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「東京魔術機関−東京ウィザードエイジェンシーー」  作者: 覇鵺躬 燈桜衛紋
第1章
3/5

第2話「23番島本部奪還、そして異世界へ...」

続きです、お楽しみください!

2020年7月門は現れた、真っ先に狙われたのが海上に作られた軍事基地であった、日本の自衛隊は混乱しながらも勇敢に戦った、しかし敵が使う魔法も言う物に太刀打ち出来なかった。

この事で海上自衛隊基地は陥落、何とか逃げ出した人はこう言っていたそうだ、まるで「神が襲ってきたかのようだった」と。

幸い敵が現れたのが海の上であった事が幸いし、本州まではせめてこなかった。

しかしこの事を日本政府は隠した、隠す理由は表向きにはパニックを、起こさせ無いため、と言っていたが、実際は独自に敵を倒し敵の世界に進出し資源を得るためだったと言われている。

しかしそんな陰謀も無駄に終わった、名義上は訓練の「海上自衛隊軍事基地奪還作戦」として出撃した海上自衛隊の船は謎の壁に衝突そしてその後総攻撃を喰らい全滅、航空自衛隊の攻撃も効かず、中には超高速で突っ込んで亡くなった隊員もいたそうだ。

しかし敵も待ってはくれなかった、敵は通称「ドラゴン」を召喚しそれに乗り本土へ進撃してきた。

日本はこのままでは負けると思い外国の同盟国に極秘で協力を求めた、そしてそしてそらに名義上「日本同盟国共同訓練」として門から現れた敵を迎え撃った、しかしそれでも完全には倒せなかった、それぞれの国が被害を出しながらも倒せたのは敵の10分の1、しかしそれでも敵にとっては驚いた事のようで、撤退して行った。

ここで日本政府は恐ろしい事をする、捕虜として捕まえた敵兵を拷問又は解剖し魔法の研究を開始したのだった、しかし日本には憲法上捕虜を拷問ましては解剖など出来ないので、国は国内にある外国マフィアを通じて魔法の研究をするのであった。

それから1ヵ月敵はせめてこなかった、その間に政府は魔法の研究をほとんど完成させた、その方法とはなのだがそもそも魔法とはこちら側の人間は使えない、使えていたら今頃魔法がこの世の中を回しているだろう、ならどうして敵は魔法が使えるのか、それは敵の体に元々ある、人でいう神経に似た魔術経路が理由である。

政府はそれを被検体に移植させた所見事成功、その人間を使い敵を倒すのであった。

初期の被検体をNo.1と言った、その被検体は海上自衛隊と共に門へ向かった、その被検体は政府が想像していたよりはるかに高い成果を果たした、それは海上自衛隊の船を守護璧で守り、彼女自身は具現武具「魔銃ロストディアスと聖銃イレンティア」で敵軍勢を倒し門の中まで敵を撤退させた、がそれは奇跡的な勝利であり、決して必然的な勝利ではなかった。

なぜ一人の少女が参加しただけで勝てたのか、その日記録的な台風が敵の陣地となっている軍事基地に上陸した、その影響がどれぐらいあるかは分からなかったが、日本政府はこれを好機と判断、再び奪還作戦を展開した、そして勝利した、しかしそこで日本は交渉を受ける。

日本はそのまま敵地へ踏み込もうとしたが、そこで敵はメッセージを残して門と共に消えて行った。

門が閉じては追撃することは出来ない、ただてさえマスコミに勘づかれて動きを抑えたい状況、よって日本のこの騒動は収まった、しかし一時的に。

敵の残したメッセージにはこう書かれていた、

「貴国の世界で言う2035年再び、私達は現れる、貴国の事はよく分かった、私達の国の技術を盗み自分の物とする卑劣極まりない国とな。それと我国が貴国をせめた理由だがそれは貴国が我が国に必要な存在が逃げ込んだからだ、素直にリエル・ニアスケイト・ロミルシアを2035年までに探し出し渡せ、渡さなかった場合、無理やりでも回収されてもらう。以上だ」

日本政府は最後の奪還作戦で少女がいても相当の被害を受けた事から、素直に受けた方が良いと判断、リエル・ロミルシア・ニアスケイトの捜索を始めたが、正式に「探せ」と言った瞬間、警視庁に設けられた特別捜索本部の窓から「私を探してるの?」と5歳位の少女が入ってきた、そしてその少女は自分の事をリエル・ニアスケイト・ロミルシアと言った。

日本政府はすぐに保護という名の捕獲をしようとしたが、少女は政府は思う以上に交渉上手で、見事に政府は言いくるめられてしまった、その内容が魔法の利用方法またその他の応用、まぁ色々、を教えると言うものだった、だが、日本政府はこの少女の存在が世界に露見すると他の国がその少女を欲しがるからだ。

その少女は政府によって隠され魔法の知識を政府に教え続けた。

しかし他の国はだんだん、報酬を求めるようになった、それも当然、各国は日本に協力しただけで被害を約1000億円程度受けていたのだ、これによる日本政府の応対は「各国に日本政府費用の日本統括で魔術機関‐ウィザードエイジェンシー‐支部を立てその国の人間の志願者又は候補者をウィザードにし、その国を守る力を与える、そのウィザードは支部の職員として魔術研究をする、全国の支部の権利は、日本にあるものとする。各国の研究内容は自由、日本に不利益または歯向かう事があればそれ相応の制裁があるものと思ってほしい」と言うものだった、一見こんなもの見返りとしては、各国がさらに不満を感じてしまうと思うが、むしろ逆だ、何より各国が嬉しかったのが魔法を自分の国が所持出来ると言う事だ、そしてよく分からない事は日本がやってくれるときた、例えるなら、使い方がよく分からないものだか使えたらとんでもない力になるものを貸してあげる、勝手に研究していいけど、その研究内容と成果はこちら報告すること、魔法は好きに使っていいよ、だけど世界ばらまいたら駄目ね、と言ってるようなものだ、そしてもう一つ口答えが出来ない理由がある、それは日本がウィザードを作る能力を持っているという事、それと日本がこれ以上どんな情報を持っているかわからないし、ウィザードを作る能力があるのだからもっとそれ以上の力があのではないか、と考えたのだ、何より日本が強気出会ったことが各国に抑止力を与えたのであった。

これにより各国に魔術機関支部が作られ、同時に東京都庁地下に東京魔術機関本部、通称東京ウィザードエイジェンシーが作られた、そして同時にその最前線基地に23番島魔術機関特別前線基地本部が作られた、そして門の存在を隠すため、元から日本本土の人口集中を分散するために太平洋の排他的経済水域内に島を作る計画に乗り、その一環として23番島を建設した。

