光、統べる者 23.
治信の視界が揺れ始める。
じわりじわりと平衡感覚が奪われて行くような感覚。
にも関わらず、目の前の“女性”は逆に鮮明になって来る。
猫背で時折よろけるその病的な歩き方。
それは思い出したくなくても治信の記憶に焼き付いている自殺間際の姿だった。
『……許してぇ……しんいちぃぃ……怖くてぇ……あのひとがぁ……』
「やめろやめろやめろおぉ! 死んだ! もういないんだ! いる訳がない人なんだあ! 俺の、俺の記憶を読んで、やめろ、使うなああ! その人はもういないんだあああぁ!!」
震える手先から徐々に鈍い痺れを感じ、それは腕から肩に伝い全身を這い回る。
それが治信の恐怖心を更にあおった。全身の神経にも使い手の攻撃を受けているのか、と。
ひた、ひた、と近寄るやつれた母から目を逸らすことも出来ないまま、それでも必死に感覚が鈍って行く脚を踏ん張ろうと力を入れる。
ガクガクと震える脚、その爪先が倒れている押塚に触れた。
「……う……お、押塚、さん……」
冷静さを失っていた治信の脳裏に、不意に蘇る言葉。
『二人ともやられたら話んなんねぇだろうが!』
押塚警視……
そうだ、そうだった、その通りだ……
『……しんいちぃ……守れなくてぇ……あの人があぁ……逃げたくてぇ怖くてぇぇ……しんいちぃ……』
容赦無く迫る亡き母の声。
治信は両目を固く閉じた。
「え、う……」
驚きの声を漏らし、更に固く目を閉じる。
しかし母の姿は消えず、薄っすらと見えているではないか。
…なんだ、これ……力を、私に力をくれ、押塚さん!
治信は感覚が更に鈍くなって行く左手を拳銃から離すと、なんとか探り当てた自分のこめかみに当て、中指でぎこちなくも叩き始める。
いつもの感触は無いながらも、思考へのダイブは成った。
今の自分の状態。
一体誰に何をされ、どんな状態に陥っているのか。
これまで触れて来た文献、論文の知識を総動員してみる。
遠熊蒼甫の『使い手縛り』のメカニズム、『オーブリカバリー』理論、雅弓の『霊視』体験とマルサン開眼……
そして現状の分析。
奈執の怯えた様な精神感応、一軒家から離れろという警告、ミネさん、そして押塚警視の死……
…そうか、そう考えれば理屈は通る。だが、とすると楠木万凛も使い手ということになるが……
『……守れなくてぇ……もう疲れてぇ……許してえぇ……しんいちいぃぃ……』
徐々に強まる母の声とその念が治信の精神に食い込んで来る。
…慌てるな。
そう、慌てたら負けだ。
推察通りなら当然の現象だろ。
鍛えた。
自分で鍛えてきたんだ。
俺は弱い男だ。
気が弱くて勇敢さなどかけらも持ち合わせない少年だった。
母を守ることが出来ず、後妻の義乃さんも同じ目に逢わせてしまった。
だから鍛えるしかなかった。
心を、気概を、精神力を強く保てる男に、俺はなりたかった。
せめて義乃さんの子、弟の義継だけは守れるように、と。
客観的な視点、俯瞰的な思考、多様な洞察力、それらは今の仕事のために培ったんじゃない。
逆だ。知らず知らずのうちに培われていた。
私立探偵という考えもしなかった仕事を生業とするようになったのも結果的なものだ。
強くなりたかった。
ただひたすら精神力の強さとは何かを追い求めてきた。
橋石君や紅河君の様な強さ、もともと俺にはそんなもの無かった。
今も、無い。
鍛えたところで、気質の性根は変わらなかった。
臆病な自分は変わらないんだ。
ならば、英知だ。
俺の、私の武器は英知、それしかないんだ。
更に迫る母の像と声。
揺らぐ視界、失われていく平衡感覚。
