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異世界クエスト  作者: 太郎
異世界クエスト中
63/95

第55話-水の神殿5-固有スキル

なんと、クロルの祖父は、俺の爺さんの仲間だった!


そのとき、エイジに電流走る!

思わぬ事実の発表に、

背景にざわ…ざわ…と言う文字が……

浮ばねぇか。


えっ!? それ本当!?

と、1人で驚く俺。



ところが、2人は別に驚く様子もなかった。


それはそうだ、2人は俺が、

そのノーレッジの孫だと知らないのだ。


俺が驚いたのも、単にクロルの素姓を知って、

驚いていると思われたのだろう。


変らぬ調子で、のんびりとした会話が続いた。



「まぁー

 そのじいちゃんも、

 もう死んじゃったすけどねー」


「うん、バータじいちゃんも、

 いい歳だったからねー」



昔を懐かしむように、バレーとクロルが語る。


どうやら、バータフライさんは、

既にお亡くなりになっているらしい。

爺さんの情報を得るチャンスかと思ったが、

残念だ。



「というか。

 なんで、エイジっちが、

【天空剣】持ってるんすか?」



当然の疑問を、クロルが俺に投げかけた。

あ……またこの展開か……



「いや、ちょっとした預かり物だ。

 『光の遺跡』で(正確には、爺さんの墓だけど……)

 偶然、手に入れてさ」



俺は、とりあえず簡単に説明をする。

この説明は嘘では無い。

【天空剣】は正確には爺さんの物だが、

アルバトロス家で、バディさんから、

保有する許可を貰っている。



「あんた、それであたいに

【神鉄の巫女】に直してもらうとか、

 言ってたんだねー

 適当に言い訳してんのかと思ったよー」



なるほど、バレーは【天空剣】だと、

分かっていなかったのか。

うん? でも【天空剣】では直せないだろ?



「いや、いや。

 直すのは【火炎槌】でだろ?

 仲間が持ってるから、あとで頼んでやるよ」


「は!? 【火炎槌】!?

 まさか、あんた『炎の神殿』を!?」



バレーが、驚いた声を上げる。



「いや、それは前に話したろ?

 神殿には1度行ったって……」


「行ったって……

 あんた、1度、挑戦したんじゃなくて、

 まさか1度で攻略したっての!?」



どうやら、バレーは挑戦した回数だと、

勘違いしていたようだ。


俺はインチキくさい方法で『フレア・コング』を倒し、

【火炎槌】を手に入れた経緯を説明した。



「……なんだか、あたい……

 頭痛がしてきた……」



結果、バレーが頭を抱えてしまった。


やめて……

そんな目で俺を見ないで……



「そう言えば……クロル、

【神具】に固有スキルが

 どうとかって言ってたな?」



確か、『水の神殿』にある【水霧の鎧】には、

透明になって姿を隠す能力があるとか?


ずっと、気になっていたので、

俺はクロルに質問してみた。


というか、もう話題を変えたい。



「そうっす!

【神具】だけってわけじゃないっすけど、

 希少な装備品には、固有スキルがあるっすよ!」



なるほど。

癒しの杖でケ○ルが使えるようなもんね。



「で【火炎槌】の固有スキルが、

 【神具】を直すスキルってわけか?」



俺は【天空剣】を直してもらった経験から、

固有スキルを推測してみた。



「残念! ちがうっすー!」



あれ? 違うの?



「【神具】を修理したり、加工するのは

 【神鉄の巫女】の能力っす!

 加工に【神鉄】が必要なだけで、 

 【神鉄の巫女】なら【神鉄】さえあればいいっす!」



へぇ。

つまり、どの【神具】でも構わないと。

さっきのバレーの言葉は、そういう意味か。



「【火炎槌】の固有スキルは、

 【打ち砕くもの】(マジック・ブレイカー)っす!

 どんな魔法結界も打ち破るスキルっすよ!」



「ちなみに、あたいの【黄金槍】の固有スキルは、

 【研磨するもの】(スキル・アッパー)だ。

 スキルの効果を増加したり、

【黄金槍】自体に、スキルの効果を付与できるのさ」




ほう。さすが【神具】だ。

相変わらず、中2くさいネーミングだな。

こうなると、他のも気になる。

当然【天空剣】にも、固有スキルはあるんだろうし。



「ついでに、

 【神具】について詳しく教えてくれよ」


「いいっすよー!」



クロルが教えてくれた情報をまとめると、

以下の様になった。




■■■■■■■■■■■■■■■■■■

〔情報図巻〕


【神槌・火炎槌】

火属性最強

……固有スキル 【打ち砕くもの】(マジック・ブレイカー)

