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65.商人の噂

「面白い話って?」

「何か一妻多夫の町を目指してるスゲー女がいるって」

シュロの言葉に私とロキは顔を見合わせる


「それ、詳しく聞かせてくれ」

「あ?あぁ、何でもどっかの商人にそんな街があるって聞いて目指すことにしたらしいんだけどな、町で商人捕まえて移動を繰り返してるんだと。しかもその報酬が笑えるんだ」

シュロは一旦そこで言葉を切った


「私の体を好きにしていいから次の町まで乗せてと交渉するらしい。その女が結構いい体してるらしくてさ、商人の中では結構話が広がってるらしいよ」

「ロキ…」

「ビンゴだろうな」

「だよね」

私はため息をつく


「何だ知ってる話?」

「いや、お前歌姫の話はどこまで聞いた?」

「歌姫?何か逃亡したらしいってことくらいしか…」

「…その女歌姫だ」

「はぁ?!」

うん。驚くよね


「その女移動中ずっと踊り子の格好で商人とやり続けてることもあるって噂だぞ?その淫乱が召喚した歌姫?」

「…何か元の世界のスキャンダル思い出しちゃったわ」

「一応聞こうか?」

「はは…夜の女王は毎日ハーレムを味わっていた…とか?」

「「…」」

今度はロキとシュロが顔を見合わせた


「なんにせよその町に向かってるならいい…のか?」

「そうね。元々その町にって話だったし…」

「ちょっと待ってくれ。歌姫ってオリビエと一緒に召喚されたんだよな?だとしたら王族が丁重に対応するはずだよな?」

「そういう決まりになってるな」

「だったら何であの町に…?」

「召喚されたその数時間の間にオナグルの手つきになってる。それ以前に元の世界でやりまくってたらしい。この世界は女の婚前交渉には厳しい。加えてお前も噂で聞いた通りの淫乱だ」

「そして当の本人は沢山の男性に注目されて求められるのが大好きだったりするのよね」

「…だから一妻多夫のあの町にってことか?」

「そういうことだ」

「確かにあの町は元からいる女性が逃げ出すこともあるから女性は喉から手が出るほど望まれてるけど…」

分かるけどわかりたくないと言った感じだろうか


「歌姫は美人だって聞いてたからちょっと楽しみにしてたんだけどなぁ…」

どうやら多少のあこがれがあったらしい


「残念だったな」

ロキはそう言ってからシャドウに報告するよう指示を出していた


「あの町に向かわせるのは3国間で決めたことだ。所在がつかめなかったから困ってたけど本人が向かってるなら丁度いいよ」

「まぁ俺の情報が役に立ったのなら良しとしよう」

そう言いながらもまだ浮かない顔だ

期待していた分落胆も大きいってことなのかしらね

残念だけどむしろ会わない方がさらに落胆せずに済むんじゃないかなんて思ってしまった

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