第19話 必要のない新人講習
ドレイク帝国___研究レポート:data83
帝国使役兵器スルトの状態は良好。
我々が作成した核内エネルギーの順応が完了した。
だが、そのデータの中に違和感を見つけ課題点が一つ発覚。
それは作成した核内エネルギーだと制御が困難なこと。
元のエネルギーとは違い質素なモノであるがためにあの巨体を動かそうとすると暴走を起こしそうになり、研究室内の室温が上昇した。
これにより十二名が死亡し、三十五名が火傷を負う。
今、新たなに作成している核内エネルギーが完成したら制御が可能だと分かりました。
それに要する時間は二ヶ月半......
ズリャオでは______
工事から少し時間が経ったが、やはり直すのは当分かかりそうだ。
俺たちは仮拠点で飯を食べる。
これは......味噌汁?いや、ねこまんまか。なんでこんなに米がぐちゃぐちゃなんだよ!
俺はねこまんまをゆっくりと口に流しこむ。
うげぇ......舌が肥えたな......前だったらこれでも美味しいと思えたのに。それにしても不味い。これなら、味噌単体で食えと言われた方がまだマシだ。
「よぉ!問題児!元気してるか?」
「あ!リュウライ兵士長!どもです!......ッ! その傷!なんで、ここにいるんですか!休まないと!」
「武士の傷は誇りであり、戦の証だ。治す訳にはいかない。でも、流石にそれを何十回も繰り返すと死ぬから傷は小さくしてもらってる」
「小さくしてもらって、それなんですか!?」
「いや、今は戦のスリルを噛み締めてるとこだな」
これはこれで問題児なのでは......?
「この後よ。一緒に別の飯食いに行かねぇか?多分、他の班のとこがうめぇ。戦闘部隊の料理はあの大雑把な総兵士長殿が作りやがったからな」
あいつかぁ〜!?
「もちろん行かさせてもらいます!!!」
すると黙り込んでた兵士たちが立ち上がる。
「リュウライ兵士長......私たちも行かさせてください......」
「私も!」
「俺も!」
やっぱ、嫌だよな!
「そうか!じゃあ皆で行くぞ!」
「「「「「おぉ!!!!!」」」」」
テント内の声が防衛部隊の拠点まで聞こえていた。
「どうしたんだろう......ルル、分かる?」
「ん〜。分かんにゃい」
ルルは飯を静かにガツガツ食べる。
「あれ......ルルって狼血統の獣人じゃなかったっけ?」
「そうだよ?でも"にゃ"とかは小説とか漫画の設定でしょ?私、憧れてるんだよね。カワイイ系の女の子に!皆から可愛いって言われたい!」
「そ、そうなの?」
「うん!」
特殊部隊の拠点に俺たちがズラズラと中に入る。
だが、隻眼の女性が歩みを止めさせた。
この風格......兵士長か?
「リュウライ兵士長、なんの断りもなく我々の拠点へズカズカ入り込むのは礼儀がなってないと思うのですが」
「ライハ!今回は大目に見てくれ!あのヒューマの野郎がクソまずい料理を作ったから、舌にあの味が残ってるんだよ!」
「なるほど。状況は理解したけど、そこまで不味いなら泥水で口をゆすげば良かったのでは?」
嘘だろ......?
「おい!マジで言ってんのか!?泥水でゆすいでも消えやしねぇぞ!眼には眼を、歯には歯を、料理には料理を!!!」
「いや、すまない。冗談だよ。驚かせるつもりはなかったんだ。好きなだけ食べればいいさ。足りなければ、後でサークに連絡しとくよ」