門は消えたのでは?と思うかもしれないがそうではない、リエル・ニアスケイト・ロミルシアの発言によると門が出現する場所は固定されるらしく、目には見えないレイラインと言う物の集中地点に現れるらしくそれが今回の門出現の場所となったそうだ、そしてそれは世界各国にあり、日本はそのレイライン集結地点に魔術機関支部を建てた、このレイラインの事は敵も知っているらしいのだが、敵の例えばAと言う門から移動するとaの門にしか移動でき無いため、恐らく同じ所から出てくるだろうという事のため、以前門が発現した場所にそのまま囲うように特別本部を置いたということである。

そして次にこの島を要塞とするために、育成所となる学校を作った、そこにはリエルによってウィザードになった学生が通うことになったが、市民の目を誤魔化すため他の普通生徒も入学することとなった、なぜなら、もし学校生徒全員を機関の人間にしたならば一斉に戦闘に駆り出された時学校が無人になりそれを見た普通市民がおかしいと思ってしまうからだ、なにより本部の存在を隠す為に島を作ったのだから普通市民が入ってくるのは当然の事でそこに学生が入って来る事など当たり前なのである。

そしてそのウィザードは表向きは学生、裏では機関職員として敵が来るとされている2035年に向け訓練をするのであった。

そもそもなぜ普通の人間が魔法を使えるのかなのだが、前に話した少女とこの学生の魔術経路はそもそもが違く、少女はそのまま生の魔法経路を埋め込んだのだが、この学生らの魔術経路はストローで作ったかのように大変もろいのである、何故なのかと言う話しなのだが、それは簡単な話で人が別の人に臓器を移植するには元の人から臓器を取り出すしかない、つまり元があるという事だ、しかし今回は元が無いのだ、ちなみにあの少女は複数の捕虜と複数の被検体の内たった一人だけ成功したので、これ以上丈夫な魔術経路を持つ人間は作れないのだ、丈夫と丈夫ではないものの違いだが、衝撃だとかそういう外的な物は問題は無いのだが、中身が問題で何より出力が弱いしもろい、例えるなら細く薄いホースと太く分厚い壁のホースの違いの様なものだ、この事により今最も強い力を持つ人間はこの少女なのだ、今は。

そして魔力は酸素と同じで、レイラインから魔力原子が出ており、それをウィザード、敵魔道士は使っている、なので使えば息切れするし一気に使えば、息苦しくなる、しかしここは酸素と違うのだが、魔力を一気に使い過ぎると魔術経路がパンクして身体から魔力が溢れ、膨張して破裂、つまり死を意味するのである。

日本政府はここまでを10年で行った、次に日本政府は来る2035年に向け軍事兵器と魔法の融合を始めた、しかしミサイルなどの無人で稼働する兵器と融合することは35年までは出来なかった、が銃砲台などの人が操作するものなどは、融合に成功した(戦闘機などのミサイルはパイロットがそこで強化すれば可能)これによりウィザードに銃を持たせれば、銃に属性をがつける事ができ、更に強化魔法で火薬の威力を増幅させる事でどんな(ハンドガン)でも音速にも近いスピードで飛ばす事が出来る、そしてその魔術を更に強化魔法で強化をすれば光速で飛ばすことも出来る(音速≒地球を一秒で7周半)、そして属性を付けた銃は着弾地点を氷漬けに出来るし爆発炎上光暗闇など色々な効果をもつ事が出来た。

