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「東京魔術機関−東京ウィザードエイジェンシーー」  作者: 覇鵺躬 燈桜衛紋
第1章
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第1話「23番島本部陥落」

第1話、公開です。

少し短いですが楽しんでいってください!

やはり、朝と言うものは、来て欲しいものだが来てほしく無いと思う、ほとんどのこの社会に生きている人間なら誰しもがそう思うのではないだろうか。

 しかし今日は違う、今日は待ちに待った高校二年目の一学期の終業式なのである。

 どこか気の浮いた状態で重い上体を起こす、なかなか複雑な心境だ、しかし今日は目覚まし時計を使わず自然に起きたので、まあ、良い事にしよ……

「嘘だろ……」

なぜ、人とはこう言った大事な時にドジをしてしまうのだろうか。

「そんな事考えてる暇ねぇな……ああ!もう!」

そう言って頬を叩き、眠気を覚ます、結構痛かった。

ここからの行動はもういつも通りである、着替えて、洗面所にいき、その後リビングに行くと言った感じである。

 「おはようお兄ちゃん、随分おそいお目覚めだね」

 寝起きの俺をからかうように言ってきた。

「お前が起こしてくれなかったのが悪いんだろ!」

「あー、そういうこと言っていいのー?せっかく朝ご飯作ってあげたのにー、私食べちゃおっかなー」

「え?母さんは?」

「おかんは昨日から出張だよ、覚えてないのー?ばかだなー」

 妹に馬鹿にされた。

「むぐぐ……」

確かに言われて思い出した。

やや心に、妹から馬鹿と言われた傷を隠しながら、妹の対して上手くないもやし炒めを食べるのであった。

「ひもじい……」

「何か言ったー?」

 「いえ何でもないですぅー、ものすごく美味しいですこのもやし炒め(棒読み)」

 「え!?本当?良かったー、お兄ちゃんによろこんでもらえて」

 「ん?なんて?」

「?!な、何でもないよー!じゃあ、私合宿行ってくるからちゃんとご飯食べてねー、ばいばーい!」

そう言って、俺のたった1人の妹は出て行ってしまった、そう言えば妹の合宿の事もついさっきまで忘れていた。

早くも夏休み気分で浮かれていたのかもしれない。

「俺も早く食って行かないと」

そう言って妹が家を出た五分後大急ぎで家をでたのであった。


ここで自分の家について話をしよう、

俺は「瑞翔 真郷」ごく普通の高2である、彼女いないし、勉強も得意と言うわけでもないし、とびぬけて何かが得意と言うわけでもない、周りからしたらただのモブキャラだろう。

そして、さっき俺の事を馬鹿にし、外出したのが2つ下の妹「瑞翔 小癒希(こゆき)」である、妹は弓道部に入っていて、中学の主将をやっている、だが気の抜けたやつで兄からするとあんなのが主将だと聞くと心配でならない。

俺の家はシングルマザーで、母は俺たちの為にずっと働いてくれている、俺がバイトをしようとしても、「あなたは学生なんだから、ちゃんと遊んで勉強をしてなさい」と、止められてしまう、そして先ほども言った通り、母は昨日からしばらく出張である。

父は16年前から行方不明だ、だが母はそれ以上父について教えてくれない。

そして私たちが住んでいるここは、東京の小笠原諸島に5年前新しく作られた人工島「23番島」である。

だが昔は本土の東京に住んでいた、なぜかは知らないが、母が、ここ23番島が出来ると知った途端、ここに引っ越すと言ったのだ、だがここ23番島は15年前建設途中、原因不明の大爆発を起こして、多数の死者が出た少し不気味でもある島なのだ、まあそのおかげで物件も安く済んだのだから、今となっては気にしていないが。

5年前引っ越して来た当初は学校など大変であったが、周りの人も似たような境遇だったのですぐに友達ができた、もとより開校式もとい入学式初日から腐れ縁のダチがいたのだが……、まあそのうちわかることだ。

もう15年もたっているので、気にならなくなったがうちの両親は色々と謎が多いい、昔両親のことについて聞いた時母は「いつか絶対におしえるから、我慢して」と悲しそうに言っていた、母は俺らのために頑張っているし、生活にも不便はしていないから、それ以来両親のことについて聞いて無い。

まず俺の周辺のことはこれくらいだろう、また話すことがあればその時に語るとしよう。


何気なく普通に登校、だが今日は3時間で学校が終わるし、何より夏休みが始まる事もあり、浮かれていた俺に災難が起こる。

「(夏休み何しようかな……)んー……、うがぁっ‼」

曲がり角に差し掛かった所で、50㎏はあるはずの俺の体が軽々と空に飛んだ、

そしてさらに地面に落ちる衝撃で追い打ちを受けた。

「っ、……、い、いてぇ、ぁったくなにすんだ!…よ……」

なんとそこにいたのは、とても俺をふっ飛ばしたとは思えない、小柄な女の子だった、しかしうちの制服を着ていたのでうちの学校の生徒だとは思うのだが、こんな子見たことがない。