その中で治信はどす黒く渦巻く恐怖心を懸命に抑えつけながら、今一度その推察を整理する。
魂の抜き取りは所縁の深い故人の霊に引っ張らせる。
ではその霊はどこから来る?……それが恐らく楠木万凛の能力だ。武儀帆海に類似した霊媒師能力を持っていると考えられる。
押塚警視やミネさんの魂を引っ張り出した霊、その故人を呼び出せるという能力。
楠木万凛、まさに死神か。
彼女に近付いた者全てがターゲットとなり、雅弓はその“近付いた者”を彼女に知らせる役。
俺自身の肉体の痺れ、神経が鈍る感覚、それは魂が肉体から剥がれかけている時の症状だと考えられる。
故人に引かれまいとし肉体に留まろうと抗う時のそれだろう。
神経を司るのは脳、本来脳と魂は決して離れ得ないと伊織さんも言っていた。
その脳と魂の剥離により身体の部位との送受信に不安定な状態が起こる。結果、肉体が痺れ感覚が鈍くなる。
俺が肉体の目を閉じても霊が見えているのは、クレヤボヤンス発現の仕掛り状態だ。
見えている、ではなく視えている……人の魂は誰でももともと能力者の能力を供えており、幽体離脱途中ではテレパシーもクレヤボヤンスも発現する。
声、すなわちテレパシーをキャッチした時点で既に魂は一部が剥がれ出しているわけだ。
霊の『声』が能力者の精神感応とどこか違うと感じるのは、能力者は脳に精神感応し、霊は魂に直接精神感応しているからだろう。
…そして楠木万凛の、死神のとどめは『光の帯』による強制的な幽体離脱。
しかしこの推論では疑問が残る。
楠木万凛が使い手であるならば、なぜ雅弓が必要なのか。
クレヤボヤンスで近付く者の存在は特定でき、霊媒師能力で近付く者の所縁の故人を呼び寄せる。
楠木万凛一人で事足りるはずだ。
…いや、考え込む時間などないか。今はこの状況から脱する手立てだ。
やっぱりね、と御笠一巳の霊は思った。
この南條治信という生者は生に固執する理由が明確にある。
弟を守る為。母を二人も亡くした悲劇を繰り返さない為。
勿論それだけではないが、その意志が精神の多くを占める。
だから最愛の母親の霊の呼び掛けにも単純に溺れてしまわない。
どこかで一線を引くことが出来る。
確かに気持ちは割り切れていない。
実母の死に悔やみ、続く二番目の義母の死にも打ちのめされ、父に鬼神の如き憎悪を向けている。
だからこそ、まだ“かえれない”と本能的に思っている。
…まあ僕にはどうでもいいことなんだけれど。
因果律も時には破れる。
でも光一君が見せてくれると言った。
終わりを見せてくれる、と。
その流れの中の律であるならば……
再び第二階層に降りる御笠一巳。
そして治信の背後に姿を現わす。
しかし、呼び掛けない。
必要がない。
彼の魂はかえるのだ。
母親と話したいという気持ちは強く、それを少し後押しするだけ……。
『……しんいちいぃ……ああ、しんいちいぃぃ……』
凍てつくような冷気が弱まり、逆に生温かい感覚を治信は感じた。
もう母の姿はすぐ目の前にあり、出血死の原因となった首筋の深い切り傷もはっきり判る。
…母さん済まない。今も苦しんでいるなんて俺も耐えられない。けど……
「……まだなんです。まだ死ねないんです、母さん。」
治信はそう言い残すと、母の霊から意識を逸らすことに努めた。
そして内心で必死に考える。
使い手の『抜き取り』から脱する方法はないのか、と。
…魂が肉体に戻る事を阻害する……『光の帯』で対象の肉体と魂をそれぞれ包み込み、阻害……霊に引っ張らせ、更に阻害、その二つの相乗効果で幽体が離脱……
『……怖くて怖くて怖くてえぇ……許して許してゆるしてえぇぇ……ああ信一いぃぃ……』
意識を逸らす?
