表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

69/140

61.特攻騎士集合

最初の家族が到着してから3日後、4人の騎士が屋敷を訪ねてきた

「オリビエ!騎士の人たちが来た!」

来客に気付いたロベリが見に行ってすぐに食堂に駆け込んできた


「騎士?」

首を傾げながらロベリに引っ張られながらエントランスに出ると、4人の騎士が並んで立っていた


「あ、ひょっとしてマロニエが呼び寄せた?」

「はい!突然来て申し訳ない…」

「気にしないで。ロベリ、マロニエのお友達だから起こしてきてくれる?」

「分かった」

ロベリは頷いてから階段を駆け上がっていく


「マロニエまだ寝てるみたいなんです。皆さんは朝食は済まされました?」

「俺は済んでます」

「俺はまだ…」

「俺も…」

「良ければ一緒にいかがですか?コーヒーもお淹れしますよ?」

「ああ。じゃぁお言葉に甘えて…」

4人は少し戸惑いながらもついてくる


「何だ、お前らか」

ロキが食堂に入ってきた4人を見てつぶやいた


「く、クロキュスさん!?」

何故か声が裏返っている

何かあったのかしらとロキを見ると、首をかしげて返された


「本当にいた…」

震える声で続けられたのはそんな言葉だった

「お前俺を何だと思ってんだよ?」

呆れたように言うロキに笑ってしまう


「空いてる席にどうぞ。サンドイッチなのでお好きなだけ召し上がれ」

コーヒーを人数分用意しながら言う


「オリビエのサンドイッチ美味しいよ!」

コルザが頬張りながら言う


「口に入れたまましゃべらないの。リラがマネするでしょう」

「ふぁーい…」

カメリアに注意されたコルザはシュンとうつむきながら黙々と食べ続けた


「スゲー美味い」

「よかった。遠慮なく召し上がってくださいね」

「クロキュスさんいつもこんなの食ってんすか?それにどういう関係…?」

「…こいつ俺の嫁」

「「「「えー?!」」」」

そんなに驚くことだろうか?


「オリビエです」

逆に驚きながらとりあえず名乗る


「オリビエって…あの、家族がお世話になったそうで!俺、コニーって言います」

名前を聞いていたのか突然頭を下げられる


「気にしないでください。みんなで楽しく過ごしてただけですから」

「でも本当に喜んでました。最低限必要なものもほとんどタダで揃えられて助かりました」

「うちも年の離れた妹たちがもうお友達が出来たのってはしゃぎっぱなしみたいで…俺はハンスです」

「妹たち…ルチアとミーア?」

コルザが顔を上げた


「ああ。君は…」

「僕コルザ。さっき迎えに出たのが弟のロベリで、こっちは妹のリラ」

「私はこの子たちの母親でカメリアです」

「あなたがカメリア…母と妻のミモザがお世話になって。友人を連れてきてくれたと喜んでました」

「私も同年代の友人が増えて嬉しいわ」

カメリアとハンスはそのまま話し続けていた


「お前ら来たか」

マロニエがロベリを肩車しながらダビアと入ってきた


「うわ、ダビアさん!」

「うわって何だよ?」

「…何かヤバイ。クロキュスさんとダビアさんが揃ってるとかレアすぎる…」

ハンスがおどおどしながらつぶやいた


「すんません。こいつクロキュスさんとダビアさんに憧れて騎士団に入ったんで」

「憧れで入ってその歳で特攻騎士なったなら大したもんだ」

ロキがそう言った時ジョンとウーが入ってきた


「随分多いな?」

「マロニエが呼んだ騎士さんよ。マシモとトマスのお父さんのコニー、ルチアとミーアのお兄さんでハンス、ラピスのお父さんのセルト、それにホーズ」

サラッと紹介すると彼らは順に頭を軽く下げていた


「おー着いたのか?これから頼むぞ。俺は庭師のジョンだ。こっちは息子のウー。削り節を作ってるナハマもいるが今は手が離せないらしい」

ジョンは笑いながら言う


「ここの庭は自由に走り回れるように作ってるからいつでもチビどもを寄越せばいい」

「助かります」

「賑やかな庭はいい。それにここならダビアかマロニエがついてる。2人がいない時はロキがいるし安心して遊ばせれる」

「元騎士団長が子守…」

「結婚のけの字もなかった人が子守…」

「特定の恋人がいるって話も聞いたことが無いのに…」

「いや、恋人はいなくても遊び相手は多かったはずだろ?」

「…お前らそれなりに覚悟して吐いてんだよな?そのセリフ」

ダビアが2人の首を背後から掴んだ


「いや、あの…そんなつもりは…」

「そのくらいにしとけダビア。チビが怖がってるぞ」

ロキの言葉にコルザたち3人を見ると固まっていた

そういえばダビアがこの子たちの前で冗談とは言え声を荒げるのを見たことがない

こう見えて意外と気の使える人なのだ


「…オリビエ、こういう時はどうしたらいいんだ?」

困惑気味のダビアに苦笑する

その姿からは元騎士団長だなんてとても想像できないもの


「そうねぇ…3人にスイーツでもご馳走してあげたら?緑のタグなら大喜びでしょう」

「「「緑!」」」

3人が笑顔になった


「緑とは…?」

「カフェのスイーツやサイドメニューのタグの色です。青が400シア、黄色が500シア、緑が600シアになってます」

「緑はね、ママが特別な時だけにしなさいって。だからいつもは青なんだよ」

リルが言う


「なるほど。わかりやすくていいですね」

「皆さんも是非いらしてくださいね」

「家族で寄らせてもらいます」

「うちはテイクアウトかな。乳飲み子と一緒に外食は厳しいので」

「確かに」

みんなが口々に言いあっている姿は楽しそうだ


「お前らの仕事は明日からか?」

「いえ、明後日からですね」

「なら丁度いい。迷宮行くから付き合え」

「迷宮!」

「行ったことない迷宮とか最高っす」

ダビアが誘うと4人は目を輝かせている


「マロニエ、今日と明日頼むな」

「了解」

「…騎士って迷宮好きなの?」

「単にあいつらのストレスが溜まってるだけだろ。昨日まであの王宮にいたからな」

「なるほど…」

現状を考えれば騎士団への当りは強そうだ

軽く打ち合わせをして5人は出かけて行った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