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71.話合い

「…とまぁ王都は大変なことになっているらしい」

サロンで皆がいる前でロキは先ほど届いた手紙の内容を話した


「今日の婚姻式で3国に喧嘩を売ったということか?」

「まぁそう取られてもおかしくないだろうな。ソンシティヴュはこれから大変になるだろう」

「フジェの町は幸運だったのね」

「そうだな。忘れられた町と言われていたのが救いとなるとは…」

喜んでいいのか悲しんでいいのか微妙だと苦笑が漏れる


「ねぇロキ」

「ん?」

「この情報をくれてる側近さんは大丈夫なの?」

ここまで情報を漏らしながら側近として王宮にいるのはかなり危険な気がする


「その側近はお前の後釜か?」

「ああ。フロックスだ」

「なら問題ないだろ」

ダビアがあっさりそう言った


「ダビアも知ってる人なの?」

「ああ。俺とクロキュスの悪友だ。元魔術師団長でもあるな」

「フロックスには頃合いを見てこっちに来るように言ってある。こっちの騎士団にも話は通してあるしな」

「そうなんだ。ならいいんだけど…」

こっちの協力者が犠牲になるのは流石に夢見が悪い


「副団長…今の騎士団長にも声をかけてあるんだが…精鋭と共にこっちに来いとな」

「え?でも騎士団って称号持ちが多いんじゃないの?」

「精鋭に称号持ちはほとんどいない。俺らが異例なだけだ」

「え?」

マロニエの言葉に首を傾げてしまった


「精鋭は前線に出る。称号持ちは基本そういう場は避けるんだよ」

ロキが笑いながら言う


「元々家を継げないから騎士になるやつが多い。そんな奴が民の為に最前線で命を張るなんて考えるわけないだろ?騎士団に入るのは王族に向けたパフォーマンスみたいなものだな」

「あぁ、なるほど」

納得できてしまうのが残念過ぎるけど


「ただ団長は大抵称号持ちから選ばれる」

「じゃぁその団長さんは手を回さないとだよね?」

「ああ、確か妹と2人だったか?」

「それがネックでさ。妹の方がナルシスのメイド。未だに来てないってことはそれが原因だろう」

ナルシスのということは簡単に辞めることが出来ないということだ


「今回の件で余計に難しくなるんじゃないか?精鋭も本来なら辞表で済むけど、緊急事態ともいえる状態ではそれも叶わない」

「…フロックスに協力させるか」

暫く黙って聞いていたロキがそうつぶやいた


「協力って?」

「あいつ元素から自分の分身作り出して死んだように見せかけるって言ってたからな。いっそ感染症でも作り上げりゃいいんじゃないか?」

「なるほど…感染症なら遺体は1か所にまとめて埋葬されますね」

マロニエが納得したように頷く


「どういうこと?まとめられたからって誤魔化せるものなの?」

「感染症の場合指定した場所に抗菌袋に包んで埋葬されるんだ。個人の特定は埋葬場所に運んできた者が提出した住民票だけで、勿論中を確認する奴もいない」

「そっか。感染症だから確認なんてしてたら余計に問題になるんだ…」

「そういうことだ。自分の等身大の同等の重さの人形を作ってそれを埋葬場所に自分ではこびゃいい」

「本来なら簡単に感染症と認めることは無いけど、フロックスが宣言すれば別だな。王の側近であり魔術師団の元団長だ。しかもあいつは医療魔法に長けてる」

ロキは得意げに言う


「じゃぁ事前に称号のない者に広めておけばいいってことだな。3国が受け入れてくれることも含めて」

「ああ。それなら既に現状を知っていて手立てがない者にも選択肢ができる」

「じゃぁ団長、カトリックに鷹を飛ばすよ」

「いや、俺からフロックスに飛ばす。あいつに計画を立てさせた方が早いからな」

「なるほど。なら頼むよ」

ダビアはあっさり引いた

それだけ悪友を信用しているということだろうか

その場で手紙を書いたロキはそのまま鷹を飛ばしていた

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