これを?
母さんを無視しろと言うのか?
酷だ。
酷すぎる。
残酷過ぎる。
苦しむ母さんを……
地獄だ。
苦しい、辛い、辛い。
でも……それでも考えろ。
応えるな。
母さんの呼び掛けに応えるな。
考えろ、考えろ、考えろ、考えろ、考えろ……
『南條治信さん、あなた自身はどうしたいの?』
…え?……
目の前にいる母、自分を挟んでその反対側、つまり背後。
振り向く必要もなく、治信には視えた。
…さっきの、子供……
首に切れ目。
刑事局に上がっている報告書にある記載、それと同じ。
「……御笠、一巳……」
それが自分の肉体の口から漏れた言葉だったのか、思考の中の呟きだったのか、もはや治信自身よく判らなかった。
そして、視える。
御笠一巳の身体からゆらゆらと滲み出す透明の膜の様なもの。
膜の所々には大小様々な明滅する光がある。
光は白っぽいがその中心部分は真っ黒に見え、外郭は縁取るようにオレンジ色で端に向かうにつれ色調が濃くなっていた。
その膜が自分を包み始めている。
…これが、こいつが『光の帯』か。
自分が置かれている状況も忘れ、治信は刹那それに見惚れた。
しかしその傍ら、彼の精神の一部が気付く。
楠木万凛ではなかった。
霊を呼び送り出したのは彼女だろう。
しかし、とどめの『抜き取り』を完了させるのは……
…死神はこいつ、御笠一巳だったのか!
伝えなければ。
魂の抜き取りは楠木万凛だけでは不完全だ。
人の命を奪う危険な使い手はこの子供の霊なのだ。
仲間に、崎真に、伝えなければ。
死者の魂の光を、そして生者の魂の光を弄ぶ死神はこの御笠一巳だということを伝えなければ……
ふわりとする浮遊感が治信を包んだ。
全てが軽く、そしてほんのり温かい。
今の今まで考えていた『伝えなければ』という思念がゆっくりと意識の底へと沈み始め、母の声が代わりに浮かび上がる。
そうだった、大切なのは今も苦しんでいる母さんだった、と気付く。
母の苦悶を、いつまでも引きずり続けるその心残りを、本当に理解出来るのは俺だけなんだ。
晩年の母は父に外出を制限され友人との交流も久しくなかった。
そうだ、俺しかいないじゃないか。母、信子を安心させられる者が他にいるか。
俺は死んだ訳ではない。こうして意識もはっきりしているではないか。
『母さん、そんなに自分を咎めないで下さい。悪いのはあいつ、徳田将司だ。あいつは捕まりました。今は刑務所にいます……』
『信一、ああ信一……』
御笠一巳は穏やかな笑みを浮かべると、意識を周囲に向けた。
…ここに二つ、あそこに一つ、増えたのが三つ、あ、四つか。
合計七つ。
こんなにも転がっていたらまた警察やら何やらがわらわら集まって来てしまう。
せっかく美しい島なのに、屍体は片付けなければ。
ズ、ズズ……ゴゴゴゴゴゴ……
女木島の北部、鬼ヶ島大洞窟から北北東に少し上った辺り、そこを中心に地響きが起こった。
御笠一巳のテレキネシス、ポルターガイストによる震源の無い地震。
いや、地震と言える程のものではないかも知れない。
震源が無いため地表付近が揺さぶられただけのもの。
その揺れは数ヶ所に地割れを発生させ、遺体がそこへ転げ落ちて行く。
青いジャケットにチューリップハットの男、巡査三名、香川県警の警部一名、フード付きコートの警視一名、そして樹林迷彩柄のスーツを身に付けた私立探偵一名、地割れに落ちたのは計七体の亡骸だった。
それを見届けた子供の幽霊は、穏やかな笑みのまま第三階層へと消え行く。
「……んっ……けほっ、こほっ……」