これらの事は外国の研究成果の中にも含まれるものだった。


そして今その2035年が来ようとしていた。


◇ ◇ ◇


「これは戦争だからだよ…我が息子よ」

そこには写真でしか見た事は無かったがその写真と全く同じ顔の自分の中での「自分の父親」がいた。

「お、お父さん?…」

「あぁ、久しぶりだな、俺があの家を出た時はまだ言葉もしゃべれなかったからな…」

男は低い声で真郷に話しかける。

「な、なんで!なんで家を出たりしたんだ!お母さんだって悲しんでるんだ!戻ってきてくれ!」

「それは出来ない…君が来てくれないか?」

「何を言ってるんだ!俺を殺そうとしたくせに!」

「あ〜今のかい?今の魔弾が当たったくらいで死にはしないよ」

「その事じゃない…俺を刺したじゃないか!あれは絶対殺す為にさされた…」

「なにっ?」

「とぼけるな!」

本部の前に現れた真郷の父親と思われる人間は暫し考えたようなふりをすると。

「まぁいい、来ないのなら連れてゆく」

そこに再び魔弾の雨が降る、もう学生たちはボロボロで立ち上がる事も出来ない中には防御体制も取れず気を失っているものもいる、リエルも息はしているものの意識はない。


「っ!(このままじゃこいつら死ぬ…何か…何か無いのか!)」

真郷は辺りを見回す、するとそこには学生らのハンドガンと思われる銃が落ちていた。

「(これでっ!)」

パンッ

飛んでいった銃の弾は高い音と共に父親と思われる男の守護璧に弾かれた。

「この世界にはそんなものもあったな、だが無駄だ、しっかし父親に銃を向けるなんて…がっかりだよ…」

確かに真郷の中にも父親に銃を向ける事に抵抗があった、しかし後ろに背負うものと母親を悲しませた張本人を相手を前にすればそんなもの気にはならなかった。

そして男の顔は怒りに溢れて行く、そして魔弾は真郷たちに降ってくる。

寸前

「(何か…俺にもあいつらみたいな力は無いのか?…)」

真郷は先ほど同級生が使っていた魔法を目を閉じイメージし、銃の持つ手へ気を送る。

「(これで何か変われっ!)」

「…やはり俺とあいつの子だ…」

男がそう言う。

真郷は目を開く、とそこには銃の先端に幾つもの魔法陣が現れていた。

「こ、これは…」

「真郷!狼狽えるな!早く撃て!!!!」

そこに聞き慣れた幼馴染の声が聞こえた。

「っ!いけぇええええ!!!」

その、瞬間先ほどとはまるで違う、大砲の様な、もしくはそれ以上の音が辺りを駆け巡り、閃光もまた同じ様に駆け巡った。

「っ…ふっ、ははは!!やはりお前はこうでなきゃな!!」

「くっ…」

一瞬苦痛の声を上げたが、守護璧に少しひびが入っただけで終わった、時間と共にそのヒビは回復して行った。

「真郷!諦めるな!!今を逃したら次は無いぞ!」

「あぁ!もう!わかったよ!やるよ!なんなんだよ!うぉおぉ!」

銃の先端にあった魔法陣が更に巨大化する、そして煉華も横に並び白と黒の二丁拳銃に魔力を溜めるそして真郷の倍の白と黒の魔法陣を具現させる。

「真郷いくぞ!」

「お、おう!」

「させるか」

魔弾が降り注ぐのと2人が銃から巨大な魔弾を撃つのはほぼ同時だった。

2人の魔弾は次々と敵魔弾を消していった。

「「いけぇえええ!!!」」

「っっ!!!」

とうとう2人の魔弾は男の守護璧へ到達した、守護璧のヒビはみるみるうちに広がっていき、最後には完全に消失した。

「っ!ふっざけるなぁー!!」

男が叫ぶが虚しくも魔弾は、直撃、そのまま吹っ飛ばされ本部の壁に衝突した。

「ふざけるな…貴様らそんな力を…まぁ15年もあればそうか…」

「貴様がふざけるな…なぜこんな最前線にお前が出てくる!」

煉華は怒りに満ちた声で下を向き言った。

「ふっ、俺がどこに行こうと勝手だろう…」

やはり吹き飛ばされたのは相当ダメージが入ったのだろう、声が先程よりも光を失っている。

「何を考えいるのかわからないな…いったい何をしに来た?」

「聞いてないのか…知っていると思ったんだかな、お前俺が真郷とあいつを奪いに来たとおもっているじゃないか?」

「え?…」

「確かに2人も回収するが、俺の目的はそっちだ…」

ふらふらになりながらも男は指を指した、その先にはリエルがいる。

「この少女が?…」

「そいつの名はリエル・ニアスケイト・ロミルシア、この世界に魔法を持ち込んだ張本人だ」

「なにっ?」

「まさか本当に知らないとは、まぁいいさ俺の体力ではもうそいつは取り戻せない…また来るよ」

「まて!」

男の周りにいた残党が男を抱えて本部に入ってしまった。

「くそっ!まてっ…」

「煉華!そこまでにしなさい、今は仲間達を助ける方が先です」

なんとそこには俺が通っている学校の校長不知火校長がいた。

「こ、こうちょう?」

「やぁ、真郷君たいへんだったね」

「は、はい」

真郷はさらにあっけにとられる。

「不知火司令…あいつをあのままにしといて大丈夫なんですか?」

「あぁ、それにほら」

『23番島担当職員に通達、門の消失反応確認』

そう、放送された瞬間、色々な救護具をもった人達が本部前広場に入ってきた、と同時にリエルも運ばれていった。

「ほらね、それでこの本部を襲撃した人間だけど、やっぱり日本のマフィアだったわ」

「それって…」

「えぇ、門の出現前に敵はこちら側に来ていたことになる、そうじゃないとそもそも日本のマフィアに接触出来ないもの、だけど門は15年前から今の門発生までの間出現していない、だったら?やっぱり15年前の本土襲撃の時に別働隊として本土に上陸したと思われるわ。

それと、申し訳ないのだけど、情報分散所持の一つでお前には言ってなかった事がある、他の生徒らをウィザードにすることが出来る技術を開発したとお前には言っていたが、実際はこいつリエルがこちらの人間をウィザードにする力をもっていたんだ、他の奴には言わないでくれよ?」

「え?!!!………い、言いませんよ、情報分散所持の一つだったら仕方ないです、で他には誰が知ってるんですか?」

「総理大臣と私」

「え、2人だけ?」

「うん!君達は国家機密を知ってしまった訳だ!」

不知火校長は元気よくそう言った。

「司令...まぁそれはいいとして、敵の話し、それって結構大変なのでは?」

「あぁ、物凄くまずい。大隊が移動していればレーダーに出るし、自衛隊が所持してる衛星でわかるんだけど、それが出ていなかったって事は恐らく少数、だけど、その少数が精鋭である事は間違い無いだろう」

「東京本部には?」

「もちろん言ってある」

「私達はこの後どうすれば?」

「とりあえずリエルの回復を待って起きたら、現状説明をしてこちらの戦力が整ったら、門を発生させて向こうに攻めるかな」

「え?!こちら側にも門を発生させる力があるんですか?!」

「リエルがね、門を発生された時の魔跡があれば真似程度だけど、門を出現させられるんだって、だから今回収中、まぁ私の知ってる中じゃあもう1人門を発生させる力を持っている人を知っているのだが、まぁいいや」

「リエルという少女にそんな力が…あいつはいったい何者なんですか?」

「今は時間無いから、今度話すよ。私たちが話している間に結構救護活動終わったね。あ、おーい!そこの背ちっちゃい救護班長服の子!」

不知火校長が現場指揮を取っているさっきの仮本部?みたいな所にいた、女の子が振り向いた。

「だれが小さいですか!!って司令?!ごめんなさい!」

「気にするな、ちょっとからかっただけだ。第一救護班班長、進行は?」

「はっ、はい!現在被害を受けた生徒は全員無事です、一晩寝れば治ります。そして、現在自衛隊特殊魔道部隊によって本部内の安全確認をしております、なので今少々お待ちください」

「なるほど、ありがとう持ち場にもどってくれ。あ、本部に入れるようになったらおしえてくれ」

「了解しました!」

「さてと、真郷君!もう夏休みだというのに大変な事に巻き込まれてしまったね!」

「あ、はい。慣れていないと言えば嘘になりますが、もはや自分の脳は考えることを放棄してます…」

ずっと放って置かれて、突然振られたのでびっくりして、タダでさえ処理の完了していない頭に更に負荷がかかった。

「あはは!まぁそのうち慣れるよ!」

校長は元気にそう言った。

「そうだ!真郷!なんで来るなっていったのに来たの?!」

「え?…あぁぁ!そうだよ俺お前を助けに来たんだよ!なのによく分からない事になってて…」

「あんたが私を助ける?!結局逆になったじゃない!」

「うっ…でもこんな事になるなんて思ってなかったんだから、仕方ないだろ…たった一人の幼馴染で同級生の女子をたすけない男がいるかってんだ…」

「っ!!…」

煉華の顔が少し赤くなった。

「ばっ、ばか!俺お前の事なんて何とも思ってねぇぞ!」

「わ、私だって…」

「あー、イチャしている所失礼…」

「イチャイチャしてない!」

「イチャイチャしてないわよ!」

「あー、悪い悪い…本部の安全確認が終了した、が今日はもう遅い、き見たちはもう家に帰って休んでくれ。明日の朝9時に私の執務室に煉華、真郷来てくれ、煉華は知っているだろうが、真郷…私達の話しをしてあげよう」



