第12話 動く鎧
「ちょっと待て!お前、そんなんでも一介の神だろ!?なんで知らないんだよ!」
「うんうん!」
「しょうがないでしょ!アバドンが教えてくんないんだもん!しかも死神は現世や神界の情報網と隔絶されてるんだから!」
「じゃあ、なんで"十二厄災"を知ってるんだよ!」
「え〜......それは......上の神がくれた情報......」
「あれ?さっき、隔絶されてるとか言ってなかったかな?」
「うっ......これにもちょっと条件があって、通常時は情報が提供されることはないけど緊急時だと死神も関与したりするから情報が提供されるんだよね。だからさっきのもあながち間違ってない」
「なるほどね。これで確実にわかったわ。死神は不便」
「ん?」
「そうだな。死神は不便だ」
「ん!?」
「いや〜。ほんっとうに死神って不便だよな〜。情報も自由に得られない、自由に動けない・行動できない!神なのに人よりも束縛されている!あぁ!なんて悲しいことか......」
モルスは椅子にもたれかかっている鎌を持つ。
「それ以上いうつもりなら斬るよ?」
「めんご」
「遺言は以上か?」
「ホンマにすんませんでした......」
「とりあえず、穢祓の英雄って誰?」
「え?あぁ......穢祓の英雄はな。厄災を倒すために集められた人達でな。協力的な国の中で最強の国を決め、その中での最高戦力の一人選ぶ、そういう感じだ。それで集まった英雄は7人だけだった。その英雄達にはわかりやすいよう肩書きが添えられた。今、わかっている限りでは鎧王・剣王・鎌・魔導王・慈悲・軍長の六人。最後の一人に関しては肩書きも愚か、それに関する文献や資料、物品もない。だがら最後の一人だけは誤報かデマだと言われている。まぁ、それを除いたとしても今の英雄級とは比べ物にならないほど強いのは確かだ」
「へぇ......でさ!厄災は倒せたの?」
モルスは目を輝かせながらティアを見つめる。
「モルスちゃん、僕が答えるよ。その英雄達は国を軽く壊滅させるほどの力を持っていたけど相手が悪すぎたんだ......厄災の前には英雄達は為す術なく散っていった。一応、火山之番人と大海之守護神、大空之支配者を再起不能にできたけど死んだわけじゃない。良くいえば厄災を退けた、でも逆に悪くいえば無駄死にだね」
「......そう......確かに厄災が倒せたっていう情報は聞いていなかったけど、今は暴れている様子もなかったからてっきり排除できたのかと思ってた......その英雄たちと神の力を合わせても勝てないなんてどんな化け物よ......!あっ!そうだ!他の厄災は無理かも知んないけど火山之番人はいけるんじゃない?帝国に潜んで破壊する感じで!」
「アリかもしれないけど火山之番人には自爆能力が存在するらしい。それで鎧王は瀕死になったからね」
「じゃあどうやって勝つのよ?」
「朧蓋ちゃんならもしか......」
ティアが言い終わる前にこの空間が激しく揺れた。
「おい!なんだよ!これ!」
「現世で何らかの衝撃が加えられているみたい!でも普通に揺らしてるぐらいかな?なら......多分起こされてる!」
「起こされてるっていわれてもどうするんだ?」
「まぁ、どちらにせよ。あと3分ぐらい揺らされたら起きるけど......なんかめんどくさいし離脱〜!」
「ちょっ......」
俺の意識は暗闇となるが起こされている状態なため目が少し覚めたと思ったら急に目の前が眩しくなる。
「はぁっ!はぁはぁはぁ......ふぅ......」
死ぬかと思った!脳が働いた直後に寝た思たら起こされたせいか心臓いてぇし頭痛もする......これは離脱して正解だな......!
本当にありがたい......!
「オノバー君大丈夫?白湯いる?」
「ありがとうございます......」
あぁ......なんかほっこりする......
まぁまだ心臓と頭いてぇけど。
ズキズキガンガンが止まんないのよ。もう。
それで昨日みたいに豪華な飯を食ってなんか軽くストレッチして。
のんびりしたら少し外出て飯食って食材とか諸々買って寮にたのもーして飯食って風呂入って歯磨いて寝る。
こういう生活を繰り返していた。
ふとある日、急に目が覚めたから水でも飲もうかとリビングに向かったら何故か鎧が椅子に鎮座してた。
自分でもなにを見ているのか......幽霊かな?
幽霊を信じない俺でもこれは信じそうになってしまった。
一応.......試してみるか......
「誰ですか?」
「......」
置物か?でもアイツらのことだからこんなの興味無いはず......
装備にしても俺たちの階級が持てるようなものじゃないしな......
ん?動いたな!?これは......ヤバい......