目を覚ました小糸は、鼻をつく青臭い様な土臭い様な匂いに少し咽せた。
何か怖い夢を見ていた様な……体が浮いて、落ちて、地震が起きて……でもそれ以上思い出せない。
「ふぇっ!?」
不意に目の前を何かの虫が羽音を立てて通り過ぎた。バッタみたいな羽音。
周囲にはぼうぼうに生えた雑草、その上には生い茂る木々、ちらちらと光る木漏れ日。
「ここ……どこ?……」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「暑いわ、さすがに……」
そうつぶやくと紅河の母は部屋の窓を開けに座布団から立ち上がった。
立ち上がり際、彼女の汗がポタポタっと畳に落ちる。
部屋のクーラーは止められたままだった。
県警からの電話の後、彼女は「夫と相談してから直ぐ折り返します。」と言い、そのまま旦那の勤め先へ電話した。
県警本部長からの直々の電話、その内容は『淳君の協力が欲しくテロ発生現場へ連れて行きたい』との内容だった。
協力の内容とは何なのか、同行者は誰か、それは部活動の顧問も知ってのことか、彼女はこと細かに状況を聞いた。
それを伝えた上での旦那の判断、返答は早かった。
『……そういう事なら良いだろう、私は了承しよう。お前は?』
「知子ちゃんが大変な目に遭っているのなら行かせたい、かな。」
『そうか。そうだな。折り返しの電話、私からしようか?』
「んー、私からしとく。」
電話のやり取りの後、彼女は娘の光里と一緒に一階の和室に入り、仏壇の扉を開くとその前に正座した。それを真似て光里も横に座る。
「あついね、もあってする。」
「そうね。あのね、光里、淳は部活の後、警察のお仕事を手伝いに行くらしいの。危険な仕事みたいだから母さんここでお祈りするの。」
「おいのり? あつし?」
「うん、無事に帰って来られますようにって。光里もちょっとだけ一緒にお祈りしよっか。」
「うんいいよ、どうやるの?」
「ほら、あれ、お父さんのご先祖様に向かって心の中で言うの。淳が無事でありますように、お力を下さい、お護り下さいって。」
「おちかおおもり、ください?……」
「お力を下さい。」
「おちかろおください。」
「お護り下さい。」
「おまもりください。」
「そ。心の中で、ね。」
「うんわかった。」
光里はしばらく母を真似て両手を膝に乗せ目を閉じていたが、二、三分もすると目を開けて母の顔を覗き込んだ。
そして小声で言う。
「お母さん……言ったよおまもり……」
母は目を開け、軽く微笑む。
「うん、ありがと、光里。私はしばらくお祈りしてるから、ジュースでも飲みに行ったら?」
「うん! ジュース、ジュースはれーぞーこー。」
光里が和室を出た後、母は先祖の位牌を前に実は少し悩んでいた。
悩みと言うか、迷い。
淳も大切な息子だ。
テロ発生現場?
行かせて本当に良かったの?
あの人がすぐ了承したから勢いで私も賛同したけれど……
でもあの人が良いと言うなら大丈夫かな。
これまでもそうだったし。
紅河の家系は神職の子孫だし。
あの人が言うなら……あ、でも。
でも、それってちょっと人任せよね。
でも、でも心配だわ、知子ちゃんも。
あんな純粋で素直な子、今時珍しいもの。
あの子、どうして警察官になったのかしら。
あ、あの子の無事も祈らないと。
改めて座り直す……と、足の痺れ。
じぃんとした感覚が過る。
「ありゃ……苦手なんだよな、正座……」
彼女は押入れから座布団を取り出し、その上に正座し直す。
すると廊下の方から物音。
…芳輝? 帰って来た?