◇ ◇ ◇



「今日は大変だったな、ゆっくり休め」

「あぁ、そっちこそ」

私と真郷の家は隣だ、だから一緒に帰るときは同時に家に入る、今日もいつもとなんら変わりない様に家に入った、だが今日はいつもとは違う。

「ただいまー」

私は一人暮らしだが、真郷の家の近くにこのような一軒家しか無いため、1人で大きな家に住んでいる。

「…今日は特に疲れた…早く寝よう…」

私はそのまま飯を食べることも無く、シャワーだけ浴びて寝たのであった。




それは残酷であった、目覚めた時一緒の幼稚園に通っていた友達は動かずに死んでいた、私だけ生き残った。

「…私だけ、か…」

少女はその実験を自ら受けた、そしてその実験は成功した。

彼女だけ。

彼女以外は死んだ。

彼女以外は拒んだ。

だから死んだ。


少女の両親は研究員だった、だから自分の娘を実験に使った。


少女は戦争に駆り出された。


「あの人たちを倒せばいいの?」

両親はうなづいた。

「わかった…」

私はよく分からないその力を使って向かってくる人を殺した、小さい頃の私は殺すという行為に罪悪感を感じなかった、死ぬという事の実感をあまり感じていなかったからかもしれない。

そして私は救いを求める人間を助けた、その人達は私に感謝した、嬉しかった。

両親も私が頑張ると喜んでくれた。

だから…


私は1人だった。


だけど1人じゃない時がきた、けど何かが違う。

「私だけ何でこんなに強いの?」


小学生の時は私だけが強いことに苛立った同級生が、私の事を虐めた、だから..


向かってくる人間は殺せ


脳裏によぎるあの時の命令


「うぁぁぁ!」


精神肉体共にやられた私は魔力暴走をした、が。


「やめろ!煉華!…」

「ぇ?」

そいつらに、当たったら肉体が吹っ飛び掻き消えるほどの威力の魔力を込めた拳で襲いかかろうとした時、そいつらの前に彼が現れた、家が隣でいつも一緒にいる、そいつが。

なにより驚いたのが彼が魔力のこもった私の拳を素手で受け止めたことだ、驚いた私は我に返ったが、同時に呆然としてしまった、そして。

「てめぇら!おれの煉華になにしてくれてんだ!!!」

驚いたが嬉しかった、私の親友が助けてくれたこと、そして私と肩を並べる事の出来る人がいた事、私は1人では無いということを知れたから…

その後、不知火先生がきてめっちゃそいつらは怒られていた。


「煉華、大丈夫か?」

「え、ぁ、うん、大丈夫!」

私は笑顔だった、まるで目の前の彼が王子様みたいだったから。

「よし、一緒に帰ろうぜ!」


その後私の周りにはお互い強くなろうという志しのある人達が集まった、何故かはあまりわからないが、あいつらも仲良くなった、恐らく不知火先生がやってくれたのだろう。


6年たった。


中学校の入学式、元々いた友達は半数以下に減っていた、出ていった友達は世界各国に派遣されて行った。


また、友達を失ったと思った、だけど。


「中学校も、一緒だな!今後もよろしくな!」


あいつは優しく私にそう言った。




現在、全国のウィザードは23番島に集結した。







「懐かしい夢だ…」

今となっては懐かしい良き思い出だ。

時間は7時半、8時までに準備を終わらそうと起き上がる。

そして機関の制服に着替え(と言っても学校の物と同じ)下の階へ降り洗面所へ行きリビングへ入る、そして冷蔵庫の中の物を見て考える。

「今日は普通に目玉焼きとパンでいいかな」

そして慣れた手つきでいつもの料理を作り、それを食べながら朝のニュースを見て天気に問題を無いことを確認して、食器を洗ってから、荷物を取りに部屋へ一旦戻った。


私の朝は寂しいが、温もりを少しだけ感じる、それは隣から聞こえる小癒姫と真郷のたまに聞こえる朝の喧嘩だ。

それが聞こえる度に私は1人では無いと感じる。

だが今日は聞こえない、だが、代わりに窓からカーテンの閉まっている真郷の部屋が見える。

「あいつ、まだ寝てるのか…」

と、思った時カーテンが開いた、そして目が合った。

「あっ…」

向こうが手を振ってくる、すこし戸惑ったがこちらも手を振り返す。

「(あんな夢を見た後だと恥ずかしいな…)」

と今日も平和だなと思いながら出かける準備を進めたのであった。



◇ ◇ ◇


「煉華も起きたか、おれも早く準備しないと…」

とりあえず会社に行く気持ちと同じ方がいいと思い(行ったことないけど)制服着替えて洗面所に寄ってからリビングへ行く。

「おはよー、っていないのか朝飯どうしようかな…」

食わないで行くか…?