どんな魔法結界や魔法障壁でも打ち砕くことができる。


【神鎧・水霧の鎧】

水属性最強

……固有スキル 【隠すもの】(インビジブル)

透明になり、姿を隠すことができる。


【神杖・聖樹の杖】

木属性最強

……固有スキル 【生茂るもの】(マスター・プラント)

植物を自在に操る。


【神槍・黄金槍】

金属性最強

……固有スキル 【研磨するもの】(スキル・アッパー)

スキルを槍に付与して攻撃が可能。

また、スキルの効果を増加させることもできる。


【神盾・護石の盾】

土属性最強

……固有スキル 【止めるもの】(ザ・ワールド)

対象となるものの時間を停止させる。

反動として、停止させた時間だけ、

使用者が石化する。


【神弓・地獄弓】

闇属性最強

……固有スキル 【死を運ぶもの】(デス・ブリンガー)

どこから攻撃しても必ず命中する必殺の矢。

ただし、使用者も高確率で死亡する。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■




……ほう、これは色々面白そうだ。

まぁ、闇とか土は物騒でもあるが。

とくに土は権利関係的にもあぶない。



「でもさ、バレーは、

【黄金槍】の固有スキルをあんまり

 活かせないんじゃないか?」



俺は、バレーに質問してみる。



「あんたは、知らないだろうがねー

 あたいにゃ、とっておきの

 スキルがあるのさー」



いや、知ってる。

どうせ【生命のブレス】だろう。

と言うか、さっきも利用した。

とは、口が裂けても言えないので黙っておく。

言ったらたぶん殺される。



「それに、あたいのギルドマネージャーが、

 スキル・コレクターの職業も持ってるのさ」


「あー!

 ミットっちすね!

 元気してるっすかー?

 アウト師匠にも久しぶりに会いたいっす!」


「ミットとは、別ルートでねー

 光の島で合流することにしてるのさー

 討伐戦だかなんだかで、

 あたいら【英雄の子孫】は、強制参加なんだよ」



バレーとクロルは、会話をはずませている。

どうやら、元々バレーは【グランポート】経由で、

討伐戦の場所まで向かう予定だったようだ。


それに、なんだ知らない名前も出てきた。

2人で盛り上がってしまっているので、

俺は、話題から取り残されそうだ。


とりあえず、質問してみる。



「なぁ、

 そのミットさんと、アウトさんって誰だ?」



バレーとクロルは、少し顔を見合わせてから、

2人で質問に答えた。



「アウト爺さんは、クロルの師匠だね。

 クロルのじいちゃんと、友達で、

 英雄ノーレッジの3人衆のうちの一人さ」


「そうっす!

 で、ミットっちは、アウト師匠の孫娘っす!

 あちしとバレーっちも、

 アウト師匠のつながりで、友達になったっす!」




なるほど、そういう関係ね。

ノーレッジ、つまり俺の爺さんは4人パーティで、

ネットさん、バータフライさん、アウトさんが、

仲間だったと。


で、ネットさんがマリーさんのお婆さんで、御存命。

クロルの祖父のバータフライさんは、お亡くなりになっている。

最後の一人、アウトさんも御存命と。


なんか人間関係の整理が大変だな。

しかし、これは良い情報だ。

アウトさんからも、うちの爺さんの情報が手に入るかも。



などと俺が、考えをまとめているうちに、

神殿の階層もだんだんと下になってきた。

ここからは、モンスターの出現率も上がるだろう。



「そういえばさ、

 まだ【天空剣】の情報を聞いてなかったんだけど」



と、俺はクロルの方を向く。


「あー

 それはっすねー」


「……おい!

 どうやら、お話の時間はここまでみたいだよ」



バレーが、会話に割って入った。

前方には、巨大な蛇のモンスターが3匹。

残念。これから戦闘の様だ。



「うわ……デカイ蛇だなー

 みんな油断するなよ」


「当たり前だねー」


「りょーかいっすー!」



三人は、各々、攻撃態勢に入る。

場の空気は、いっぺんに張りつめた。



「よし!

 それじゃ突撃!」



敵をめがけて、俺たちは駆けだす。


神殿の攻略は、まだまだ続きそうだ。




■■■■■■■■■■■■■■■■■■

名前 エイジ・ニューフィールド 

職業

    略

■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■

名前 バレー・ゴルド―・スパイク 

職業

    略

■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■

名前 クロル・スイム

職業

    略

■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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