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第2話 出会いそして涙

暖かな日差しと、咲き誇る桜の花弁、そして爽やかな風が流れる季節になった。


私は時々夢を見る。

「今日もあの公園行くのか?」

「お兄ちゃんから離れちゃダメよ」

「帰ったらパパがご飯連れてってあげるからな!」

今日も夢を見た、しかしその人らには会たことはない、、

見たこともない景色、会ったこともない人、住んだことのない家、そこの娘のようであるかのような夢を見る。

「なんでこんな夢を見るんだろう。」

私がこの夢を見るようになったのは、ある出来事のあとだった。しかしこの夢は何故か心地く感じてしまっている。暖かい温もりを感じさせてくれる夢だ。


こんな日々も続き高校の入学式を迎えた。

「桔梗、制服もよく似合ってるわよく頑張ったわね」

「うん!ありがとうお母さん!じゃあ行こっか!」

そう言って私達は学校へと向かった。


そうして新入生とその保護者である私と両親は体育館へとあんないされた。そして教頭先生の挨拶から始まり校長先生の祝辞、

生徒代表の挨拶、校歌斉唱といったように入学式はスムーズに終わり次は初めてのホームルームとなった。

「初めましてみなさん。私はこの1年A組を担当する小野寺桜と言います。この1年間みんなよろしくね」

そう挨拶する彼女は何とも温和そうな雰囲気の女性だった。

そうして色々と小野寺先生が説明をしていき、最後に自己紹介をすることとなった。

初めに自己紹介をしたのは、何とも明るく元気そうな男子だった。

「初めまして!水野第一中から来ました小鳥遊亜月ていいます!中学の頃はソフトテニスしてました!高校では今のところ部活に入るつもりはありません!1年間よろしくお願いします!」

そして二人目は同じ中学の友達だった。

「初めまして。柳木台中から来ました秋月夏帆ていいます。中学の頃は吹奏楽でフルートやってました。高校では部活に入るつもりはありません。一年間よろしくお願いします。」

そうして一人二人と自己紹介を終えていき私の番が来た。自己紹介というものは前の人の型を真似すれば簡単で悩むことはないが、緊張はまた別の話である。私は人前で話すのはとても苦手なためとても緊張していた。

「は、はじめまして、、柳木台中から来ました茅野桔梗と申します。ぶ、部活動は文芸部に入っていました。高校では部活に入るつもりはありません。一年間よろしくお願いしましゅっ、」

噛んだ、、私は大事な場面で噛んでしまった、、。そして一人が吹き出すと、クラスは大きな笑いに包まれ、私の顔は真っ赤に染まっていた。そうこうしているうちに最後の人の番が来た。

「初めまして。水野第一中から来ました。柚木空と言います。部活動は入っておらず高校でも入らないつもりです。今年一年よろしくお願いします。」

そう落ち着いていた彼を見ると私は懐かしい感じがして何故か涙が溢れていた。

「茅野さん大丈夫?」

そう言って、隣だったその男子、柚木くんが私にハンカチを貸してくれた。

「ありがと、何だか懐かしい感じがしちゃって」

涙を拭きながらそういうと柚木くんはポカンとした目をしていた。


そうして入学式を終え両親の元に向かうと両親が誰かの親と話していた。しかし両親は私に気がつくと話を終えてこちらへと近づいてきた。

誰と話していたのかは気になったが聞けずに入学式は終わった。何故あのとき涙してしまったのか、そのことは分からぬまま。


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