表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/46

第三十二話:根拠のない大丈夫


きょとんとしている僕らを尻目に、カジ君は話を続ける。

「えっと、お二人は何でこの世界に来たか解らないんスよね? それがひっじょーにまずいんス。この世界、<モノクローム>っていうんスけど、見ての通り、何もないんス。この何もない世界で自分を何か分からないってことは、存在自体があるかどうかわからないって事と同義なんス。んで、そういう人達は<イレギュラー>って言って、モノクロームの秩序を破壊する存在として恐れられているんスよ」

クオリアさんは首をかしげ、カジ君に尋ねる。

「なんで自分が何か分からないと、世界を破壊する存在になるんだ?」

カジ君は困ったような顔をして、しばらく沈黙した後、

「うーん、そう言えば何でなんだろう。俺もそういう風にいい聞かせられただけで、何でかは知らないんスよ。とにかく<イレギュラー>はおっかない存在だから関わっちゃダメですよーって教えられるんス」

クオリアさんは、ぼくと自分を指差し、カジ君に尋ねる。

「俺と、ナナ。そんなおっかない奴らに見えるか?」

「みえないッス」

「なら大丈夫だろ。別に俺らも世界をぶっ壊そうなんて考えちゃいないし、するつもりもないしな。そうだろ? ナナ」

突然話を振られて少し驚きつつ、ぼくは頷く。

「大丈夫、なんスか?」

「大丈夫、大丈夫! 取って食うつもりなら始めっからそうしてる。んでよ。相談なんだが」

クオリアさんはにやりと笑って言う。

「お前の仲間を助けてやるから、ちょっと俺らがこの世界から出る方法を一緒に探してくれ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