人と同じチーム…まぁ俺としては仲間が増えるのは嬉しいけど…)」
「(うっ…あの人と同じチームに…まぁ仲間が増えるのは悪くは無いけど)」
「「(怖っ)」」
夜飯の時王女がそう切り出し、王女の提案は肯定された。
そして、チームメンバーが向き合うように座っていて、真郷と煉華の間にメイド(騎士)がいた、そのため煉華チームは今現在ものすごく緊張している(相手チームは敵がオドオドしているのを見てクスクスと笑っていた)
「ところで王女、そこのフォルテ殿と言ったかな、がメイドをしているのは王女の趣味かな?」
「えぇ、よくわかったわね」
「なんで、こんな服を?」
「いやぁ、フォルテは 昔から人見知りでさっきもあんな事しちゃったでしょ?だからそれを砕けさせるためにこうしたのよ、あ!皆に言っとくけど、フォルテは根は優しい正義心に溢れた子だから優しい目で見てあげてねー」
その場にいたほとんどの日本側の人間はこう思った
「(そ、そんなの不可能…)」
「なるほどぉ、それならうちからも何人かメイドを出そうか」
司令が驚きの提案をし、衝撃を受けている人間に更に衝撃を与えた。
「あはは、冗談さ」
「あ、フォルテ、あなたはこれから真郷たちと同じ部屋ですごしなさい」
「え?身の回りの世話は?」
「もういいわよー、面白がってやっただけですもの!」
「……お、王女…私が王室執事兼監督の任も請け負ってるいる事…お忘れですか…?」
その時、その部屋の人間(相変わらず司令以外)は一瞬にしてまたも(個人差はあるが)(前の時より)凍りついた。
そんなこんなで夜飯も食べ風呂も入り、湯上りの女子と同じ部屋で気まずい状況の中寝るのであった(服は王女が用意した服(普通の質素なパジャマ姿)であった)
「(しかしまぁ…悪い気はしないが…)」
今現在この部屋にいるのは、真郷、煉華、リエル、如月、瓜生、フォルテである。
次の日
起きてみるとちょうどフォルテが窓を開けて、それにつられ皆も起きた所であった、どうやら朝が弱いタイプの人間はあまりいないようだ。
「ふー…結構寝たなー、東京にいる時よりよく寝れた気がする…」
「同感ね、こっちにいる方が疲れが取れるわー」
煉華が伸びをしながらそう言った。
そして既に着替え終わり騎士の服を着たフォルテが外を見ていたが振り向き言った。
「恐らくこちらの方が魔力原子の量は同じでも精霊が多いいからだろう」
「え、精霊?」
「あぁ、私も宿しているこの力だ」
するとフォルテは真郷たちに2回見せたあの力を使った。
「これは闇属性の力で、人を恐れさせ人を蝕む力だ、主に状態異常とか相手に負のダメージを負わせる事ができる」
「それらを人はオーラと言う」
すると部屋の入口に司令がたって口を挟むようにいった。
「あぁ、その通りだ」
ほかの如月と瓜生は静かにその話を聞いていた(元より瓜生は無口だが)
「所で、不知火殿と言ったなそこまで魔法の事を熟知しているのは10年前王女から聞いたからなのか?」
「あぁ、そうだよ」
「なるほどな、それで魔法は使えるのか?」
「いや…使えない…と思うのだが、一晩寝たらどうやら精霊の力が宿ったみたいだ」
「なるほど…精霊経路に特化しているというのか」
と、真郷がたまらず質問した。
「精霊経路って?」
「ふむ、まだ不知火以外のメンバーはあまり知らないのだな、まず精霊と言うのは魔法によって作られたと言われている魔法生物の事だ、そしてそれらが人に宿る事でその人間は魔法の能力が上がるという訳だ、そして精霊経路だが経路という割に別に通り道がある訳ではない、魔術経路にそって言われているだけで、意味は精霊に好かれるか好かれないかだ」
「つまり司令は精霊に好かれていると…」
「あぁ、でその色はなんだい?不知火殿」
「属性か、恐らく光だね寝ている時に光に満ちた夢をみた、しかも起きた時手のひらは輝いていたからね」
「そうか…私とは逆だな、まぁ味方同士これから協力していこう、今日は敵だがな」
「あぁ、よろしく頼むよ。あ、それでだ君たちに制服だこれからこちらで過ごす時はこれを着てね」
それは日本でよく着られている制服と同じものだったが、何故か中に着るTシャツもコートも黒が基調となっていた、それとは別にthe魔法のマントと言うようなオーブの様な物が渡されたが、それぞれ違う形をしているようだった。
真郷は半袖で、腰までの赤黒いオーブ。