と、そんな事を思った時チャイムがなった。

「はーい」

『ちょっとー!まだなの?』

「今、飯を食うか食わないか迷ってた所」

『はぁ…やっぱりそうなってたのね…私が作るわ開けて』

「入ってきていいよ、鍵持ってんだろ?」

『それでも普通開けるでしょ...』


「お邪魔しまーす」

「邪魔じゃなーい」

煉華がリビングに入ってきた、俺はテレビを見ながら適当に受け答えをした。

「なにがあるかなー、って…」

「ん、どうした」

「これ」

「ん?」

煉華が冷蔵庫から取り出したのはメモ。

【煉華さんへ、うちの駄目兄が朝ご飯を作れなくてごめんね、こんな駄目兄ですが犬の餌程度に、何かつくってあげてください、お願いします】

「あいつエスパーか!もしかしてこれも魔術?!」

「そんなわけないでしょ....、たしかにそんなのもあっても不思議じゃないけど、小癒姫がこんなのにつかわないし、多分長年の予想よ」

「伊達に16年妹やってねぇな」

「朝は何がいい?」

「和食」

「贅沢ね…」

「これでも和は好きでね」

「いいわよ、ちょっと待ってて」

そんなこんなで現在7時55分。

「できたよー、時間ないから早くしてね」

「はいよ、うぉっすげぇな…」

机の上には、玉子焼き焼き魚ご飯味噌汁というthe和食な物がたくさん並んでいた。

「なによ、作れって言ったの真郷じゃない」

「まっさか本当に作るとは、嫁に貰いたいな」

「!!!な、何言ってるのよ」

「ははっ、冗談だよ」

「っ!…あなたねぇ…」

「え?」

煉華の拳に炎が纏う。

「ちょちょ待って!」


結局暴行は加えられなかったが、暑い部屋の中で朝飯を食うことになってしまった。

そして、怒る煉華を横に本部へ向かうのだった。


基地までは歩いて20分かかるのでバスで行くことにした。

『つぎはー、23番島自衛隊基地第一入口です』

「こんなところ来たことないな…」

「あなた昨日来たでしょ」

「いや暗かったし、リエルについて行くので必死であんまり覚えて…」

「へぇ…(本当にリエルって何者なんだ…)」

そうして、バスは停留所に止まる。

俺らと共にバスに乗っていた20人ちょっとの人達のほとんどがそこで降りた。

「これ全部あの不思議な組織の人なのか?」

「いいや、ただの自衛隊職員もいるわよ、って言ってもここに派遣されてる自衛官はみんな大体の事は知ってるのでしょうけどね、あ、魔術機関と自衛隊は全く別の組織よ?」

「え?そうなの?自衛隊の一つの部署かと思った」

「んー、まぁ惜しいわね、防衛省に密かに作られた秘密組織と思ってくれればいいわ、そして機関にいる自衛官は自衛隊の特殊魔道部隊として派遣されてる人が、非戦闘員、まぁ解析官とか色々な事務の仕事として派遣されてる人のどっちかね、まぁ司令に聞くのが早いでしょう」

「むずかしいんだな…」

「理解すれば簡単よ」

そうして検問所に差し掛かる。

「おはようございます!煉華第一特佐」

「え?」

他の人は首に掛けた会員証を検問検査員に見せていたが、煉華と俺は何もせずに入れた、というより。

「お、お前…特佐って…」

「えぇ、陸佐とか海佐のあれよ、それの上から3番目」

「えぇぇ!?」

「そんな驚くこと無いわよ…」

「いや、驚くよ!いつから!?」

「級自体取ったのは3歳からだったかな?」

「…まじかよ」

「まじよ」

となんだかんだ言っている間に本部前広場についた、昨日の戦闘跡は消えていた。

「うぉぉ…昨日は夜だったからよく分からなかったけど、改めて見るとでかいなぁ…」

「っていっても30階よ、横のは東京ドームと同じ位だし」

「いや十分でかいわ」

「入るよー」

「うい」

2重の自動ドアと通り抜けると、ホテルのエントランスの様な空間が広がっていた。

「ホテルかここは?!」

「まぁ、ちょっと変だけど、会社だと思えば問題無いわよ」

天井にはシャンデリアが2つ、入口正面には受付、奥の方にはカフェまである。

「こっちよ」

煉華はカフェと受付の間の大通路に入っていった、そこには10機のエレベーターが並んでいた。

「多っ!」

「…まぁね、なんせ30階建てですから」

「ひぇぇぇ…」

煉華がボタンを押してエレベーターが来るのを待つ。

しばらくの沈黙、もちろん聞きたいことはあるのだが、ありすぎて何も話題がでない。

「そんな緊張しなくていいわよ、司令優しいから!」

「そ、そういうわけじゃ…」

チーン

「のるよー」

「おう」

エレベーターの個室に入ると煉華は30階を押した。

「やっぱり30なのか…」

「30ね、耳やられるから耳抜きしてなさい」

「おう」

「あ!特急でいく?」

「え?…(嫌な予感)」

「凄いのよ!ここの特急!やって見ましょうか」

すると煉華が胸ポケットからカードを取り出し階のボタンの上の方にあるicと書かれた機械に当てる、すると。

『煉華様、いかがいたしましたでしょうか?』

と、機械の声が聞こえた。

「特急でいって!」

「まじで行くのか…」

『了解しました、衝撃に備えてください。カウントダウン3.2.1…』

「くるよ!!」

「……え?…」

ドン!

「うがっ…!」

俺は思いっきり地面に叩きつけられた。

「は、ははっ、そんなんでへばってるなんて…ま、まだまだね…」

煉華は膝を折りながらも何とか立っていた。

「お前だって…きつそうじゃないか…」

「う、うるさいわよっ…くるよ!」

「こ、今度はなっ…」

体が浮いた。

「?」

一瞬わけが分からなかった。

チーン

「いってぇぇ!!」

地面に叩きつけられた(2回目)

「行くわよ」

「ふ、ふざけ…いてぇ…」

なんとか立ち上がり煉華について行く、エレベーターから出ていこうとした所で。

『お疲れ様でした真郷様』

「へいへい…って、え?」

その時にはもうエレベーターは下に降りていた。

「彼女は人工知能よ、だからこの建物に入った時名前住所趣味色々調べて、呼びかけた時色々な対応をしてくれるの」

「それはまぁ…進化したなぁ…」

「これは魔法とは何にも関係ないんだけどね」

「にしても何であんなのしたんだ?」

「あなたにこの機能を知っといて貰うためよ」

「?」

「まぁ、そのうち分かるわ、多分」

「多分って…」

「ついたわよ」

と、静かな赤絨毯の道を進んでいった所に「執務室」と書かれた部屋があった。

煉華がノックをした。

「はいっていいよ〜」

「失礼します」

「お、おじゃまします」

すると校長は執務椅子らしき所にはいなく、ソファで横になっていた。

「どうしたんですか?」

「んー…眠くてねぇ…まぁいいやこっちに座ってー」

「はい」

俺たちは校長が座っている正面の2人がけのソファに座った。

「さて、何から聞きたい?」

「…え、全部…」

「あははは!そうだよねぇ、あははは!ごめんごめん…」

「司令…あまり真郷をいじめないであげてください…」

「おっと、すまない。ちょっといじめたくなってね?じゃあ私の事から話そうか」

「お願いします…校長」

「あぁ、そうだね私は校長だ、だけど今は違う私は司令官だ」

「…なにの、司令なんですか?」

俺は何となく想像はつくが聞いてみた。

「ここ、23番島魔術機関特別前線本部の、だ」

「つまり、ここで一番偉いってこと」

煉華が付けてして言ってきた。

「え?この建物で?」

「あぁ、そうだ」

こんな人が校長をやってるだけでもびっくりなのにさらにこんな大企業の会社みたいな所の社長みたいな存在と言われ一瞬思考が停止した。

「あ、じゃあ白夜教頭は?」

「彼は副司令さ、って言っても私に何か用がない限りやる事は無いから、主に学園の仕事をやってもらっているのさ」

「へー…」

「それだけかい?」

「あ、いえいえまだ全然…じゃあ、あの力は何なんですか?俺にも使えましたけど…」

「あれは魔法だよ」

「へー…(ってならんわ)じゃああの襲ってきた人達は?」

「暴力団」

「最近の暴力団は進化してるんですね…」

「そんなわけないだろう、と言うか一番気になっている事を言えばいいじゃないか」

「うっ…じゃあ聞きます、何で…何で俺の父親が襲ってきたんですか?」

「明確な証拠はないが、15年前この世に現れた異界存在のリーダー、向こうでは閣下と呼ばれているそうだ、そいてそいつらは日本に攻め込んだ、それだけだ」

「…っ、そんな…そんなの信じられるわけ…」

「でも、君たちを殺そうとした」

「っ!……もっと詳しく教えてくれませんか?」

「どんな事を?」

「じゃあ…時系列順で最初から今まで…」

「良いだろう、ちょっと長くなるよ?」

「大丈夫です」

「わかった、まず2020年この建物の横にあるドーム、と言っても当時ここは海の上だが…で、そこに門、異界との境目があらわれた。そしてそこから現れたのがベトナシュ帝国だ、ここまではいいかい?」

