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115.評判

ダビア達の飲み会が発端で始まった料理教室は、かなり人気のイベントになっていた

「3回目もダメかぁ…」

当選者を貼り出した途端そんな声が聞こえてきた

それは申し訳ないけど私にはどうしようもない


「ねぇオリビエ、実際のところどれくらいの応募があるの?」

「毎回申込者が増えてるんだけど…今回は70人以上だったかな?」

「それは中々当選しないわ…」

ガクッと項垂れる姿に苦笑する

私も流石にここまで応募が来ると思ってなかったからね…


「こうなってくるとレシピ売ってくれるのが本当に救いよね」

「言えてるわ。レシピで分からないことは聞けば教えてもらえるものね」

彼女たちは毎回応募してくれているらしい

前回レシピが売り出された後にカフェ迄質問しに来てくれたのだ

せっかく買ってもらったのに“結局作れなかった”となるのは申し訳ないから、もちろんちゃんと質問にも答えている


「ターゲット絞ってくれたら倍率下がるかしら?」

「ターゲット?」

「例えば妊婦向けとか新婚向けとか…」

「それあなた自身のことじゃない?」

「ずるいわよ。妊婦なんてそんなにいないんだから。むしろ定員割れするわよ?」

どうやら確実に当選できるターゲットを出したらしい


「私は親子で参加してみたいわ。子どもが大きくなってきたから一緒に作るのも楽しそうだし」

「それならわたしは主人とがいいわ」

それは面白そうかもしれない

企画的な感じでたまに挟むのもいいかも


「オリビエ、料理教室以外のレシピは売ったりしないの?」

「料理教室以外の?」

「今出してるレシピって料理教室のメインのものだけでしょう?噂ではバリエーションを紹介しながら作ったり、アレンジレシピも紹介してるとか」

「確かに紹介はしてるわね。実際にそれを作ってもいるし…」

1回目も基本のサンドイッチしかレシピは出していない

バリエーションのフルーツサンドと卵サンドもレシピには載せていなかった


「だからね、そのレシピは出さないのかなって」

いるの?と、思ってるのが顔に出ていたらしい


「アレンジなんて簡単に浮かばないからね?」

「それに料理教室で作ったのが全部レシピになってたら、すごく楽しみが増えそう」

「少し時間置いてからでもいいから考えてくれない?」

お願い!っと他のお客さんたちからも言われてしまえば断わりづらい


「需要があるなら出すだけ出しとけば?ホーストも喜ぶと思うぞ?」

ロキがそう声をかけてきた


「そんなお気楽な感じでいいの?」

「問題ないだろ。お前が登録したレシピを魔道具で複製するだけだし、向こうでコストが発生するのは紙代だけだ」

「確かにそうね…じゃぁ考えてみようかな」

困る人がいないなら断る理由もない

まぁ、私がレシピを書くという手間は発生するけれど…


「お願いね!」

「今から楽しみだわ」

そんな言葉を聞きながらこんな風に世界が広がっていくのも悪くないと感じた

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