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少しの宴

俺は戦いも終えると拠点へ戻り、この出来事を全て報告をした。

もちろん、総兵士長だけにだ。

総兵士長らは事の発端を話すと誤解が解ける。

ズリャオがそのお詫びとして宴を開いた。

宴の席では何故か俺が乾杯の合図をすることになった。


なんで......俺がこんなことを......恥ずかしい......

「戦争が終結したことを祝って乾杯〜!」

会場に雄叫びがこだまする。


うるせぇよ......一応、ここ拠点を合体させただけの場所だからな?

国がどうなるか危ういって時に......


すると誰かが俺の肩に腕を乗せてきた。

「楽しんでいこうぜ?お前が大金星だからな。乾杯の合図はお前に任せた。もっとお気楽にいったらどうだ?」


「よくお分かりですね。ヒューマ総兵士長殿」


「そんな警戒すんなって!ヒューマでいい!あと、こっちにいるのはベータとウルウ爺!作戦会議の時に見たと思うけど!」


「アナタは命の恩人だ。俺のことはベータと呼んでくれ」


「では、私のことはウルウ爺と呼んでください」


「俺なんかのところに三人が固まっていいんですか?他の兵士達が嫉妬しますよ?」


「いいの、いいの!それより......お前さ、なんか欲しい物とかあんの?国を救ってくれたからな......報酬を渡したいんだ」


報酬......いや、特に欲しい物はないな......あっ!念の為に釘刺しとくか......


「欲しい物はないので代わりとして、俺のことは兵士たちに伝えないでくださいね?」


虚をつかれたのか、きょとんとしている。


「なんだよ!そんなことか!俺に任せんしゃい!」


ヒューマが胸をドンと叩くとデイアンが酒瓶を持ってくる。


「おい、ヒューマ!ちょっと話したいことがある。あとオノバーとギルマン、ベータもこい!」


酒の席を外すと拠点の外へ出た。


「集まってくれてありがとう、お前たちに集まってもらったのは簡単にいうと強いからだ。オノバーはよく分からんけどバカ強い、ギルマンも才能は俺たちに匹敵する。ヒューマも俺と同等に戦えているし、ベータは隠密に長けていて1対1でも遅れを取らない」


「ウルウ爺は?」


確かに......同じ総兵士長であり、同じ準二級のはずだ。


「ウルウは経験豊富で、それでいて防御力が高ぇ。でもな。これからはそんなんじゃダメだ」


「これからはっていうのはどういうことだ!」


「今回の一連には帝国が関係している......戦士長のジッテルが秘密裏に調べていた。そしてその情報は俺たちで処理しようと思っていたのだが、あまりにも大きすぎた」


「帝国......終わりかもな。多分、さっきの人形野郎よりも脅威になるだろう。オノバーの話だと氷山の一角らしいから尚更な」


「だからここで一回教えとこう。本来なら表で流れることのない内部情報をお前らだけに渡す」


何か思うところがあるのか?とりあえず聞けるところまで聞くか。


「何故だ?全員に渡した方が合理的なはずだ。それについてデイアン、アナタの答えを聞きたい」


「オノバー、ごもっともな意見だが......帝国のスパイがいる可能性、帝国の隠密部隊が隠れている可能性を考慮してお前らに渡すのがいいと考えた。ヒューマの弟にも渡していいと思っていたんだが予想以上の下戸でぶっ倒れやがったからな」


「なるほど、そうなればそっちの方が合理的ですね」


「では、内部情報をいうぞ?いいな?一回しかいわない。書類に残せば相手に知られる危険がある。だから口頭で伝える。帝国は元々、六つの国から出来ていて、他国を滅ぼし自国の領土にしている。それで今回の標的が俺らの国ってことだ。仲違いさせボロボロの状態で滅ぼそうとしたのだろうな」


「マジかよ!」


「とりあえず、相手の戦力についてを言わせてもらう。ハッキリいって勝ち筋が見えん。準一級以上が居座る五天王。四級以上の隊長たち、3人だけの純英雄級チーム"虎の尾"、単体でも戦える皇帝、そして謎の魔宝具。最後に火山之番人(スルト)だな。この圧倒的戦力だ。俺たちはヒットアンドアウェイで徹する。逃げるにしても、ほぼ無理だしな」


今回の戦争では両国での被害は3000人で抑えられていたが......この戦力......被害は......!