「す、すいません‼急いでいるので失礼します‼」

小柄な少女は走って学校の方へ行ってしまった。

「朝っぱらからついてないわね真郷、あぁいうやからは私にまかしといて。ほらさっさと立ちなさい」

「あぁ、ありがとう、しっかしあんなやつうちにいたか?」

「いや、いないわ、恐らく中学生でしょう」

「お、俺は中学生に吹っ飛ばされたのか……」

「もっと鍛えないとダメね」

「るっせぇ」

と、なんだかんだでさっきから話しているこいつは俺の幼馴染みで風紀委員長の「浄志 煉華」である、見た目は黒髪で髪を腰までおろし、目はキリッとしていて瞳は赤い、身長は俺と同じくらいで160cm後半くらいだ。


そんなこんなでうちの通っている学校、都立23番島「聖鳳(せいほう)学園高校」の前まで来た。

うちの学校、というか俺らが住んでいるこの島は幼稚園から大学院まである、そしてその全てがエスカレーター式でもちろん同じ学校名なので制服が同じなのである、そして幼稚園と小学校は島の南側、中学校と高等学校は島の東側、大学と大学院は島の北側にある、今まで作られた人工島の中では最大級の学園都市と言われている、しかし、大人の人たちも負けてはおらず、オフィス街も相当な物となっている。

オフィス街は島の中心にある高さ1000mの電波塔2025-23通称「新見(にいみ)塔」から広がっており塔の周辺から外に行くにつれ住宅街が増えて行くといった感じである、南側はずっとオフィス街があり海に面している所には自衛隊基地があるが基地の周辺の建物は全て自衛隊の建物なので簡単に基地を見ることはできないし近づく事も出来ない。

なので衛星写真でしか見ることは出来ない。

まぁ基地の近くに住宅街があっても困るだけなので、島の人たちはなんとも思っていないみたいだ。


「おっす、おはよー…って煉華もいるのか…」

教室に入った所で話しかけてきたのは俺のクラスメイトの「西風 日比斗」、しかし男子の中では一番仲がいいから友達って感覚だが。

「なによ文句あるの?」

「別に…」

何故だかこの2人は仲が悪い、まぁ勝手な想像だが日比斗は多少不良なので風紀委員長の煉華からしたらあまり良くないイメージなのかもしれない。

「もう夏休みだからって騒ぐのは良いがさっさと座れ」

黒板に近い方のドアから入ってきたのは俺らの担任の「千歳(せとせ) 夜素(やず)」先生である、身長は普通で眼鏡をかけていて黒髪で髪は高い位置で一つにまとめている。

丁度千歳先生が教卓について正面を向いた瞬間にチャイムがなった、そう千歳先生は某家政婦の如く時間に物凄く時間に正確なのだ、授業が終わる時も「今日はここまで、各自予習をしておくように」の「に」を言った0.5秒後に毎回チャイムがなる、「に」とチャイムが重ならないようにわざと0.5秒前にしていると考えると恐ろしく思う。

「全員出席だな、それじゃ終業式を始めるので各自体育館へ移動して下さい」

返事するものもいれば、チャイムのなる前にしていた話題を再開させようとすぐさま誰かの席へ向かう者、1人ですぐに体育館向かう者、グループを作って体育館へ向かう者、多種多様である。

「真郷ー、行こうぜー」

「おう」

俺と日比斗の席は近く、俺が教卓から見て右の一番奥で日比斗がその俺の前、ちなみに煉華は俺の横の席だ。


◇◇ ◇


「えー、とりあえず皆怪我せず元気に夏休み明けに会いましょう、宿題はさぼれー、楽しめー、以上!」

なんと今の発言は校長「不知火(しらぬい) 風華(ふうか)」のものだ。

それに対して生徒たちは元気よく返事をする。

「次は教頭先生お願いします」

総司会の生徒会長の「立花(たちばな) 揮懐(きなつ)」が言うと体育館の横側面に設けられている先生席に座っている教頭の「白夜(しろや) 一政(かずまさ)」が立って舞台の上に上がった、とその時。

『(ドンッ)』

気が付くと校長が眠そうにあくびをしていた、教頭と入れ違いになった瞬間校長が勢いよく倒れた、しかも顔面から。

教頭は何事も無かったかのように教卓についた、校長は動かない。

「えー、校長はこんな事を言ってますが、宿題をやらなかった者はぶっ...夏休み明けに補習になりますので、しっかりやって来て下さい、以上です」

返事をするものはいない、しかしそれは決して教頭に対する反抗では無く恐怖から声を出せなかったのである。

教卓から降りると動かない校長の足をもって席に戻った。

「え、えー教頭先生ありがとうございました、皆さんちゃんと宿題やってくださいね…続いて風紀委員長からです浄志さんお願いします」

すると俺の近くに座っていた煉華が返事をし、舞台へ上がった。

「当然の事ですが、夏休みの間は聖鳳学園の生徒という自覚を持って過ごして下さい、本土とは違って、この島にいる未成年は全員聖鳳学園の生徒だと、大人たちは想像してしまいます、誰か1人の行動がこの学校の未来を潰してしまうのです、逆に良いと思う事には積極的に参加して下さい。部活等に入っている生徒は大会など結果を出せるよう精進して下さい。これらの事皆さんなら出来ると信じています、それではまた夏休み会いましょう。」