すると奥の部屋から足音がする。
「ん〜?あれ、オノバー起きてたの?私もちょっと早く起きちゃっ......あっ!ギルマン!帰って来てたんだ!」
「ルル!ちょっと離れ.......って知ってるのか?」
「知ってるっていうかここの人だからね!前言ってたもう1人の寮員だよ!国王補佐兼!戦闘部隊四番隊四級兵士長ギルマン・レイズ!寡黙なところが少しいたいけどそれ以外は完璧!」
さらっと凄いこといったよな......国王補佐?
そして四級ということはこの国ではかなりの実力者。
この人も問題児なのか?
「おっ!ギルマンさん!オノバー君とルルもいるね!ちょっと皆!早めにアザゼル起こしたいからさ!手伝ってくんない?」
いつの間に起きてたんだ!?まぁいいや。
皆、奥の部屋へ行き色々して寝てるアザゼルをなんとか起こした。
「なんで皆疲れてるんだよ?」
お前のせいだよ......
「アンタ......起きなさすぎ......今日は異常!」
「いやぁ、すまん!ちょっと寒気がしてな!布団被せすぎて起きれなかった!」
「そんなもんじゃないよ......」
本当にそれには同感する......
「とりあえず!今日は訓練場に行くか!」
「じゃあ、ご飯食べてからだね......ギルマンさんは......?」
ギルマンは真ん中の三本指を立てるようなハンドサインをする。
「なるほど!分かりました!オノバー君ごめんけど食材斬ってくれる?四人分でいいから」
「了解!」
「アザゼルとルルは食べる準備して!」
「「イエッサー!」」
ギルマンはドアの方向に指を指す仕草をする。
「はい!ではギルマンさん、行ってらっしゃい!」
何気に対応能力すごいよなぁ......
食事後にて......
「ハッハッハ!食った食った!」
「食いすぎだよ!この後、訓練場行くんでしょ?」
「あっ!そっか!忘れてたわ!」
「はぁ......」
「それじゃ、上位転移で移動します?」
「え!?上位転移使えるの!?」
ん?
「オノバー!魔法の才はあるんだな!」
あぁ......そうか......上位転移って習得するのまぁまぁ時間かかるんだっけ?
「とりあえず!行こ!」
「よし!おっけ!行くよ!上位転移」
部屋内からまるでいなかったかのように姿を消した。
「訓練場じゃねぇか!本当に使えるんだな!」
「嘘いってどうすんだよ......」
「ハッハッハ、すまんすまん!」
「ちょっ!アザゼル!危ないよ!」
アザゼルは後ろにいる人にぶつかる。
「おっと、すんませ......」
するとアザゼルの首に刀の刃が向けられる。
「「「ッ!?」」」
十二厄災のことを記したノート
十二厄災......人々が変わらず平和な生活を送っていると、瞬く間に現れ世を震撼させた......怪物。
その強さは圧倒的で名のある英雄が飛びかかっても傷一つ付けられなかった。そして世界全てに影響させた戦争を巻き起こすことになるが、そこまで大きな戦いなのにも関わらず情報が乏しい。
それを記す。
1.火山之番人:30mを超えている炎と岩石の巨人。自分の身が危なくなると核内のエネルギーを暴発させ自爆する。
この自爆でスルト自身にはダメージは無い。今はエネルギーが尽き果て、動くことが出来ない。
2.大海之守護神:巨大な海蛇の姿をしており、鱗が硬く、魔宝具でも傷一つつけることが出来ないとされている。そして毒を使い、水に染み込ませるため。こいつがいる海に近寄ることすら困難。今は封印されている。
3.神之反逆獣:狼の厄災で爪が鋭くヨルムンガンドの鱗をも貫くことでできるらしい。今は不明。
5.屍人賊兵:合計5000体いるとされている骨の厄災。一体で一級クラスはあるとされており、倒すことができないともされている。あの偉大なる魔導王でさえも五十体しか封印出来なかった。
6.魂之看守:これも狼の姿をしており、フェンリルほど、強靭ではないが、罪のある魂を連れ去るらしい。今は不明。
7.陽日之支配者:詳細不明。
8.月夜之支配者:詳細不明。
9.滅国之王:今は滅びた国ヨトンヘルムに居座る巨大な龍。詳細は不明。
10.空之支配者:空を舞う龍であるがファフニールより小さく脆弱。だが、その力の真価は素早いことである。英雄でも肉眼で捉えることは難しい。今は墜落した後のことは不明。
11.戦之鍵:詳細不明。ラグナロクのキーなのは確か。
12.終焉之大厄災:詳細不明であるが、これだけは言える。こいつが現代へ顕現した場合、世界が亡びる。