煉華は長袖で、すねの少し下までの真っ黒なオーブ。
如月はひじまでの袖で、腰までの緑色のオーブ。
瓜生は肩までの袖で、膝下までの青黒いオーブ。
リエルはいない…と思ったら着替えたリエルが廊下から入ってきた。
白色のスカートに白色の制服(こちらの世界の物と似ている)を着て、白色のオーブを羽織るようにして首の下でとめていた。
そして、騎士はいつも通りである。
「司令グループの人達は着てるんですか?」
「あぁ、私以外は全員着ているよ、ただ数名は本人の要望でこちらの軍の服を着ている人もいるけどね。特性のオーブはみんな着ているよ。ちなみに私は一見変わっていないように見えるかもれないけど、かなり丈夫で対魔法術式がかかってる物になったんだ」
「へー…」
司令が着ているのは相変わらず女性用の迷彩柄の陸上自衛隊服だ、しかし肩の階級章の装飾が少し変わっていた、そして胸の紋章の反対側に「対異世界特殊部隊隊長兼陸将不知火風華」と書いてあった。
「(ん…?)」
一応高校2年生なのだ、自衛官の階級の事は多少知っている(妹が陸佐だった事にびっくりし記憶が蘇ってきた)陸将というのは上から2番目という事である、そして1番目は司令の父である。
「す、すげぇ…」
「ん?階級章の事かい?向こうに置いてきたのだけどね、父から「異世界に行くということは一つの政府を相手にするという事その代表としてしっかりとした服装ですごし陸将の自覚を持って任務にあたれ」という手紙と共にこの服が送られてきてね、まぁこれは父からと言うより幕僚長からの物と思って着ているわけだよ」
「(不知火殿は変わった服を好んで着ているのだな…)」
フォルテはこんな事を思いながら二人の会話を聞いていた。
「ところでこっちの軍の服を着ていると言うのは?」
「あぁ、立花と祖龍がアルフィリア王国騎士団に入団する予定で騎士服を着ているよ、立花が槍専門の部隊に入って祖龍が剣士の部隊に配属される予定だ。入団する理由としてはこちらの世界の調査をするため出来るだけこちらの世界に溶け込んでもらうためだ、団の一人として過ごせばこの世界の人からも怪しまれないし、まぁ、悪気のないスパイとして過ごしてもらうんだ」
「なるほど…」
「まぁ、本人達は楽しむつもりの様だけどね。団に入って色々学んで勉強するつもりの様だ」
「(ここに来てまだ1日なのに凄いな…)」
すると司令が如月に顔を向け明るい顔して話しかけた。
「ところで如月君」
「は、はい!」
「こちらの王国魔術師団に入るつもりは無いかい?別に任務という訳ではなく、君には強くなってもらいたい。だからそこで是非勉強してきて欲しいんだ」
如月は煉華の方を申し訳なさそうにむいた、おそらくこのチームのリーダ的存在である煉華に私がいなくなる事で迷惑をかけるのではないかと言う心配があったからだろう、すると煉華はニコッと笑い口を開いた。
「心配いらないわ、思う存分勉強してきて!私もあなたが強くなるのは嬉しいもの」
「あ、ありがとうございます…」
如月は少し照れながらもそう礼をいった。
「あー、別にチームは離れる訳では無いよ?昼間の間学校みたいに別々の行動をするだけだ、夜になればまた同じ部屋で寝るわけだし、そんなにしんみりしなくても大丈夫だよ」
「そ、そうなんですね…それでは是非お願いします」
「わかったよ、王女にそう言っとくね、入団の準備が整ったらこちらの魔導師服も来るだろうからその服をきて過ごしてね」
「わかりました!」
「それじゃ、全員準備が整ったら昨日の食堂に来てね。朝飯を食べて、そのあと王国から今日1日の説明があるそうだ」
「わかりました」
司令の発言に対し返事をしたのは煉華だか、フォルテ以外は頷いていた、おそらくフォルテはこの事をしっていたのだろう、司令が話し終わるのと同時に出ていってしまった。
「それじゃまた後でね〜」
異世界で一夜を明け、異世界生活二日目が始まった。
なんとなくだが、今日は忙しくなる気がする、そんな事を思いながら渡された服に着替え、食堂に向かうのであった。
To be continued…
読んでいただきありがとうございました。みての通り私の作品は絵がないためキャラの想像が分かりにくくなっているかもしれないので、しばらくしたらキャラクターの詳細をあげる予定です、それまでしばらくお待ちください、それでは失礼いたします。