「浄志さんありがとうございました、生徒会からですがここで言わせて頂きます。皆さん悔いの無い夏休みを過ごして下さい!以上で終業式を終わります1年生から教室に戻って下さい」

毎度毎度この学校の○○式というものには飽きない、開校式兼入学式の時なんてもうまるで世界が変わったようだった、いままでの「校長の話しは退屈」という固定概念は剥がれ落ちた。

そして宿題はちゃんとやろうと思った。

「(煉華しかまともな事言ってる人いいなくね?…)」


◇ ◇ ◇


「さて、校長も言ってたが、やる事やって遊んで寝て元気に二学期あいましょう、以上!各自帰宅して下さい」

「真郷、かえっ…」

そう煉華が言おうとした時。

「真郷ー、これから暇かー?街の方行って遊ぼうぜ!」

「あぁ、いいよ」

ホームルーム後の騒がしい声や音のせいで、俺は煉華の声を聞き取ることができなかった、俺は何か言いたげな煉華に気付く事は出来ずそのまま横を通り過ぎ教室を後にしたのだった。

◇ ◇ ◇


俺が家に戻ったのは日も落ちかけた夕方の6時頃だった。

「(俺の家の前に誰かいる?)あのすいません俺の家に何か用ですか?」

背丈や肩幅などから考えて男であると考えられるが、日が落ちかけていた事から顔をしっかりと目視する事は出来無かった。

「君はこの家の子かい?」

「そうですけど、母なら出張でここにはいませんよ」

「そうか…それは残念だ、なら君でいい」

「えっ?…」

突然の事で俺の脳はそれをすぐに判断すると事は出来なかった、それはただ痛い。

死ぬ…!

直感的にそう思った 顔を痛みのする方へ向ける わからない

ただでさえ痛みでどうにかなりそうな俺の脳はそれを認識出来なかった

「(黒い何かが、…刺している?…)」

そこから血が消えてゆく、次第に貧血のような症状が出て来た、刺されてからどのくらいたったかわからない、10秒程度か1分か、そうして男はその何かを俺の腹から抜いた、俺はそのまま倒れる、がまだ意識はある。

「!…真郷さん!、っ…なんで帝国の人間がここにいるの!」

そこにはどこかのアニメなどに出てきそうな白銀の髪をもった自分より少し歳下くらいの女性だった。

「んー?君は誰だい?見た感じ機関の人間じゃないけど、どちらかと言うとこっちの世界の…そうか!そう言うことか!亡命者か!しかもお前、一国のお嬢様じゃないか!名前はえっーと…」

「リエル・ニアスケイト・ロミルシアよ」

「あーそうだそうだ!で、何しにきた?もしこいつの護衛とかだったら残念だが、もう死ぬよ、亡命者のお前を見つけた時点でもう一人死人が増えるだけだけどな!」

「っ!お願い…私の天使!我を守れ!ディグトール!」

「!お前なぜそんな力を…」

「さぁて、何故でしょうね?そっちの下手な技術よりこっちの方が冴えてるって事よ!」

「愚かな(この力…このまま戦うのはマズイか、今のこいつの魔力も相当だった、他の機関の連中に見つかるのも…)まぁいいまた今度会おう、お互いそっちの方が良いだろう?」

「っ…分かった、さっさと消えなさい」

そうリエルという女が言うと男はどこかへ消えてしまった

「真郷!!うわっ酷い傷思いっきり焼かれたわね」

「…き、きみは?」

「私はリエル・ニアスケイト・ロミルシア、リエルって呼んでいいわよ」

「そうか…リエル…俺は助かるのか?」

「いや無理ね、普通に喋れるけど出血が酷いから段々意識が消えて脈もなくなって死ぬわ」

「そうか…俺は全く何も分からず死んで逝くのか」

「誰が見殺しにするって言ったのよ」

「え?」

「今から回復魔法を使うわ、ちょっとやばいやつだけどね、最後に言っておくわ私はあなたを守る為にここに来た、だから今は守れなかったけどこれからは絶対に守るわ、だから私の事頼んだわよ!」

