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親愛なる母へ

作者: 山田太郎アットマーク

親愛なる母へ


私によく小言をいい


私とよく喧嘩をする母へ


貴方はよく私に文句をいいます


布団をあげろ ゴミを片付けろ


整理整頓をしろ 電気を消せ


何かを見つけては文句をいいます


本気の喧嘩もします


醜い皺を顔に刻んで大声で私は怒鳴ります


そして喧嘩をした後に、大きな悲しみが


いつも私にやってくる


そして貴方は悲しそうな顔をしてどこかに


いってしまうのです


どんな喧嘩をしようと貴方を心の奥底から


憎んだ事はありません 全ての言葉は全部


私の為でしょう



喧嘩をしたあともヒョッコリ部屋を覗いては


飯はくったのかと聞いてきます


そして翌日には何もなかったように振る舞うのです


すべての世の母がこんな優しさを


もっているんでしょうか


腰も少し曲がり、足が痛いとぼやく母よ


朝から晩まで働き、痛い痛いとぼやきながら


それでも働く母よ


疲れた体で台所に立ち、食事の準備をする母よ


全ての母親がこんなに忍耐強いのでしょうか


TVを見ては子供のように大声で笑い ドラマを見ては


ホロリホロリと泣く母 今日はこのオカズが美味かった


そんな事を嬉しそうに語る母


もし貴方が死んだら、私は子供のように喚くのでしょう


かあちゃん かあちゃん と子供の様に喚くのでしょう


鼻水と涙を垂れ流し、貴方にすがりつくのでしょう


私は貴方へ、なんの親孝行も恩返しも出来ていません


それが出来る日がくるのか、こないのかそれは


私にも判りませんが、もしそんな日がくるのなら


その日までどうか長生きしてください


今日は、私がカボチャの煮つけを作りました


どうぞ食べてください 親愛なる母よ

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