静かな夜に、鈴は鳴らない
掲載日:2025/12/24
24日、雪が降る夜。サンタクロースは忙しい。
子どもたちの笑顔を守るため、せっせとプレゼントを用意する。
雪のように白い肌の女性に、サンタクロースは微笑みかけた。
「今年は一段と忙しくてね。君が手伝ってくれて嬉しいよ」
有無を言わせない笑顔だった。
女性はぽかんとしている。
「君のその能力を、笑顔のためにぜひ活かしてくれ。ああ、電話は使っちゃダメだよ。起こさないように、こっそりプレゼントを置いて帰るんだ」
女性はこくんと頷き、サンタ服に着替えた。
そして、プレゼントを配っていく。
鈴の音も、鹿の足音も、何もない。
静かなサンタクロース。
そっと眠る子どもの枕元に置き、そっと帰る。
いつもなら、怖がられるか、泣かれるか、嫌悪されるか。
どちらにしろ、向けられるのは負の感情ばかりだった。
それも自分の立場上、仕方のないことだと分かっていた。
それでも、内心はやはり寂しかった。
けれど、今日は違う。
みんなにとっても、私にとっても、特別な日だった。
直接笑顔を見ることはできなかったけれど、
こんな穏やかな寝顔を見られたのは、初めてかもしれない。
「メリークリスマス」
私はメリーさん。
今日だけは、あなたへプレゼントを届けにきました。




