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奇々怪界な魑魅魍魎  作者: まちおさ
第4章 鬼
21/38

鬼3

投稿しました!よろしくお願いします!

龍vs酒呑童子


酒呑童子は一直線に龍へ向かっていき瓢箪の紐を掴み勢いよく龍に振り下ろした。

龍も錫杖でそれを受け止める。


「くっ…!」


衝撃で地面が陥没する。

だが酒呑童子の攻撃は終わらない。


「オラオラァ!どしたどしたァ!!」


瓢箪による怒涛の連続攻撃。一発一発がとてつもなく重い。

龍はなんとか一瞬の隙を突き、瓢箪を弾き返しお返しとばかりに錫杖を酒呑童子の胴体目掛けて横薙ぎに振る。


「オラァッ!」


だが──


「おっとォ!!」


錫杖は虚しく空を切り逆に距離を取られる。

だが龍は。ここだと言わんばかりに懐から金剛杵を取り出す。


「食らえやあああああ!!──忿怒尊(ヴァジュラ)!!」


龍は金剛杵を勢いよく投擲する。

爆炎を纏い回転しながら酒呑童子目掛けて一直線に飛んで行く。

しかし、酒呑童子は冷静だった。

酒呑童子は瓢箪に口を付け中身を口に含めると勢いよく噴き出した。

すると、酒呑童子の口から忿怒尊の爆炎を掻き消すほどの豪炎が放たれた。

豪炎は忿怒尊を呑み込み、龍に迫る。


「チィッ!!──五芒結界の陣!!」


龍を中心に五芒星の結界が張り巡らされる。

だが、豪炎が結界ごと包み込む。

結界に徐々にヒビが入りはじめる。

そして──結界が割れた

豪炎が龍を包み込む。


「ぐああああああ!!!」


忿怒尊と結界のおかげで威力が弱まったのか、豪炎は龍を数秒包んだだけで跡形もなく消えた。

龍は全身を焦がす程度で命に別状はなかったが、さすがにガクリと片膝をついた。

錫杖が龍の手から離れる。

酒呑童子がその隙を突き瓢箪を振り上げ一気に龍へ近づく。


「クカカ!もらったァ!」


すると、龍が普段はしない低いドスの効いた声で静かに告げる。


「────調子に乗んなよおい?」


「──ッ!?」


ゾクリ──

酒呑童子が慌てて距離をとった。

酒呑童子の背中を冷たい汗が走る。


(何だ今の殺気は…?まさかコイツ、今まで本気じゃなかったのか!?)


見ると酒呑童子の手がプルプルと震えている。


(この俺様が…震えているだと…!?)


龍が首をコキコキと鳴らしながら立ち上がる。


「この野郎ォ、身体中が焦げちまったじゃねぇかよ」


龍が右腕を天に掲げ、左手を口元に添え印を結ぶ。すると空を分厚い雲が覆った。


「お返しだ」


ニィッと不敵な笑みを浮かべながら、龍が詠唱を開始する。


「オン・サンダリヤ・ウンケン・ソワカ・ノウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ……我、(いかづち)に命ず、その光で悪きを浄滅せよ──」


酒呑童子の頭上の雲が渦を巻く。


「消えろやあああああ!!!帝釈天(インドラ)ッッ!!」


詠唱が終わると同時に龍が勢いよく右腕を振り下ろす。

すると酒呑童子の頭上、雲の渦の中心から爆光と共に極大の雷が酒呑童子に落ちた。雷は酒呑童子を呑み込み()()()()()

咄嗟に両腕で頭上をガードするが焼石に水だった。


「ぐぬあぁああぁぁああ!!!!」


数十秒経った頃、ようやく雷が収まった。

後には両腕を吹き飛ばされ全身が黒く焦げた酒呑童子が仰向けに倒れ伏していた。

龍が酒呑童子の元へ歩きを見下げながら口を開く。


「消し飛ばす気だったが……アレを受けてまだ形を保てるかよ。流石、酒呑童子だな」


「クカ……カカカ……とんでもねぇ陰陽師だな……ガフッ!……これじゃ、どっちが化物かわかりゃしねぇ……」


龍は酒呑童子の最後を看取る。


「俺様を倒した褒美だ……いい事教えてやる……この世に俺様達を()()()()()()()()()。何が目的か知らねぇが……精々気をつけるこったな……」


「……忠告ありがとよ」


「クカカカ……中々……楽しかったぜ……あば……よ…」


酒呑童子は生き絶え、霧散していった。

ここまで読んで頂きありがとうございます!レビュー、ブクマ、ご感想お待ちしてます!

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