出入り口の襖を開け、廊下を見る。
光里だった。
仔犬のぬいぐるみを二つ持ち出し、それを向かい合わせて無言で何かしている。
「なに、光里、ずいぶん大人しいおままごとね。」
「え、だって、こころのなかでしょお母さん。」
「ああ、あはは。」
光里のおままごとはいつも独り言全開だ。
うるさいくらいの大声で一人二役、三役をこなす。
…へぇ、気を使うようになったか、光里も。
台所に一人では寂しくなりこの和室の前に来たのだろう。
「いいよ、声出して。私は平気だから。」
「でもね、おいのりだからアルプスもモカも。」
「あ、あそっか、そういう事ね。」
どうやら気を使ったのではないらしい。
今教わった“お祈り”を仔犬たちにもやらせていたようだ。
含み笑いをし、再び座布団に戻る。
そして斉藤知子という婦警を想い、無事を祈る。
しばらく淳と知子のことを考えていたが、集中力が続かず、ため息混じりに溢れた言葉がこれだった。
「暑いわ、さすがに……」
窓を開けても相変わらず暑いままだが、風が通り始めた分いくらか楽に感じる。
その時だった。
自宅電話のコール音。
時計を見る。
警察への電話から小一時間だ。
廊下で仔犬のぬいぐるみと遊んでいる光里をよそに、小走りでリビングに向かう。
…淳! 知子ちゃん!
「はい、紅河でございますが……あ、あなた。」
会社の旦那からだった。
『これから早退して神社に行って来る。』
「神社? いつもの水神権現様?」
『うん、それと今日は本殿にも寄って来る。』
「本殿て、どこだっけ……ああ、初詣のあそこね、うん、思い出した。会社はいいの? まだこんな時間よ?」
『大丈夫だ。優秀な部下がいるからな。』
「ええ? またご迷惑掛けるんじゃないの?」
『大丈夫だと言ってるだろ。久し振りにご先祖の弓を拝んで来る。』
「ああ、あの大きな弓ね。巫女さんが使ったとかなんとかの。」
『心配だしな、淳が。』
「うん、そう、ね……」
『警察から連絡があったら携帯に電話してくれ。頼むぞ。』
「わかった。あなたも気を付けて。」
紅河の家系に関わる神社の本殿は幸いなことに都内にある。
恐らく夫は権現様への祈祷と、座禅を数時間するつもりなのだと思うが、今日のうちに帰って来られる場所だ。
…弓か。しばらく見てないな。写真も撮らせてもらえないのよね、あれ……あ、そうだ。
「光里。」
リビングから呼ぶと、光里は部屋のすぐ前に立っていた。
両脇に仔犬のぬいぐるみを抱え、神妙そうな顔でか細い声を漏らす。
「……あつしは?」
この子なりに心配してくれているようだ。
「うん、そのうち連絡が来ると思う。一緒に待とうか、ね。」
「うん……」
「ねぇ光里、お正月に初詣行ったでしょ、憶えてる?」
「おしょうがつ?」
「うん、神社。おみくじ引いたところ。おみくじに絵が付いてたよね、りゅ……」
「あー、知ってる! あ、えっと、あー、なんだっけ、りー、えと、りう、りうじぃさま!」
「惜しい。龍神様ね。水神権現様とも言うんだけれど、あの神社にね、お父さんのご先祖様が使ったって言われている弓が納められているの。」
「うみ?」
「ゆ、み。」
「ゆみ?」
「そう。その弓にまつわるお話、してあげるね。」
「うん!」
「それと、ちょっとお腹空かない?」
「ジュースしかおやつもらってなーい。」
「そうよね、忘れてた、ごめん。軽くそうめんでも茹でようか。」
「いいけどそうめんはご飯だよー。」
「いいのよ、私がお腹空いたの。」
「じゃひかりもー。ゆでるー。」
「よし、一緒に茹でようか。」
彼女は紅河家系に伝わる弓の話を光里に聞かせながら、クーラーの効いたリビングでまったりとそうめんをすすった。