「え?」

もうさっきから何を言っているのかがわからない、すると段々痛みが和らいで行くのが分かった、それと同時に眠気に襲われ俺は家の前で寝てしまったのであった。


◇ ◇ ◇


「各自帰宅して下さい」

そう言われた煉華の心は揺らいでいた。

「(今日は帝国との停戦終了日、この島も何が起こるかわからない…せめて真郷だけでも家に…家送ればあとは小癒姫が何とかしてくれるだろう)」

「真郷、かえっ…」

その時煉華の耳に付けていた無線イヤホンから、音が流れる。

『緊急事態 緊急事態 23番島本部の門の発生予兆を確認 23番島担当ウィザードは至急本部へ向かって下さい 繰り返します…』

「やっぱり来たわね…真郷!」

その時教室には既に真郷はいなかった。

「あいつ!どこに行ったのよ!頼む何も起こらないで…」



結局本部では門こそ発生したものの敵はせめて来なかった、その後門は自然消滅しウィザードは解散となった。

「おかしい…帝国が今日という日に攻めて来ないなんて…」

「ほら!何やってる煉華さっさと帰れ!今日からまた戦争になるかもしれないんだ」

「はい、先生…でもっ」

「お前が言おうとしている事も分かる、だから今は戻れ、あいつが心配じゃ無いのかぁ?」

「っ!からかわないで下さい!わかりましたよ!帰りますよ!」

「ははっ、それでいい」

「それでは失礼します不知火司令官」

「あぁ… まぁ、女王様の使いを送っているし大丈夫だろう」



家に向かう途中異変を感じた。

「(魔力?なぜこんな市街地で…まさか)」

自分の家の隣、真郷の家の前に2人が倒れていた。

「真郷!」

慌てて2人に近く。

「2人とも脈はしっかりわるわね、それにしてもこの子は…そんな事より早く機関に連絡…こちらNo.1浄志 煉華だ、緊急だ救護班を頼みたい場所は私の家の前だ、あぁ、よろしくたのむ」

煉華は不思議に思った

「(回復魔法の因子?真郷が?いやそんなわけ…じゃあこの少女が?でもこの少女魔力全然無いし…、それになぜ真郷の服に穴が…!っ…こっちは凄い魔力因子、こっちが気持ち悪くなってくる。(これ程の者の手練がこちらの世界に…?いやそれ普通にやばいんじゃ…うん。やばい………)本部!本部!こちらNo.1浄志 煉華!!応答してください!本部!」

応答はない、とその時

「浄志先輩!大丈夫ですか?!」

「あぁ、確か君は…」

「第一救護班、班長のNo.24「如月(きさらぎ) 癒姫(ゆめ)」です!それより本部と連絡が!」

「あぁ、それもなのだが、この2人を頼めるか?」

「あ!すいません!えーっと...」

夢が2人に手をあてる。

「大丈夫…とは言えませんね、真郷さんは大丈夫です。しかしこの女性は魔法が使える人なんですが、魔力がほとんどありませんし、禁術を使った形跡もあります」

「なに?それではこいつは敵なの?」

「いえ、それは無いでしょう。これは回復魔法ですからね、それに真郷さんの傷口と思われる所の魔術因子から魔痕を調べると、この女性のものと一致しません、なので大丈夫です。しかもこの少女が着てる服、機関が今開発中の魔道服の一つですよ…まぁ機関のものであることに変わりはありません」

「なるほど、真郷は大丈夫としてこの子はそのまま何もしなくて大丈夫なの?」

「はい…生死の心配は大丈夫ですが、精神面などのダメージがあるかも知れません、なにせ禁術ですからね」

「そうか…とりあえず真郷の家に運ぼう」

「え?真郷さんの家の鍵持ってるんですか?」

「持ってるが…小癒姫がいるんじゃないのか、こんな騒ぎになってるのに出てこないなんて寝てるか」

「あー、知らないんですね、小癒姫ちゃん今日から合宿ですよ」

「だから家から何も感じないのか…しかしなぜこんな時に」

「司令官が「中学生はちゃんと行ってきて楽しんで〜」って」

「はー…少しの戦力でも欲しいのだけど…」

「私は頼りになりませんか...?」

「いや君治癒系統ウィザードでしょ、そんなことより早く運ぶよ」

「うぅー…はーい…」




真郷と謎の少女を部屋に置いて、本部へ走って向かった。

「それで…な、なんで本部と繋がらないのでしょうかね…」

「わからない…今はひたすら本部に向かうしかない、もしかしたら襲撃されているかもしれない」

「はい!」


◇ ◇ ◇



「ん… 」

気が付くとそこは見慣れた天井だった。

「俺の部屋?」

起き上がると真っ暗な部屋だったが流石に俺の部屋だという事は分かる。

「机の上に…なんだこれ?」

俺の勉強机の上に光る球体あった、興味本位で触れてみる。

「…!!!」

頭に何かが、流れこむ。



『これを見てるってことは起きたのね』

そこには制服姿の煉華が写っていた。

『この島は危ないかもしれない、今からフェリー港に向かっても無理でしょう、外に出る方が危険よ。だから今は家でじっとしていて。あ、それと白銀の髪の少女は君を救ってくれた命の恩人だよ、礼を言っておくのよ。以上。あ!このメッセージを見た後気を付けてよ! 先輩!早く自衛隊からSOSです! あぁ、本部からではないということは、本部はもう…』