「10万」


「ん?10万?なんだその数は......?」


「今回、帝国とぶつかった際の死者数だ。あくまで予想だがな」


「そうか......」


「だが、それは策次第だ。策次第で半分近くは減らせる」


「少なくとも5万人は居なくなるのか......」


「オノバー、デイアン殿少し待ってくれ。帝国が今、攻めてくるのもおかしな話。攻めるなら一気に攻めればいい。だってあっちには火山之番人(スルト)がいる。でも、そうしないということは火山之番人(スルト)核内のエネルギーは不完全。そうなれば、動く時間に限りがあるということ。逃げることもまた一つの策だ」


「でも、それがもし本当ならさ!暴走とか自爆の可能性も充分あるんじゃね?」


「確かに......それもそうだな。じゃあ、作戦は全てヒューマに担当させる」


「は!?ベータ!おかしいだろ!ここは皆でやる感じじゃないのかよ!?」


「う〜ん、悪くはないな。ヒューマに一任させることによって俺はゆっくりと煙草と酒を(たしな)むことができる」


「デイアン、てめぇ!おい、ギルマンはどう思う!コイツら」


「......」


ギルマンはサムズアップをする。


「何もよかねぇよ!あと、お前もちゃっかり投げやりしてんな!」


皆、なんかやってるし乗ってやろ。


「僕は......か弱いし、位も低いからヒューマさんに任せます!」


「オノバー......!こういう時に可愛子ぶりやがって......あ〜......!もう!分かった!やればいいんだろ!?やれば!」


「「「よぉし!」」」


「その代わり!デイアン!お前だけは許さん!俺が策を講じている時に自分だけで楽しむんだからな!後で戦力をもっと詳しく説明しろ!作戦が立てずれぇ......!持ってんだろ?」


「嘘だろ......?まぁ分かった。だが、金はたんまり貰うからな」


「背に腹はかえられん、いいだろう!」


デイアンとヒューマは違う場所へ歩いて移動する。


「作戦立てている間、酒飲んでいい?」


「ダメだ」


二人が見えなくなる。



あの人たちは自国に帰らせた方がいいのでは......?まぁいいや、束の間の休息というのは必要だろうな......労働という名の地獄に......


次の日......


俺たちは防護服を着け、ヘルメットを被せる。

なにをするのかって?運搬だ。

150kgの資材を持ち二十回往復する。それがノルマ。


「お〜い......オノバー、いつまで運べばいいんだ?」


「随分、お疲れのようだねアザゼル。あと十三往復ね」


「そりゃねぇよ......ズリャオの土地が結構、消失したのってお前のせいだし......」


「でも、俺がやらなかったら、ほぼ全員死んでたぞ?」


「うぅ〜!それでも、お前が持てよ!楽勝そうに資材箱30個運んでるし!」


「実際、もっと持てるけど目立ちたくないからさ」


「充分目立ってるぞ......?」


「マジ?」


すると誰かに背中をドンッ!と思いっきり叩かれる。


痛ってぇ......!もしかして......


「オノバー!やっほ〜!あとアザゼルも」


「あっ、ルル!大丈夫だったか?あと、よくこの荷物の量を見て叩こうと思えたよね......」


「私の地獄耳で後半部分は全部聞き取れたよ!楽勝だっていってたから叩いた!」


「楽勝っていったのアザゼルだよ」


「え?間違えちゃった!許してね!テヘッ」


「お前がそんなのやったって可愛(かわい)かねぇんだよ!」


「なんだって?アザゼル!もう一度言ってみろ!」


「おい!がっつくなって!荷物が崩れるだろ!崩れたらお前の責任な!怒られるのはもう勘弁だ!」


「それよりも謝れぇ!」


「相変わらずあの二人は......おっと、オノバー君ども〜!気絶しちゃって起きたら真っ暗で誰もいないから焦ったよ......何はともあれ、君たちが無事で何より」


「スミス!そういや、仕事は?」


「僕達はちゃんと皆が働いているかを見る係だって、楽って思うかも知れないけど大変だよ?一人でも見落としがあれば説教だ」


嘘だろ!?今、荷物を運んでいるのが合計で50万近くだったはず!それを一人でも見落としすれば説教って......ブラックだな......


「なんか......大変だな」
















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