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「明日…いや今日で世界が終わります」
いつもはアニメがある時間、どこか泣きそうな顔で総理大臣が告げた。
彼が言うにはどこかの国の首相がちょっとした間違いから世界に向けて核ミサイル発射の命令を下したらしい。
気がついたときには既に世界に向けてミサイルは発射されていた。
「今日の夜中までにはミサイルは世界中に降り注ぎ、全てが滅亡します…」
そういうと彼は机に突っ伏して泣き出してしまった。
しかし誰も慰めようとはしない、頭の中がパニックになってるんだろう。
「明日で世界が終わる…ねぇ」
少年は呟きながらテレビの電源を落とし、窓の外を眺めた。
――いつも通りの景色…、これも明日で終わるのか…
ふと隣の家からわめき声が聞こえた、見ると幼馴染が窓から飛び降りようとしている。
それを必死で止めようとしている母親らしき人物、その目には涙があふれていた。
――今日は皆、家族、恋人達と最後の時を過ごすのだろうか?
明日が来るのを恐れて自殺する人もいるだろう。
やけになって犯罪に手を染める人もいるだろう。
いつの間にか隣の家からの雑音が消え、静寂が街を包み込んでいた。
少年は外に出た。
一緒に過ごす人なんて居ない、母親は父親と海外に旅行中だった――もう戻らない、そして二度と会えないだろう。
「最後の日が一人なんてなんと言うめぐり合わせなんだろうな…――」
――今まで何度も一人がいいと思っていた。最後を迎えるなら一人がいいと思っていた。
しかし、いざ最後の日を一人で過ごすとなると不思議な気分だ。
何かが足りないような気がする――一体何が足りない?
街ですれ違った人々は皆、家族または恋人をつれていた。
一人である少年にとっては不思議な光景だ。
――何故皆一人でいないんだろうか?
ただブラブラと歩いていて着いたのは公園。
既に日は沈み、少年は万遍の星空を眺めていた。
どのぐらい時間が経ったのかは分からない、ただ静かに星空を眺めていた。
知らないうちに頬が濡れていた。
何故なのかは分からない。
ただ…――今まであった出来事を考えていたら胸が熱くなった…。
「精一杯生きたかった…」
少年がそういった瞬間、辺りは光に包まれた。
ミサイルは降り注ぐ
家にも、学校にも、公園にも、名も無い場所にも
全ては白紙に戻った…――
「で…がって…へんです」
――声が聞こえる…
「…のこ…だいは…じょうぶ…か?」
――アレ?此処は…?
「先生!この子は大丈夫なんですか!?」
――俺は生きている…?
「…くん?!目が覚めたのね…!」
ゆっくりと目を開くと真っ白な天井が目に入った。
横では母親が涙を流している――何故泣いているの?
「俺は生きてる…?」
思わず呟くと、母親がより一層激しく泣き出した。
「君は自殺を図ったんだ…、それで今までずっと眠ってたんだよ」
重々しい声で医者が言った。
その途端今までの記憶が鮮明に蘇ってくる。
「母さん…、泣かないで?」
今までずっと呼んでいなかった名を呼んだ。
母親は驚いて顔を上げるとまたうれしそうな顔で泣き出した…――
――ずっとうっとおしいと思っていた筈の母親の涙が嬉しかった
いつ命が無くなるのかは分からない
未来を見ることなんて出来ないから…
だから今を精一杯生きよう
――後悔しない為に
結構前に書いた短編をアップします。
割と最初は暗い…?話なんですが結構気に入っているので投稿を
世界が終わるとしたら人間はどんな行動をとるのでしょうね?
自分でこの小説を考えていた時期、今もですが「世界が終わる」というが怖いです…;
怖く思うのは生への執着心でしょうか?結局は精一杯生きていないんだなーと;
夕方から暗い話を失礼しました
感想などをいただけたら嬉しいです。