そう言ったあと俺の意識は戻った、が、そこ時には俺の体は45度に傾いていた。

「っ…てぇ…」

ベッドの角に頭をぶつけてしまった、ふと机の上を見ると少しづつ球体が空気中に飛散していっていた、すると。

「ドンッ」

隣の妹の部屋から物音がきこえた。

「まったく次から次えと…もう、夏休み初日から…」

とりあえず物音の原因を調べに行く。

「ガチャ」


そこには先ほど俺を助けてくれたと思われる少女が起きた所だった。

「………」

「お、おい、大丈夫か?」

「………あなたは?」

「え?(こいつあの時俺の事真郷って)俺は瑞翔 真郷だけど…」

「瑞翔真郷…私はあなたを守る、それが私に与えられた任務」

「?(喋り方がさっきと違う?)えっと君は?」

「私… 」

「え?」

「私は私」

「君はリエル・ニアスケイト・ロミルシアじゃ無いのか?」

「リエル?良い提案だと思う。ならば私は今からリエル・ニアスケイト・ロミルシア。通称リエル、これからはそう読んでくれ」

「(ま、まさか、記憶喪失?)」

と、その時遠くの方で何かが爆発する音がきこえた。

「な、なんだ!?」

「今のは魔法による戦闘で化学反応が起こり大爆発を起こした事による空間の揺れが…」

「も、もう大丈夫だこれ以上魔法とか言わないでくれ、頭が…」

「脳に損傷が?治療が…」

「あー!大丈夫大丈夫!比喩だ比喩。それより今の爆発がどこからか分かるか?(さっきのメッセージからだとあいつら何が何だか分からんが、自衛隊基地に向かったっぽいし、この島で何か起きてるなら基地に行った方が安全そうだしな)」

「今のは…あっち」

リエルと言う少女は窓のそとを見た、日はほとんど無いがうっすらオレンジ色が空に浮かんでいた、そしてリエルは島の南を指さした。

「!そっちは基地の、くそっ煉華!」

「煉華?煉華…」

「!何か覚えてるのか」

「……煉華…煉華は島の南にいる」

「(もう訳がわからないが、リエルを信じるか)」

「よし基地に向かう、お前はここにいてくれ」

「それは出来ない。真郷の護衛は私に与えられた任務」

「そう…なのか?…(こんな女の子を危険にさらしたくたないが……)じゃあお願いする…」

「任せて」



◇ ◇ ◇


「そ、そんな」

「酷い…」

建物の影に隠れながら本部を見る、そこには明らかに帝国優勢の戦闘が始まっていた、しかし戦闘というにはあまりにも一方的、だがその理由も分かる。

なぜなら招集がかかっていないからだ、そのためウィザードが居なく、帝国の人間は施設を破壊していた。

だが違和感がある、そもそもの話しなのだがこの地球上の人間の顔で多少は国を判断する事は出来るだろう、まして自分の国の顔は。

そう帝国の魔道師の顔は日本人の成り立ちをしていたのだった。

「そんな…なんで!なんで日本国民が帝国の紋章を掲げて本部を襲撃してるんのよ!」

「煉華さん…!落ち着いて」

「あ、あぁごめんなさい…、つい取り乱してしまったわ…」

「しかし…どうしましょう..」

「とりあえず東京の機関本部に連絡しよう、今から応援を要請した所でどうにもならないと思うけど…」

「そうですね...」

「……あ、こちらNo.1浄志 煉華だ」

『!?23番島担当か?!』

「あぁ」

『生存者がいるのか』

「おそらくほとんどの生存者は無事だ」

『そうか、現状を教えてくれ』

「はい、まず1145に門が発生。その後なにも無く帰ったのですが、真郷が日没あたりに何者かによって襲撃されました。それを私が発見し救護班No.24が魔術調査を行ったところ、強力な魔法が検出されました…そして本部の方から爆発音がし、今本部入り口から50m離れた所にいます。…それで本に部帝国兵が襲撃を…」

『なるほど…司令長官に問い合わす。少しまて。』


「どうでした?」

「言うことは言えた」

「そうですか…どうなっちゃうんでしょう私達…」

癒姫が破壊されている本部を見て不安そうに言う、その肩は震えていた。

「大丈夫だ、何とかなる」

「…はい」

すると、通信が入る。

『こちら東京ウィザードエイジェンシー日本本部。23番島担当ウィザードを対象に司令をだす。驚くかも知れないしもう気付いているものもいるかも知れないが、23番島本部が襲撃を受けた。襲撃をしたと思われる者は帝国兵、なぜ門が開いていないのに、なんて考えている暇はない。よって今からNo.1を中心に23番島担当ウィザード150人で本部奪還作戦を展開する。作戦開始は今から10分後だ、至急を要する。間に合わない場合は街中での強化魔法の使用を許可する、だか人目に付くところでは出来るだけ使うな。あとはNo.1に任せる』