「…はい」

いきなり今まで聞いたことも無いことをいわれながらも何とか与えられた情報を処理する。

「ベトナシュ帝国は現れてからものすごい速さで辺りの海域を占拠したんだ」

「?、海の上に現れたんですよね?その帝国ってのには翼でもはえてるんですか?」

「そんなわけないさ、いるかもしれないが確認した中にはそんなのはいない。魔法だよ、やつらは海上に巨大な魔法陣を張ったその魔法陣の効果は空気中にある魔力原子の分子を結集させ結晶化する、そしてその下に浮遊魔法陣を貼り陸上を作ったんだ、いきなり言ったから混乱してしまうかな?」

「い、いや大丈夫です続けて下さい」

「えーっとどこから…あぁ占拠のとこだ、帝国はここの海域の周辺にあった海上軍事基地を襲撃して占拠、そこを陣地とした。しかし帝国は空に留まる力は持ってても飛ぶ力は持ってなかった、だから日本本土には襲って来なかった。それを好機と見た日本政府はここの海域の奪還作戦を実行した、しかし敵の方が断然強くて艦隊は壊滅、戻ってきたのは極わずかな人だけだ。で敵さん今度はドラゴンを召喚して本土にせめてきたんだ」

「はぁ…」

召喚とか言われてもよく分からないが…

「(ん?)」

煉華の顔が少しづつ険しくなっていっていた。

「で、その軍隊を迎え撃つためにまた艦隊を編成したんだが、どうなったと思う?」

「普通なら負けますよね…でも今日本は何とも無いんですから勝ったのでは…?」

「その通り!その時台風がちょうど東京上空を通ってね、その事もあって勝てたんだ、まぁ煉華が一番の勝った理由だがね」

不知火司令がニヤけた。

「はぁ…やっぱり言うんですか…」

煉華がため息をつきながらそう言った。

「言うさ!そのために来てもらったんだ」

「煉華が理由ってどういう事ですか?…」

「煉華がね…敵の大隊をぶっ潰したんだ!」

「あー…言っちゃった…」

「まじで?」

「まじだよ」

「でもどうやって?」

「うん、そうだよね。次は魔法の話しをしようか」

煉華の顔が更に険しく、と言うよりちょっと暗くなった。

「真郷君、こっちの人間は魔法を使えると思うかい?」

「いや…つかえたらとっくに魔法の歴史が作られてると思います…」

「その通り!昔はあったとか言われてるけど、今はどうなのか分からない。と言うか日常生活に魔法なんてないだろう?つまりこっちの人間には魔法はつかえない、でも向こうの世界の人は使えるこの違いはなんだと思うかい?」

「身体的な問題…ですか?」

「その通り!向こうの世界の人には魔術経路という神経と似たとような物が生まれた時からあるんだ」

「え?じゃあ俺と煉華は向こうの…」

「そーれーは違う、まぁ話を最後まで聞きたまえ、そんなに急ぐ理由でもあるのかい?」

「い、いや…」

「まぁいい、煉華苦しかったらしばらく別室にいていいよ」

「え?」

俺が横を見るとさっきよりも苦しそうにしている煉華がいた。

「い、いえ大丈夫です…」

「分かった、じゃあ続ける。まず前提としてだが煉華が敵を殲滅する前に1回か奪還作戦はあってね、最初は日本だけで駄目だったから同盟国に協力してもらって超大規模の作戦をやったんだが、まぁ失敗したけどその時にね敵の捕虜を手に入れる事が出来たんだ、そしてそいつらを研究して魔法の仕組みを暴いた、そして研究者は、と言うかもとより国の依頼だったんだがね、『魔法が使える人間を作れ』ってね、だから研究者たちは魔術経路を移植したんだ、だが魔術経路と神経は植物が絡まるようになっていてね、取り出すのも大変だし、移植するのも大変なんだ、頭とか特に。でも被検体がいないんだ、法律でクローンは駄目だし、だから研究者たちは研究者たちの子供を使ったんだ、けど上手くは行かなかった、成功したのは1人だけ、その1人が彼女煉華というわけだ。子供たちは研究所にある保育所に預けられていた、煉華も友達がたくさんいた、けど1人になった、だから煉華はちょっと…ね…」

「司令…大丈夫です、真郷…これが私の正体よ、私は他の友達を犠牲にして助かった唯一の存在…だから私は戦うの…」

「…そうだったのか。ん、でもその保育所って俺もいたよな。そんな一気に消えたか?」

「全員研究者の子供ではなかったのよ…あなたみたいに近くに住んでいたから預けていたっていう人もいたの、というかそっちの割合のほうが多かったわね、当時は預ける場所少なかったら。」

「なるほど、じゃあ俺といつも一緒にいたのは?」

「あぁそれは私から話すよ、実は煉華にもあまり言ってないんだ、えっとね、まず戦いのほう先に終わらせていいかい?」

「大丈夫です」

「えー、煉華が敵を倒した所からだよね。ぞもそも何だけど、敵さんとは何回かお話したんだ、不思議だったよー、なんせ総理のとこに変な鳥がきて『お手紙ー!』っていって、紙を置いたそうなんだ。」

「(なんだそれ…)」

「そして総理も手紙をかいて鳥に渡したら飛んでいってそれで話していたんだが、ある日最後に書かれている名前が変わったそうなんだ、その手紙には『皇帝は殺した今日より私が皇帝だ、よろしく』とかまぁ色々書いてあったらしいよ、でそこの最後に書いてあった名前が当時第2陸佐の瑞翔 努弩鬼(どどき)だったそうだ、ちなみに努弩鬼はこの時から行方不明だ。」

