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とんでもないことしてくれたな。

「エルド…お前、とんでもないことしてくれたね」


王宮の大広間に正座させられているのは、この国の第2王子であり、先程アルベルト王太子から王太子の座を奪い取った男である。


勿論、すぐに国王にバレて今やこの状況である。

周囲にはパーティーに参加していた貴族たちが汚物でも見るかのような顔で見下ろしている。


そして隣にはシードラン公爵の娘であり、アルベルト王太子と婚約していた女がいる。


顔にはシードラン公爵から受けたビンタの跡がくっきりと映っている。


「国王陛下!この状況は何ですか!私我何をしたというのですか?」


「なにをしたか?まさか、自分がどれだけのことをしでかしたのか本当にわかっていないのか?」


「まさか、兄上を追い出したことを言ってるんですか?」


「あぁ、良かったよ。そこまで馬鹿じゃなかったか。それで?アルベルトを呼び戻す算段はしてるんだろうね?」


「なぜ呼び戻すんですか?私がいるではないですか?」


「お前に何ができる?後先考えないアホで、学力も武力もない馬鹿で、貴族からも国民からも信頼を得られていないお前に一体何ができるというのだ。」


「王になればいいのです。臣民は王族のためにあるのですから。」


「お前は、これまでに何を学んできたんだ?王族は臣民の安全かつ幸せな生活を維持するために存在する。その報酬として臣民から税金を徴収しているのだ。王族のために臣民がいるのではなく、臣民のために王族がいるんだ。」


「論点がズレていますよ。エルド様がどうしてあのような凡庸な王太子の代わりができないかと言うことのはずです。」


「凡庸ね。王太子の職務に加え、近衛騎士団と近衛魔法士団の運営、統率。そこに貴族学校の勉強を掛け持ちしていたあの子が凡庸?天才の間違いだろう。あの子が王位を継げば間違いなく、私よりもより良い国政を担うことができたであろう。」


「それならエルド様にだって!」


「貴族学校の課題でさえ満足にできない馬鹿に国政なんて出来るわけ無いだろ。お前達が今直ぐに出来ることは、死に物狂いでアルベルトを探してここに連れてくることだ。そうすれば先程の行動には目を瞑ってやる。だが、アルベルトが王都から出て、行方を眩ませてしまったら、お前達を王国への叛逆罪にしてやる。2度と陽の下を歩けないようにしてやるからな。」


「そんな…」


「さっさと行ったらどうだ。アイツのことだ、王都から出る思案はしていたはずだ。タイムリミットは迫っているぞ。さっさと行け。」

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