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第4話 兵士試験

三日後------


「「ご馳走様でした」」


二人は手を合わせ、言った。

オノバーは皿を水道のところへ置いた。

ばあやは置いてある皿を洗う。


その間にオノバーは靴を履き、床をトントンと蹴り、靴を整えていた。


「行ってきま〜す」


オノバーはドアノブに手をかけ、外へと開いた。


「気を付けてくださいね」


ばあやは振り返ることなく、見送った。


------


ここは賑やかな中心街。

人の波が絶えず、流れている。

平民や貴族はいるが、貧民の姿は見えなかった。

それほどまでに隔絶された世界。


オノバーにとっては初めて見る。

いや、何百回も見た世界である。


人々が彼の方を見て、ヒソヒソと何かを話していた。

自分とは違う姿に怯えているのか、はたまた、面白がっているのか、それとも両方か。


その視線を浴び続けながら、闘技場の中へと入る。


そこには、静寂しかなかった。

その静寂を見つめる様に上には、試験官と思われる者がいた。


「君は試験を受けに来たってことで良いんだよね?」


そう言った試験官っぽい人は鎧を身に纏っていた。


顔は左目の中心を通るように右斜めの傷が刻まれており、それは強者というに相応しい風貌であった。

ハッキリ言うとコワモテである。

あと、髭がトゲトゲしていた。


「はい」


「じゃあ、今から『移門(ゲート)』を出すね。それで、その中に入ってくれないか?」


その顔の印象とは真逆で発せられる言葉は優しく、柔らかなものであった。


「分かりました」


オノバーの前に移門(ゲート)が出現すると、その者に言われた通りに入った。

しかし、その先は先程の光景と同じであった。

まるで、鏡写しのよう。


「驚いたかな? ここは闘技場を模した空間で、どれだけ暴れ回っても被害が出ることはないんだよ。俺もここにいるけど、これは俺の分身だから気にしないで」


驚く様子もなく、彼はボケーッと突っ立っていた。


「え〜と、試験内容は至ってシンプル。まず、テーブルの上にある武器を選んで、次にその緑色の線を越える。そしたら、人形が動き出して戦闘開始。最後にその武器で人形を倒す。それだけ。もしも、負けそうになっても安心していいよ。その時は俺が引っ張り出すから」


話を聞いたオノバーはテーブルまで移動した。


(久々の闘いだ。力を十級レベルに抑える。かつ、魔力を一切使わない制限を課すか)


そのテーブルの上には様々な武器が置かれていた。


長剣や槍、刀のようなメジャーなものもあれば、三節棍やモーニングスター、ブーメランのようなマイナーなものまでで約60種類が揃っていた。


オノバーはその中で使い慣れた長剣ではなく、短剣を選ぶ。


ふいに白き死神に心臓部を刺された光景を思い出す。


「恐怖は克服しねぇとな」


短剣を右手で握り、緑色の線を踏みしめた。


それと同時に中央の人形が槍を持ち、動き出した。


(なるほど、参加者の武器と相性が悪いものへ自動的に変えられるのか)


人形は槍を回しながら、オノバーに襲いかかった。

彼はその単調な動きを見切り、防ぐ。


オノバーは短剣を逆手に持ち直すと、その短剣で人形の胴体に深く傷を入れた。


しかし、傷は元々無かったかのように治る。


人形はすかさず、槍を振り下ろしたが、オノバーがそれを回避せる。


(傷が再生している。てことは、一定量のダメージを与えればよさそうだな)


彼がそう考えている時に人形は槍を放つ。


オノバーは短剣の側面で槍を受け止め、それを弾く。


「扱いづらいな......!」


彼は地面に手をつき、逆立ちのような状態になると、手で体を押し、人形に不満を込めた強い蹴りを入れた。


人形は多少よろける程度でまた、槍を叩き込もうと駆け寄ってくる。

槍が到達する前にオノバーが短剣を回し、細かく、素早く人形を斬りつけた。


そして、再生する間もなく、人形は綺麗に砕け散る。


------試験終了


「もう終わりか」


それは20秒もかからなかった。


「え? 嘘っ!? アレ設定的には魔鉄以上の硬さなんだけど......ごめん、来てくれる?」


その光景を見た試験官は手で招くように、人を呼ぶ。


暗闇から、黒服とお面で身と顔を包んだ者が現れる。


「要件は?」


「彼の情報開示」


「名はオノバー・ウィネー・レイク。冒険者・兵士及び戦闘経験は無し。魔力量は貧民にしてはボチボチといったところでしょうか。細かいところは省きましたので、気になるようでしたら、お申し付け下さいませ」


「聞いたところで、だったかな。兵士になる予定なら、あの子を戦闘部隊の7番小隊に入れようと思う。彼、ああいうタイプ好きだし」


「左様で御座いますか。私は彼がレイク家と関係があるかどうか調査しに行って参りますので、これで」


お面の者は突如として消え去った。

試験官はオノバーの顔を覗き込むように見る。


「君、凄いね。他の参加者はこうもいかないよ」


「そうなんですか。ありがとうございます」


オノバーは机に短剣を放す。


「あとで、そっちに届書を届ける。それで兵士になるかどうか決めてね。提出は明日までで場所は城の入口。よろしく頼むね。ということで帰っていいよ」


「分かりました」


試験官はまた、移門(ゲート)を出した。

オノバーはその中に入り、元の場所へ戻ってくる。

そして、闘技場を後にした。


------


「ただいま〜」


家に帰ったオノバーは靴を丁寧に脱ぎ捨てた。


そして、リビングの奥にある部屋のドアの前に行くと、それに三回ノックした。

しかし、返事が無い。


(まさか......!)