「私が司令塔に…」

「浄志先輩なら大丈夫です!」

まるでさっきのお返しをするかのように癒姫が煉華を励ます。

「まぁ、当然か…」

本部前にいた帝国兵と思われる者が臨戦態勢になる。

おそらく敵司令塔はこちらの通信が聞こえているのだろう…

「しかし、これではどうしようも…よし」


『各員に連絡する!こちらNo.1、この通信は敵に筒抜けになっている!!2200に作戦を開始する、こっちはもう死者が出ている。今更止められないが…通信終了!以降の通信を控えよ』

「浄志さん!じ10時まで待ってたらなにも残りませんよ!」

「そんなわけ…今私は今「ここにこい」と言ったではないか」

「ふぇ?」

「やはり、救護班は救護班だな。さっそく来たようだ」



そこに集まったウィザード約60人、なぜ私の場所が分かったのか。それはこいつらが全員同じ学校の者だということだ。

つまり感覚、煉華はこの60人と生まれた時から知り合いだ、いままでは違う学校だったが、一緒の学校になった事でさらに分かり合えるようなった、多少は亀裂があるが。

つまり微小の空気中に漂う魔力因子を感じ取りこれが誰の者かと判断し煉華の元へと集まった訳だ。

「よくあつまってくれた、現時刻2000から23番島本部奪還作戦を開始する、そしてここを前線基地とする、そして作戦は、まず1年が右翼から、2年が中央、3年が左翼から。シンプルだがそれが狙いだ、シンプルに、戦い戦況を停滞させる。その間に各学年成績優秀者が上から5番目までは精鋭班とする、1年はここに残りここを防衛しろ、2年は戦況をみて援護をつまりは遊撃隊だ。3年の先輩方は私と付いてきて欲しい、これ以降のこの場の指揮はNo.24に従え。以上!作戦を実行しろ!」

『はい!!』

「(え?!わ、わたし?)あっ…もう行っちゃった…(うっ!皆の眼差しがっ!..)」


◇ ◇ ◇



何が起こっているのだろうか。

まるでそこはこの世ではないかのよう、そうまるでファンタジーの世界を見ているかのような。

「魔法?のようなもので人が殺しあっている?」

「真郷ここ危ない建物に隠れよう」

となりでは飛んでくる流れ弾を魔弾と言うべきか分からないが、そのようなもので弾き返していた、まるで飛んでくるボールをボールで弾き返すような。

「あ、あぁ。すまない」


「!、もうここまで帝国兵が!?ってえーー!ま、ま、真郷さんが!ゆ、癒姫さーん!」

「な、なんだ…?」

すると建物の奥から少女がでてくる。

「あ!お前朝俺にぶつかってきた!」

「あ!なんで真郷さんがここに?!」

同時

「なんで名前をしってるんだ!!」

「家にいて下さいって言ったじゃないですか!」

同時

「2人とも落ち着いて…」

リエルが間に入る。

「うっ」

「ご、ごめんなさい」

「そ、それより煉華を見なかったか!?」

「…煉華さんならいますよ。あそこに…」

「えっ?」

癒姫という少女は窓の外を指さす。

そこには自分が過去に見た衛星写真などとは全く違う世界が広がっていた。

「あ、あれは」

「あれは東京ウィザードエイジェンシー23番島本部、あの大きい建物が本部で隣接しているドームが敵が現れる門の現れる場所で、敵を向かい打つ決戦場です、って言ってもわからないと思いますけど…」

「と、とにかくあそこにいるんだな」

「は、はい、でもどうするおつもりで?」

「…リエル!行くぞ!」

「うん真郷」

「ちょちょちょ、ど、どこ行くつもりですか!?」

「え?煉華を助けに…」

いま本部は誰がみても「襲撃」と言うような言葉が似合いそうな状況だった、あの中に人がいるとなれば助けに行くと言うのは自然な考え方だった。

「だめですよ!あの戦闘が見えないんですか!?」

「真郷は私が守る」

「え、えー…」

「真郷早く行こう」

「おう」

「ちょちょっと!」

すると他の生徒がいった。

「No.24持ち場を離れないで下さい!私達を置いてくんですか!」

「ご、ごめん!(あの女の子…すごいオーラを感じた…あの子は一体…)」



◇ ◇ ◇



「No.1、私達は今からどこに?」

3年生トップの成績をもつNo.3「小真崎(こまざぎ) 蘇龍(そりゅう)」が煉華にに問う。

「よく、こういった施設には地下から別の入り口があったりしますよね、この本部にもそう言った物があるんです」

3年生トップの彼女がそんな大事な事を知らないのには理由がある。

理由を説明すれば簡単な事で、誰か捕まった時情報が漏れないように大事な情報は各担当のトップの人間が分散して認識しているのだ、ちなみに司令官の不知火司令は全てを知っている。

「なるほど」

合計6人で地下通路を走る、すると電気が消え真っ暗になる。

「うわっ!」

誰が言ったのかはわからないが緊張がその場を制す。

「狼狽えるな、我に光を!」

蘇龍が光をともしなから言うが、煉華は気に止めない。

しかしそれも当然で煉華は透視魔法暗視魔法を同時に使っていた、それは遠くの敵をいち早く認識するためだ。

「電源系統を落とされたな、これで自動侵入自衛システムは機能しない。後は私たちでどうにかするしか無いという事だ。それでなのだが、あくまでも私達は敵を倒す事が目的ではない、司令と副司令と避難したと思われる機関職員の救出です、この地下通路はその避難室の司令室と繋がっている」

