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異世界クエスト  作者: 太郎
異世界クエスト上
32/95

第31話-ドワフィリアの町

旅路の果て、俺たちはとうとう目的地に着いた。


【ドワフィリア】……ドワーフたちが多く生活する町だ。


ドワーフはこの異世界でも鍛冶が得意な種族らしい。

町には鍛冶屋が立ち並び、背の低いドワーフ達がカンカンと鉄を鍛えている。

至る所から炎と煙と蒸気がもうもうと立ちこめる。

鉱山の町とはまた少し違う。職人街のような場所。


【ラジフォレス】を木と魔法の町とするならば……

【ドワフィリア】は火と鋼鉄の町だ。



この町に、アインの家があるらしい。


……らしいと言ったのは、俺はアインの家の場所を知らないからだ。

それでも俺は、アインは有名人みたいだから大丈夫だと高を括っていた。

しかし、思ったより【ドワフィリア】は広かった。


……完全に油断した。



「えぇ!? 家の場所しらないの?」


「いや、アインとは知り合いだけど。

 アルプ鉱山で会っただけだからさぁ……」



怒られるの覚悟で打ち明けた。


ライクちゃんは俺がアインの家を知っていると思っていたようだ。

まぁ、剣の修理を頼みに会いに行くと言ったんだ。

当然、家ぐらいはわかると思ったのだろう。

ライクちゃんもアルバトロス家が【ドワフィリア】にあることは知っている。

だが、家の場所までは知らないらしい。


ライクちゃんに、まぬけだとか、だらしないとか、散々罵られた。

先生、これぐらいで怒るなんて心が狭いと思います。


マリーさんは、逆に罵って下さいと言ったので、華麗にスル―した。

さすがに淑女は格が違った。



「仕方ないですよ。みんなで探しましょう」



マリーさんが怒るライクちゃんをなだめる。

結局、聞き込み調査して探すことになった。


聞き込みがてら、町を観光する。

魔導機の特売がやっていたり、例の魔石を使った灯も安売りしている。

どうやら、魔石の加工が盛んなようだ。

魔導機もここで買えば、安かったかも。



「ねぇ、この町って魔石の加工も盛んなの?」



ライクちゃんに聞いてみる。



「……エイジ君、本当にアルバトロス家の人と知り合いなの?」

「エイジさん、ドワフィリアまで来て、それはないですよ」



なぜか2人に白い目で見られた。


ライクちゃんによると、どうやらアルバトロス家は財閥のようなものらしい。

何でも昔、バディ・アルバトロスというドワーフが、魔石の研究でひと山あてたとか。

今では鍛冶業・魔石加工業を一手に仕切るドワーフの名家だそうだ。

なるほど、アインの奴は、大財閥のお嬢様だったのか。



「なんか、エイジ君、異国の人にしたって……

 常識知らなすぎだよね……」



すっかり、呆れられてしまった。



聞き込みの結果、アルバトロス家はすぐに見つかった。

さすがは、大財閥だ。


教えてくれた果物店の親父に簡単な地図を書いてもらう。

ついでに、手土産にライムベリーという果物の盛り合わせも買った。

この辺は、ベリー系の果物が特産らしい。


地図を頼りに、道を進む。

……結構、坂道が多い町だな。

3人と1匹でぐるぐると迷いながら、ようやくアインの家に辿りつく。











でけぇ……




俺たちの眼前には、超が付くほどの大豪邸が広がっていた。


……なにこれ、アインの奴どんだけ金持ちなんだよ。


なんか門に入ってから、家まで200メートルぐらいはある。

いや、まだそれは良い。

門から家まではその距離で済むが、庭の端が見えない。

土地面積はテーマパークぐらいあるんじゃないかこれ?

それに、家だ。

この距離で、あの家の大きさは完全におかしい。

狂った遠近法で描かれた絵みたいだ。


庭にも銅像とか、銅像とか、あと銅像とか一杯ある。

たまに噴水やでっかい花壇もある。



「……エイジ君、これ、本当に入って大丈夫なの?」


「手土産、完全に間違えた……」



結構高めの果物盛りだが、これは果樹園プレゼントされてるレベルだ。



「まぁ、知り合いなのは事実だから……」



俺たちは、とことこ歩いて、家の方に近づく。

「ろん」は屋敷には入れず外で待たせておいた。



途中、門番に止められて【アナライズ】されたこと。

俺と同じ職業のはずなのに、なぜかマリーさんは助かったこと。

俺だけ騎士団に連行され、2度目の牢屋に行きになりそうになったこと。

以上のイベントは話すと涙が出るので割愛する。



「おぉ! ほんとうにエイジじゃ! ひさしぶりじゃのぉ!」



だだっ広い応接間で待たされていると、アインが入ってきた。

鉱山のときとは違い、ふわっふわっの服を着ている。

何あれ、すごくモフモフしたい。



「いやぁ、ちゃんと会えて良かった」


「ばかもの!

 れんらくもせんで、くるからじゃ!

 まぁ、やしきのものには、言っておくから安心せい」



久しぶりの再会に、立ったまま話しこんでしまう。



「本当に、知り合いだったんだね……」



ライクちゃんは口を押さえて驚いている。

どんだけ俺のこと信用してないんだ。



俺は、再会の挨拶もそこそこに、さっそく用件を伝える。



「ふーん……

 剣のしゅうり とのぅ」



アインがつぶやく。何か不思議そうだ。

わざわざここまで修理に来る理由が見当たらないのだろう。

とりあえず剣を見せろと言う。

俺は爺さんの形見のチート剣をアインに渡す。



「これを見てくれ。こいつをどう思う?」

「……どうって だから剣じゃろ、これ?」



……まぁ、予想通りの反応ですね。

だって、そんなに大きくないもんね。

違うよ。俺のは大きいよ。

えっ、なに? 剣の話だよ?



アインが受け取ったチート剣を鞘から抜く。



シュルリっと剣が鳴る。

錆びた刀身が鈍い光を放つ。



「これは……」



アインが固まった。




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名前 エイジ・ニューフィールド 

    略

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名前 ライク・ブルックリン 

    略

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■■■■■■■■■■■■■■■■■■

名前 マリーシア・スローウィン

    略

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■■■■■■■■■■■■■■■■■■

名前 アイン・アルバトロス 

職業 【ろりばばぁ】【神鉄の巫女】

   【鍛冶師】【ひんにゅう】

   【冒険者】

装備 

   ふわふわローブ ←NEW!

   もこもこヘアバンド ←NEW!

   高級な服 ←NEW!

   かぼちゃぱんつ ←NEW!

強さ

   略

スキル

  【けなげ】【つっこみ】

ゴミ箱     

       

持ち物

   略

■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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