4話 橘ダンジョン1F
ゲートを抜けた先。そこに広がるのは広大な森林だった。
「うわぁ…」
総司が感嘆している。俺はもう見慣れたが確かに驚くよな。
心地よい木漏れ日、近くを流れる川のせせらぎに時折吹き抜ける清涼な初夏の風。
言われなきゃダンジョンだって思えない程美しい原風景だ。
「驚いた?」
「うん、なんか…思ってたのと全然違うというか」
「そうだよね、私も初めて来た時はそうだったし…でもほら、来るよ」
「え?」
俺が指を差して告げた方向から直後、人型のナニカが飛びかかってくる。
「っ!?」
咄嗟に軸足を半回転させ身を逸らす総司。ちゃんと橘流が染み付いてるね。
ぐるるる…
唸りながらこちらを睨む。
チンパンジーみたいな身体で頭に紫の一本角…この辺りではよく見る小鬼と呼ばれるモンスターだ。
「これがモンスター…」
「総司、下がって」
スルリ…刀を抜き刃を上に向け剣先を相手の目に向ける。
剣道詳しいやつならわかるかな?霞の構えってやつだ。
「ガァァアッ!」
襲いかかってくる小鬼、直後閃く桜色の剣閃が敵の両腕に走る。
ボトリ…
「ァァァァア!!」
腕の無くなった小鬼が喚き散らし、その場でのたうち回る。俺は構えを解き両足も切り飛ばしてだるまにした。
「総司、とどめを」
「えっ…うん」
懐から懐紙を取り出し刀を拭う。
これはじじいがくれた一振りで名は夜桜。由来は刀身がダンジョン素材で出来てて薄紅色だからだと思うが聞いた事はない。刀を鞘に収める。
そしてその間に総司きゅんは鬼の首を切り落としてた。結構なグロだが命を奪うのに躊躇みたいなのは無いよ。
社会の倫理観が前世とは違うからね。
「あっ、今頭の中でなんか音が…」
「無事にレベルアップしたんだね、ステータスの出し方は分かるかな?」
「うん、ステータスオープン」
ブォン…と空中にディスプレイが現れる。
隣に移動して一緒に見る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【名前】 橘 総司 【Lv】6
【筋力】 30 【俊敏】 35
【魔力】 19 【器用】 19
【頑丈】 17 【体力】 33/35
【備考】 なし
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「これっていいの?」
尋ねられて考える。レベル1の全ステータスの平均が10と言われていてその後はレベルが1上がる事に全ステータスが2ずつと得意な所が特化して増えていく。
見たところ総司きゅんは力と速さが高いタイプのアタッカーって感じだな。体力多いのは多分修行で持久力ついてたんだろうね。
Lvに関してはここ一応高難度ダンジョンだし飛び級したと思われる。
「見た感じ総司は筋力と俊敏が高いね…橘流と合わせるなら攻撃を躱しつつ敵を斬るって戦い方が合ってるかな」
「わかった」
「次出てきたら1人で戦ってみよっか」
「うん!」
2人して辺りを警戒しながら探索する。さて、今のうちに総司きゅんをどう精通させるか考えるか。
といっても別に直接手だしするつもりは無い。俺は前世男だから男に抱かれるつもりは無いし抱く気もない。
ただ俺の弟が姉以外で精通するというのは許されないのでちょっと脳と私生活を破壊するだけ(^^)
今俺が考えてるおおまかなシナリオはこうだ。
いつも厳しいお姉ちゃんが2人きりだと優しくていつもより甘えてくる。多めのボディタッチ、柔らかな感触…。
で、お姉ちゃんも女の子なんだ…って変わる総司きゅんの意識。すると私生活でもつい干してある下着やちらりとみえる胸の谷間を意識してしまい開く性の萌芽…///
…ってな寸法だ。これで精通しない奴いる?いねぇよなぁ!
そして芽生える独占欲と庇護欲。お姉ちゃんは俺が強くなって守るんだ!
ここまで来たらもう普通には戻れない。
あーもう、よだれがでるね。
まっててね総司きゅん…脳に消えないタトゥー灼きつけてあげるからねぇ(^^)
モチベーションに繋がる為、ブクマ、感想…レビュー等頂ければ幸いです。