「な…そんな、それが俺の父の…父なんですか…?」

「そうだ、そして話は戻るが煉華が敵を撃退した後、敵は撤退そして門は消えた。さいごに総理の所には2035年またくるという手紙が来たそうだ。これで今に至るという事だ。それでは煉華がなぜ真郷と一緒にいるのかを話そうか、ちなみにこれは煉華も知らない事も含まれてる、2人ともしっかり聞けよ」

「まず、私達国は真郷、お前の母親を監視していた、そしてその監視役が煉華の両親というわけだ。」

「なんで母を?…」

「それはね、君の…いやこれは直接言うって約束だったな、すまない真郷それは本人から聞いてくれ。ともかく国は君の母を監視していてその後継者として煉華が真郷を監視していると言う訳だ。」

「な、なるほど…ちなみに煉華はどこを知らなかったんだ?」

「私達の親の世代からってことね…」

「なるほど」

「言う事はこのくらいだ、後は君の母に聞きたまえよ」

「…でも今出張だから」

「かえってこないよ」

「え?」

「君のお母さんはこの1件が、終わるまで帰ってこない」

「ど、どういうことだっ!」

「いったろ?直接きけと、私が合わせてやる、まぁその為にはリエルの力が必要なんだが」

「!」

「そ、そうだ!リエル、リエルって何者なんだ?!」

煉華と俺が同時に反応した。

「まぁまあそんな興奮しなさんな、本人きてるよ。入ってきて」

「失礼します…」

すると部屋の入口から頭に、包帯をまいた少女、リエルが入ってきた。

「司令、見せたいものがあるって…」

「あぁ、そこにすわって」

「あ、まさとー、寂しかったこれからまた一緒、守る」

「えー…」

頭が混乱する、昨日はキリッとしていたリエルが今日は犬みたいに甘えてきた。

「あはは、記憶を無くしても性格は変わらないのだな!」

「記憶…?」

「まぁ話すよ、リエルちょっとまっててね」

そう司令は言うと席から立ち上がり机の上にあったノートパソコンを取りリエルの前に置いた。

「リエル、リエルから伝言だ。あ、きみたちも見ていいよ」

「あ、はい」

「じゃあ、再生するよ」

『やっほー!見てる?まぁこれを見てるって事はそうなったんだよね。リエル、あなたの任務は真郷を守る事、それは多分私でも残してると思う。それであなたはね昔滅んだ大国の姫様の血の後継者なの!で!その血筋の者は記憶を引き継ぐ事が出来るの、っていっても意識までは移らないから母親が死んだらその魂はどっかいくんだけどね、つまり今の私には5000年前の記憶があるの、だけどそれは私のじゃない、まぁいいわ。

それでその王家の血の者は自分の正体を隠さないと行けないんだけどね、隠す理由が強い力をもってるからなの、それでいつか世界が大変な事になった時救うって感じ、なんだけど働くにも働くところ無くて…それでね森で食料探してたらモンスターに襲われちゃって…そこで助けてくれたのが、アルデバラン大陸唯一の大国、ソルティナ大国の姫君アルフィリア・ユピティリア・ソルティナ王女よ、王女は散歩だったそうよ、でも私そこで倒れちゃってね、起きたらお城のなかだったの、で何かお礼出来るかって聞いたら、瑞翔 真郷を助けてくれって言われたの。』

「え?俺?」

「でなんだけど、瑞翔って聞いてね。私代々言われていた事があるの、瑞翔を助けてと言われたら助けなればならない…と、」

「なんで俺の家だけ?」

「しっ!ちょっと黙ってなさい!」

「…」

「だから、私は助けるの、真郷を、でもそんな記憶が取得の私達は記憶を代償に色んな力を使えるの、これを見てるってことは使ったわけだ。だけどこの力は迷わず使って欲しい、今の所私の頭の中にはどうでもいいような記憶しかないし。まぁ女王様にはこのこと言ってあるから女王さまによろしく!ばいばい!」

「以上リエルからリエル宛にでした。はいじゃあ仕事だよ、リエルさっき研究所から渡された因子で門の発生方法の仕組みはわかった?」

「問題ない」

「よし行こう!ソルティナ王国に!」

「え?」

「え?」

煉華と俺が同時に反応した。

「母に合わせてくれるんじゃないのかよ!」

「まぁまぁ来たまえよ」

「いきましょう…」

「お、おう…」



私達は屋上に出た、そこには最新型の軍事航空機の両翼プロペラ可動式飛行機があった。

「よしいこう!乗って!」

「え、えー…」

「真郷!早く!こいつプロペラ回り始めたら直ぐ飛ぶわよ!」

「えー」

こんな建物の屋上にこんなメカがあったとは思わなかった。


思ったより音は少なかった、会話はちょっと声を大きくする位で聞こえた。

「どこに向かってるんですか?」

「東京ドーム」

「えー…まさかの島からでるって事ですか?」

「でなきゃこんなの使わないでしょ?」

「…で、何で東京ドームに?」

「門ってのは発現させる場所がそのまま向こうに行くの、つまりここのドームから門を出すと敵地って事もありえるのよ」

「それでなぜ…?」

「あのばか…じゃなくて…あの姫様ね日本にいてね、ちょっと前まで、でも国を任してあるから私も行かないとって、向こうに帰っちゃったの」

「その人も門を作る力を?」

「えぇ、持っていたわね。で最後に消えたのが東京ドームなの、あそこの警備なんて魔法使えばなんて事無いしね」

「だからそこに行くと?」

「そう、多分ソルティナはそこから行った。向こうがどうなってるか、と言うか日本政府が向こうの世界に行くのは今日は初となるわ」

「え?今日いくの?」

「いくわよ」

「はぁ…なんとなく予想は出来たけど…」

煉華がため息をついた。

「もぅ!くらいよみんな!」

「(校長…じゃなくて司令は元気だなぁ…)」

「あと少しでつくよ」

「え?」

外を見てみると、この機体ものすごいスピードで飛んでいた、一つの島があっという間に消えてゆく。

「(は、話してて気づかなかったけど…は、速っ!)」

「向こうには既に班を組んだ少数精鋭班がいるわ、今回の救護班は最近何かとあなた達と仲良くしてる癒姫に来てもらってるよ、他の人達は私が選抜した戦闘員5人と真郷の知り合いもいた方がいいと思って日比斗に来てもらってる。この合計10人で行くぞ。」