「そこを占拠されていたらどうするの?」

眼鏡をかけたいかにも頭脳派の女性、No.4「學備場(まなびば) 学美(まなび)」が言う。

「そうなっていないことを祈りますが、おそらく大丈夫、司令室はそんなヤワじゃないし、対魔法防壁が緊急時もしくは司令室で防壁を操作して閉めることが出来る、物理的にも魔法でも簡単には破れない」

「ならなぜ連絡が…」

「…わからない…あくまでもわたしの説なのだけれど相手は日本国民よ」

「え?」

「どう言う事だ」

「上で戦っている人達は気づいているでしょうね、顔が日系なの、あの帝国兵、だからこっちの技術を使っている可能性があるんだ、そう…例えば電波妨害のような」

「なるほど」

「つきました」

そこには銀行の金庫のような扉があった、そして開く。


「あー煉華ちゃーんが助けにきーてーくーれーたー、私嬉しい♪」

「ふざけないで下さい不知火司令…ほかに人は?」

不知火の顔が変わる。

「残念だけど逃げ遅れて殺されたものもいたわ...たけどいまここにいる職員と戦闘員とウィザードは合計で15人…襲われた時は70人はいたわ…まぁもう仕事が終わりの時間で非戦闘員がほとんどいなかったのが不幸中の幸いね、もしこれが日中だったら被害は10000人にも及んでいたわね、うちの時間通りに来て帰るが功を制したわね、犠牲者には申し訳ないけど…」

「そうですか…とりあえず早く逃げましょう」

「あーうん、先に他のひと運んであげて、こういった時、上のものは残るのが常識でしょ?」

「そ、そうですね、軽はずみなことを言ってしまいました…」

「まぁ気にしない気にしない」

「それでは先輩方避難誘導をお願いします」

「「「「「了解」」」」」

「煉華まだちょっといいか?」

「?、はい」

「今回の襲撃何者によるものだと思う?お前気づいているのではないか?」

「はい…敵が日本国民です…」

「あくまで私の考えだが、あいつら暴力団関係者だ、おそらく買われたのだろう、帝国に」

「っ…そう言うことですか…」

「買われたやつは全員日本の敵だ、やれ」

不知火の目がだんだんと狂気を帯びてくる、仲間を目の前で殺されたからだろう。

「し、承知しました」

さすがの煉華も立花司令が本気になったら例え相手がウィザードでなくても、腰が抜ける。

なぜなら立花司令は自衛隊特別部隊「魔術機関」の司令官長「立花(たちばな) 攻守武(こうしゅう)」の娘であるからだ、親の教育が厳しかった事から多少グレてしまったのだが、頭脳肉体共に親の力を引き継いでいる、対人戦闘訓練では目を閉じながら全員を倒した事もあるそうだ。

だが今は司令という非戦闘員のため、それが本当だったかはわからない、おそらくこの機関に魔術を使わないで司令に勝てるものはいないだろう。

「No.1避難終わったぞ、後は司令だ」

「副司令は?」

「あいつなら「避難員を先導する」といって先にいってしまったよ」

「えー…」

「あいつ厳しそうだけど本当はchickenだからな(笑)」

立花司令が最高の笑を浮かべる、なにかあったようだ…

「そ、それでは向かいましょうか」

「わーこんな強い子たちに守って貰えるなんて、心強いわ♪」

いつものテンションに戻った立花司令であった。




「な、なんで止めなかった!!」

「ご、ごめんなさい!持ち場を離れる訳には行かなかったので…」

「…まぁそれが正しい判断か…すまない」

「いいえ…」

「とりあえず現状報告を」

「はい、作戦は順調に進んでいます、不自然なくらい簡単に」

「どういう事?」

「はい、まず一つに相手が魔術の使用に慣れていないという印象を受けます、そして…」

「どうした」

「いえ…そのあまりにも弱いので尋問しようと捕らえたら…敵の体が膨張して爆発したんです…」

「!、その爆発の被害は?」

「幸い怪我だけですみました、でも1年生の子や戦闘に慣れていない子が少し精神的に来たものがあるようで…」

「なるほど、それはどうしようも出来ない…誰でも最初はそうだ、これは戦争だからな、いずれ強制的でも直されるさ、まぁしなければ殺されるんだ…」

「…」

「すまない…君は前に殺されかけたんだったな…」

「気にしないでください!そ、それより真郷さんなんですけど…」

「そ、そうだ!真郷、あいつはどこに?!」

煉華の顔が変わる、これによって癒姫は「やはりそうなのか?」と思ってしまった。

「真郷さん何ですけど、白銀の髪の少女と一緒に本部に…でもその少女何がすごい力を持ってる気がしたんです…それでその少女も真郷さんを守るから大丈夫って先輩を説得しちゃって、それで私の話も聞かず煉華先輩を助けに行くって、それで本部に…」

