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閑話8.悪友との宴会

フロックスが到着した日、ロキはオリビエに頼んで酒の肴を大量に用意してもらっていた

皆がサロンでくつろいでいる時間からカフェにダビアとフロックスを誘った


「どうした?」

「いや、久々にな」

そう言いながらテーブルに酒と肴を並べていく


「オリビエに頼んだのか?」

「ああ。ダビア2人分頼んだらこの量だ」

「相変わらずできた嫁だな」

並べられる量にダビアが苦笑しながら言う


「だろ?楽しめってこれも付けてくれた」

「これは?」

フロックスが初めて見る銘柄の酒を手に取った


「初めて見る文字だな?」

「お前なら知ってるだろ?歌姫が召喚された時もう一人いたって」

「あ、あぁ。でもそれはただの噂じゃないのか?」

「いや。召喚されたのは2人。そのもう一人がオリビエだ」

「…は?」

フロックスは信じられないという顔でダビアを見ると頷いて返される


「このことは3国の王も知ってる。他に知ってるのはこの屋敷の住人くらいか」

「…マジか…ひょっとしてあの創作料理って…」

「あいつの世界の料理だな。美味いぞ」

サラッと言われてため息をつく


「このカフェはお前の援助で?」

「いや。オリビエはこの屋敷と1年分の生活費をナルシスから渡されてる」

「そんな金でカフェが出来るとは思わないが?しかも人も雇ってるんだろう?」

「ああ。その金はオリビエ自身が調達してるよ。俺の金は最初から受け取る気がないし出そうとしたら機嫌が悪くなる」

「嘘だろ?」

フロックスはロキが元ゴールドの称号持ちで、その称号をオークションで売ったことも知っている

だからこそ、その金に甘えないことが信じがたかった


「ちなみにオリビエはAランク冒険者だ」

「な…?!」

ダビアの言葉に口に運びかけた唐揚げが落ちていく


「そういうことだ。だから雇ってる人間の報酬もカフェにかかる費用も全て自分で調達してる。まぁ迷宮に潜る時は俺が一緒に行くけどな。それでも俺のドロップは食材以外受け取らないな」

「マジか…本当に色んな意味で規格外だな…お前が結婚するわけだ」

「だろ?そういうお前はどうなんだ?」

「俺にそんな女がいると思うか?」

「「思わねぇな」」

2人揃った断定にフロックスは項垂れる


「その通りだよ。寄ってくるのは金と地位目当ての阿婆擦ればっかだ。俺も一緒に迷宮に潜る様な女が欲しいよ」

「ならこの町に来たのは正解だな」

「何で?」

「カクテュスの国民性は?」

「…戦闘狂!」

「そう言うことだ。山をぶち抜いたおかげで王都まで馬で2時間弱、ここには迷宮が多いから冒険者が増えてきてる」

ダビアがニヤリと笑う


「つまり…」

「その中には女の冒険者もいるってことだ」

「ちなみにダビアは即席パーティー組んで色んな奴と迷宮潜ってる」

「それ俺も出来んのか?」

「出来るな」

「それは有り難い。一人で潜るのは流石に避けたいからな。しかもその相手が女なら最高だ」

「まぁお前もSランクだし向こうに引かれるってこともないだろうしな。せいぜい頑張れ」

「…嫁持ちの余裕発言がムカつくな」

「それ、気にしたら負けだぞ。こいつら町が認めるおしどり夫婦だから」

「クロキュスがなぁ…」

「昔のこいつからは想像できないだろ?」

ダビアの言葉にフロックスはしきりに頷いている


「ちなみにマロニエはこの町の女捕まえてるぞ。屋台でスイーツ売ってる」

「あいつまでか…お前らせこすぎだろ」

「ダビアが来てすぐに声かけてやったのに来なかったのは誰だよ?」

「それはお前に情報流すためにだなぁ…」

フロックスは身を乗り出して抗議する


「確かにそれは助かったな」

「だろ?だったら俺にも協力しろ」

「強力ねぇ…お前年上好みだよなぁ?」

「ああ」

「年上なら屋台のが丁度いいんじゃねぇの?迷宮には行けねぇけどそこから繋げてもらえば?」

「屋台?」

「マロニエの女がしてる屋台は幼馴染で日替わりで出してんだよ。そいつらがほとんど俺らより上だったはず。一人はカクテュスの騎士とくっついたみたいだけどな」

「そういやそうだな。屋台出した翌朝、売れ残りをカフェに持ってくるからカフェに顔出してりゃ会えるな。もしくは屋台に通え」

その言葉にフロックスは顔を上げた

きっと明日からカフェに顔を出す事だろう

見目の良いフロックスがいればそれを目当てに来る客も増えるだろうと、ロキはほくそ笑む


その後も昔話に花を咲かせながら3人は飲み明かしていた


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