◇ ◇ ◇


機体は東京ドームの横のビルに止まり降りると、知ってる顔知らない顔が揃っていた。

「やぁ、待ったかい?」

「いえ、問題ありません。」

「だ、だれ?」

煉華に聞いた。

「あ、じゃあ、自己紹介しようか!」

司令が元気よく言った。

その場にいた10人が一斉に嫌な顔をした。

「じゃあ私から!私は東京魔術機関司令の不知火 風華だ!よろしく!じゃあ次煉華!」

「え?!わ、私?えーっとNo.1浄志 煉華よ。改めてよろしく!」

「じゃあ次癒姫!」

司令がそう言うと癒姫が肩をビクッと震わせた。

「わ、わたしっ!?えっとNo.24如月 癒姫です!皆さんの事守ります!」

「次真郷!」

「(やっぱり来た…)瑞翔 真郷です。なんだかよくわからないですけど…よろしく…」

「次!蘇龍!」

「No.3、小真崎 蘇龍だ。これからまたよろしく」

「次!學備場!」

「No.4、學備場 学美です、これからよろしくお願い致します」

「じゃあ次、リエル!」

「リエル・ニアスケイト・ロミルシア、皆さん初めまして。向こうの世界の人ですが信頼してもらえると助かる」

「次!日比斗!」

「おぅ!No.15西風 日比斗だ!よろしく!」

「次!立花!」

「はい!No.2、立花 暉懐です、皆さんしばらくよろしくおねがいしますね」

「(えー!生徒会長も機関のー!?ま、まじかよ…もしかして学校の皆も…?)」

「最後!瓜生!」

「あぁ…No.5、瓜生(うりゅう) 雷徒(らいと)だ…まぁ…よろしく…」

「(なんか感じわりぃな…)」

「はい!じゃあこの10人で日本初の異世界へと出撃!しましょうか!」

やけに司令がハイテンション。



ドームへ向かう途中。

「真郷、怒ってるか?俺がこんな事黙ってたの…」

日比斗がらしくないような心配した顔で俺に聞いてきた。

「そんなわけなんだろ、もう1年ものだちだろ?こんな事で怒らねぇよ、ってか言われても信じなかっただろうし、でもまさか日本が異世界と戦ってたなんて…びっくりだよ」

「はは、もううちらにとっては当たり前なんだけどな」

「そう言えば、お前らはなんでこの…なんての?魔法使い?ってのになったんだ?」

「ウィザードな、俺らの親は自衛官だった、あいつらに殺されたんだ。俺らはな親を殺されて施設に送られる予定だったんだ、だけどそこに不知火司令がきて私の所で働かないか?ってね、それで俺らはここにいるんだ。煉華は別だけど」

「もしかして煉華と日比斗が仲が悪いのはそのせいか?」

「んー、まぁそれもあるけどね、どちらかというと昔あいつと喧嘩しちゃってな…もうお互い忘れてるような時期だけど、昔から仲悪かったからなんか…自然とな。」

「まさかそれって…お前どこ小だった?」

「え?国立防衛庁隣接小学校だけど?」

国立防衛庁隣接小学校とは大学まである学校で小学校から入れば大学までよっぽどの事がない限りエスカレーターで行けると言う学校で、卒業すれば防衛庁に関係する仕事に付きやすくなる(防衛庁関係職就職率98%)というものだった。

俺はそこの小学校に入る事が出来た、と言うかそこの近くの高層マンションに住んでいたからなんとなく受けてなんとなく合格したのだが、(親に「国家公務員って儲かるらしいわよ!これはもう真郷入りなさい!」って言われたのもあるが)

「ぇ、俺もそこだった…」

「ぇ?…お、お前まさかあの時煉華を止めて俺らに切れた…?」

「うん…」

「えぇぇえ!!??」

「うぇぇぇ?!!」

「「「「「「「「うるせぇ…」」」」」」」」

「俺らむかしからお互いのこと知ってる関係だったんだな…」

「な…でもあの煉華を止めたって事は相当頼りになるな!」

「(キリッ…)」

煉華が睨んできた。

「「ひっ…」」

「ドームのなか入るぞー、みんな回る扉からはいってー」

一人づつ扉にはいっていき、さいごに俺が入った。

そこにはテレビてしか見たことが無い野球場があった。

「広いな…」

俺らは観客席の階段を降りてゆき芝生に足を踏み込んだ、そしてセンターと一塁の間に立った。

「そう言えば、シーズン大丈夫なんですか?」

あまり野球には興味は無いが、ニュースとかで、やっているから今がシーズンなのは分かる。

「あぁ、大丈夫だ。国の権限ってやつで他のとこにしてもらったよ」

「ふぇぇ…」

「ちなみにここの警備も大丈夫だよ、ここの周辺のビルからこのドームは360度監視されてるから」

「ぇ…」

いまここに入ってくるとき誰かに見られていたと思うと肩がゾッとした。

「よし!みんな準備はいいかい?」

みなそれぞれ頷く、接近戦闘用の手袋をするもの、二丁拳銃を持つ者、突っ立ってオドオドするもの、ぶっちゃけなるようになれと思ってる者(俺)、日本刀を持つ者、ライフルを持つもの、左腕に複数の魔法陣を作る者、マシンガンを持つ者、薙刀を持つ者、アサルトライフルを持つ者、みなそれぞれの装備を付けていた。

「い、いつの間に…」

「ずっと持ってたけど、他の人に見つかったらやばいから私が見えない様にしてたのよ」

煉華が得意気にそう言った。

「へー…」

「いいか!姫はここからこっちの世界に来たが、向こうがどうなってるかは私にもわからない!海かもしれないし、空かもしれない!陸でも戦場かもしれない!海の上の場合は凍結魔法を使える者が一斉にやれ!空の場合はリエルが何とかする!戦場の場合は全員固まって戦闘態勢に入れ!救護係は煉華につけ!真郷!お前は煉華と一緒にいろ、空だったら嫌だから手繋いでろ!以上!各自健闘を祈る!リエル、頼む…」

「了解…」

リエルが目を閉じ長い詠唱を始めた、現場に緊張が走る。

「(えー、まじて煉華と手繋ぐのかよー、ん?)」

そこには頬を赤らめた煉華が手を差し伸べていた。

「っ…早く」

「お、おう…」

煉華と俺は手を繋いだ。

次第に目の前の空間に黒い穴が現れ、広がり始めた、その穴はサッカーのゴールくらいの大きさになった。

「終わった」

「よし…一斉に!突入!!!!!」

一斉に10人が走り始める。


そのむこうにまっていた物は何だったのか…この時、だれも知るものはいなかった。



そして真郷が異世界に行ったことにより二つの世界は歪み始めるのであった。

To be continued…


感想などよろしくお願いします!

それではまた次回。

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