オノバーは急いでドアを開ける。


......


しかし、そこには、ばあやとレウターがおり、二人は机を挟んで、なにかを話していたようだ。


「おかえりなさいませ」


ばあやは優しい笑顔でそう言った。


「よっ」


レウターもオノバーに向けて、右手を振った。


「......はぁ、何してるんだ?」


「押し売りだよ。店の奥に良いのがあったからな」


「それってこの中か。 結構小さいんだな」


オノバーはしゃがみ、椅子に括りつけてある麻袋を触る。


「あっ......」

「おい!」


二人は立ち上がって、麻袋を開けるオノバーを止めようとするが間に合わない。


中には大量の金貨と銀貨と銅貨が入っていた。


「これはどういうことだ?」


「あ〜、いや〜。買ってもらったんだよ。その......押し売りしに来たやつをだな」


レウターが左手を頭の後ろに回し、揺さぶった。

その顔には焦りが出ていた。


「随分と法外な値段だな」


「うっ......」


ばあやが止めに入ろうと椅子をしまい、二人の方へ寄った。


「な〜んてね、分かってるよ。ばあやがその金をレウター名義で俺に渡そうとしているんだろ。違うか?」


「いや、合ってる。お前すげぇな......」


「ばあやは昔から相手に恩義を感じて欲しくない癖に世話を焼きまくる人だったから、なんとなくね」


レウターは大量の金が入った麻袋をオノバーに向かって、軽く投げた。


「よし、お願いはこれでいいよな。あとはお前らでやっとけ」


そう言うとレウターは急ぎめに外に出た。


辺りに気まずい空気が流れていく。


「......勘違いしてるかもしれないけど、兵士はやらないつもりだよ。腕試しに行っただけだしね」


「つまり、試験を合格したということですね?」


ばあやは嬉しそうに飛び跳ねたりしている。

思っているより飛べてないが。


「え。もしかしてだけど、結果知らないのに渡そうとしたのか!? いつもの情報網で知ったのかと......」


それは通称、ばあやネットワークと呼ばれる。


「流石に限度ってものがありますからねぇ......しかし、本当に兵士にならないおつもりで?」


「ばあやの身が心配だからね。この金返すよ?」


オノバーはばあやの手の上に麻袋を乗せた。

ばあやはそれを渋々、受け取った。


「自分のやりたいことをすればよいのですよ? ばあやの身を案じなくとも、大丈夫です。最悪、魔導書もありますし」


「でも、魔力も少なくなってきて、魔法を使おうにもかなりの体力を使うだろ? そういうのもあるから、ここにいようと思ってるんだ」


「そうですか。それではしょうがないですね......簡易転移(ワープ)!」


その詠唱が終わるとオノバーは外に出されていた。

荷物付きで。

それに付いてきたのか頭上から紙が落ちてきて、彼の頭にちょこんと座った。

その紙は試験官が言っていた届書であった。


「あれ? もう届いてたのか......ゲッ、ビッシリ書かれてる!」


(あの感じだと家に入った瞬間にまた、転移させてくるぞ......マジでさせる気だな。はぁ。大人しく行くか)


オノバーは城に向かって歩き出した。

そうしている間に夕方になり、そこには昼間とは違う空気と光景があった。

外にいた人達はほぼ皆、家の中に入り、先程までゆっくり歩いていた馬車馬も走り出す。


オノバーが城に着く頃には夜になっていた。


「ごめんけど、あとは任せたね。流石にこの時間には来ないだろうし」


先程の試験を担当した試験官は後ろ向きで両端にいる門番に手を振った。


「あの......」


オノバーは静かに試験官の方へと近寄った。


「何者だ!」


「動くなよ?」


門番二人は大きな声を上げると槍を突き出し、オノバーに威圧を与える。


試験官はあまりの騒ぎにまた後ろを振り向いた。


「槍を下ろせ」


「しかし......!」


「この子は試験の合格者だ。僕に用があるんだろう。まさか、こんな時間に来るとは思わなかったけど」


「「はっ!」」


門番らは槍を地面に突き立て、周りを見渡す。

そして、オノバーはその紙を試験官に渡した。


「この城の裏に装置があるから、それに1152と打ってね。そこが新しい君の居場所になる。夜遅いからね、早く行った方がいいよ」


「はい!」


オノバーはそそくさとその場を去った。


全速力だったので一瞬で着くことだろう。


そこで、ポツンと置かれていた石碑を見つけた。

しかし、ただの石碑ではなく、上に1〜9までの数字が刻まれているブロックが埋め込まれていた。


試しに1を押す。


ギィィィ


そうすると、1のブロックが下がる。

ブロックが上がってきたので、また押した。


ギィィィ


次は5。


ギィィィ


最後に2。


ギィィィ


その瞬間、空間が移動し、目の前には緑色の扉が映る。


















以前の設定では国の中ではなく国の外に位置する村出身にしてたんですけど、そこの祭りで敵たちと戦って、なんか勝ったので国の中で開催されていた兵士試験に参加するという物だったのですが、展開が急すぎたので止めました。


ちなみに試験内容は魔力測定、魔力鑑定、魔法測定、乗馬試験、弓撃試験、射撃試験、注意力を確かめるための試験で参加者には知らされてないトラップ試験、そして、個人戦と団体戦。最後に試験官達による資料チェックで貧民は大体、落とされてました。

いらん設定詰め込んだせいで無理ゲーです。




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