家2
1日2話目ッッ!是非読んでください!
埼玉県某市 昼
二人は『呪われた家』の門のまで来ていた。
家は今の時代にしてはそこそこ大きく白い2階立ての家で小さな庭も確認できた。年月がたったせいで所々ツタが伸びてしまっていたり、草が生い茂ってしまっていたがそれでも一目見て立派だとわかるような家だった。
そんな家を見て開口一番、龍が口を開いた。
「んー?なんかおかしな家だなぁ?」
「そうだね、妖気自体は大きいけど弱い……まるで今にも消えそうだ。これなら僧侶達でもどうにか出来そうな気がするんだけど……」
「でも実際、大祓えも失敗して僧侶達も姿が見えなくなってる訳だしなぁ、どういうこった?」
「こういう時は情報収集に限るね」
「だな」
二人はしばし付近を散策しながら情報を集める事にした。
「すみません、ちょっとお話を聴いてもよろしいですか?」
蓮が犬の散歩中だったマダムに声をかける。
「あらやだ、ナンパ?でもお坊さん?もいるし……」
「あ、いえ、違います…実は僕たちあの家に関して少し調査をしているんですよ」
そう言うとマダムの顔があからさまに引き攣った。
「あそこの家には関わらないほうがいいわよ〜?あの家、呪われてるんだから」
「いつからそんな話が出始めたんですか?」
「さぁ、どうだったかしらねぇ……数年くらい前かしら?確か住んでたご主人が行方不明になったとかで、それくらいじゃなかったかしらねぇ〜」
「人が住んでたんですか?」
「住んでたわよ、老齢のおじいちゃんが一人。ちょっと変わった人だったらしいわねぇ〜」
「変わった人、と言うと?」
「私は犬の散歩で前を通るだけだから詳しくは知らないけど、どうも家をとても大切にしていたのかしら、ほぼ毎日家を磨いていたわよ。あとこれは聞いた話だけど敷地内に誰も入れなかったとか、一度セールスマンが家の門を跨いだだけで物凄い剣幕で怒鳴り散らしていたしいわよぉ〜」
「なるほど…お話、ありがとうございました。お時間をとらせてしまってすみません」
「あらぁ〜いいのよぉ〜それより君、カワイイしこの後、お茶でもどーお?」
マダムがねっとりと話しかけてくる。
「あ、い、いえ、僕たちはまだ調べ物をしなければいけないので……」
「あらぁ〜ん、残念ねぇ〜」
二人はマダムを見送った。
「んー、もう少し情報がほしいね」
「んじゃ、アレやっとくか!……おっ、丁度いい所に」
そう龍が言うと龍は突然、道を歩いていた猫に話しかけはじめた。
「よぉ、ちぃーと話を聴きてーんだが」
ニャーン。猫は鳴くだけだった。
「俺ら見れば何となくわかんだろ?俺らの前で猫被ったって無駄だぜ?」
ニャーン。猫は鳴くだけだった。
「チッ、しゃーねーな」
そういうと龍は懐から何かを取り出した。それは──猫用の食べ物チュールだった。そしてその効果は……絶大だった。
「チ゛ュ゛ー゛ル゛だニャアアアアアアアア!!!!!」
……猫は完全に人の言葉を喋っていた。所謂『化け猫』というやつだ。
「おおっと、コイツを渡す前にちと話を聴かせろ」
「なんニャ!は、早く話すニャ!そして早くチュールを寄越すのニャアアアアア!!!」
「あーわかったわかった。聴きてーのはあの家の事なんだがよ」
すると、化け猫は神妙な面持ちで話し始めた。
「あぁ、あの家ニャ。あの家は近寄らないほうがいいニャ。ニャーの仲間もみんなあの家に入っていなくなったニャ」
「あの家、なんか居んのか?」
「わからないニャ。ニャーは入った事ないし……でもちょっと前、あそこの家のご主人が居た頃は仲間達と庭でよく遊んでもらってたニャ。その頃は特に何の気配も感じなかったニャ。いい人間だったニャー、チュールもくれたし」
「あそこの家の主人は何処行ったんだ?」
「それがニャーもわからないのニャ。気づいたら居なくなってたのニャ。でも殺されたり誘拐されたとかいう訳じゃなく本当に忽然と姿を消したのニャ」
「ふーん、なるほどねぇ」
ここで蓮が一旦情報を整理する。
「話を纏めると・あの家には少し変わった人が住んでいた・その人は家をとても大切にしていた・主人がいた頃は特に何かが居た形跡は無し・そして主人がいなくなった頃、呪われた家と呼ばれるようになり始めた。と言った所だね。」
「主人が怨霊にでもなってんのか?つっても、一体の霊というよりはあの家全体がおかしい感じだったしなぁ」
「後は実際入ってみないとわからないね」
二人が会話していると化け猫がピョンピョンと飛び跳ねながら龍にせがむ。
「そ、そんなことよりもう話したんだからチュールを!チュールを!」
「おぉ、悪ぃ悪ぃ。ほらよ」
「チ゛ュ゛ー゛ル゛だニャアアアアアアアア!!!!!」
化け猫は勢いよくガツガツとチュールにかぶりつき始めた。
「それより、こっちも聴きたいことがあるニャ。お兄さん達二人ともホントに人間ニャ?特にそっちのボサボサ眼鏡」
「ボサ……」
「お兄さんからは妖気を感じるニャ。普通妖気は妖怪しか持ってないはずニャ……そんな事、人間に可能なのかニャ?」
蓮は少し暗い表情をする。
「…………まぁ色々あってね……」
「コイツは人間さ。間違いなくな」
「……そうニャ。まぁ、深くは聞かないニャ」
それ以降、化け猫は喋る事なくチュールをひたすら貪っていた。
「……さぁて!んじゃ、後は夜まで待つとするかね」
「そうだね」
夜は怪異が最も活発になる時間帯。二人は夜までしばし体を休めたのであった。
そして夜──二人は家の門の前まで来ていた。
「さぁて、行くとするかぁ!」
「やれやれ…鬼が出るか蛇が出るか…」
二人は家の中へと入っていった。
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