「そうか…って、わ、私を?!あ、あいつが私を…(ゴニョゴニョ)」

「照れてる場合じゃありません!!!」

「!!、す、すまないっ!私はこれから真郷を探してくる、また頼めるか?」

「は、はい!任せてください!」

癒姫の言葉は先ほどとは違い勇気のこもった、信頼を持てるものとなっていた。

その理由として、この短時間で司令塔の役割に慣れたから、というのもあるのだが、癒姫の目には煉華が真郷を助けに行くというこの現状が、さながらお姫様を助けに行く王子様のように見えたのだろう、性別が逆転してるがこの事については気にしないようだ。



◇ ◇ ◇


「リエル…頼む…」

戦闘が始まっている本部前広場から一番近い物陰に隠れ言う。

「任せて、我を守れ、我はかの王家の血筋の者なり、古き契約の誓いを持って守れディフェクトール」

「(前より時間がかかっている?まえもこんなもんだったか)」

と、そんなことを思っていたら真郷は今まで感じたこともないような感覚に陥った、それは温もりでありながら、その温もりは強すぎて寒気すら感じる、その力、何かに守られている、がその何かが強すぎる何かが何なのかわからないから怖い、とそこにリエルが話しかける。

「行こう真郷」

「お、おう」

真郷は不思議な感覚があったものの本来の目的を思い出し、気にせず本部に向かう。


真郷たちを発見した敵はもちろん襲ってくる、が、真郷たちに近づけない、それは恐怖があったとか腰が抜けたとかではない、物理的に近づけないのだ近づこうとしても見えない壁に邪魔をされる、それを攻撃しても、まるでコンクリートの壁に対してテニスボールをぶつける様なものだった。

「総合破壊神オフェクトール、我はかの王家の者なり、古き契約に従い敵を討ち滅ぼしたまえ」

やはり詠唱が長い、が次の瞬間リエルと真郷の後ろから無数の白く輝く白い球体が現れた、それはその場にいた帝国兵に雷のように飛んでゆき敵をを次々と倒してゆく。

その場にいた機関の学生は呆然とする、確かに学生たちも帝国兵に苦労はしなかったが、一気にまとめてなどは出来ない。

「す、すごいな…」

真郷も呆然としていた。

「この程度なんて事無い」

なんてこと無かったから油断する。

サーファーは波にのる、波は穏やかだ、サーファーは物足りない、が、そこに30mもの津波が来たらそれに乗れるだろうか、津波と言うものは上りは急だが降りるのは緩やかだ、つまり行きは辛くても帰りは楽と言うことだ。

今まではテニスボールが飛んでくるような攻撃だった、だから防げていた、だがそれは対戦車用ライフルの様な1発の魔弾によって壊される。

「!!神よっ(間に合わない…)、真郷!…ぅがっ…..」

リエルが飛ぶ真郷を守るように、飛んだ瞬間真郷たちを守っていた守護璧が割れる、次の瞬間真郷は自分の血ではなく目の前のさっきまで話していた少女の血を見る事となった。

「お、おい!大事か?!」

「に、逃げて...」

「え?」

するとそこに次々と魔弾が飛んでくる。

「門出現!!守護目標!真郷を守れ!!!!」

どこからか学生のリーダーらしき人が他の生徒のに指示をだす、それに従い他の学生は真郷に大急ぎで近づく、そして。

『元素の五属性の使徒よ!、我らを守れ!』

一斉に詠唱そしてリエルの物とは違い何重にも重なり真郷とリエルの前に現れる、そして学生達が真郷たちの前にたつ。

「耐えろ!!応援が来るはずだ!」

「お、お前…」

なんとそこにいたのは真郷のクラスメイトの西風日比斗であった。

「よ、よぉ…全く…こんな所で俺の正体を知られてしまうとは…」

「そ、それよりこいつが!」

「まだ大丈夫だろう…」

日々斗の声は段々元気をうしなってゆく。

「たえろ!!!」

そう日比斗が再び士気を高めるために言うが、虚しくも次々と守護璧は消され学生達は吹っ飛ばされた。

真郷は悪夢を見ているようだった、目の前には自分を守る為に血を流しているリエルと同じ学校に通っている同級生たち、ここまで幼馴染みを助ける為にここまで来たが、周りの状況に真郷の心は歪みかかっていた。

「どうしてっ!俺の為に人が血を流さなきゃならないんだ!いったい何だよ!」

ここまで周りのこの状況を気にせず来たが、その状況が自分のせいで身近な人が死ぬとなれば、精神的にも病むのは必然的だろう。

そしてその真郷の問に答える者がいた。


「簡単な話だ、これは戦争だぞ?我が息子よ…」


真郷の前に現れた男はそう言った。




To be continued…


もう脚本は完成しているのでまた近いうちに、確認次第投稿します。

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