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109.シルバーとブロンズの処遇(side:三国会議)

「さて、称号持ちへの一連の行いについての処遇を決めようか」

モーヴの周りには議員と騎士団長、魔導士団長が集められている

そして、この席にはポンセとレンヌ、2国の主要人物達もいる

3国として処遇を決めるためかなりの人数だ


「称号持ちでもゴールドは王族同等とした方が良いのでは?」

「そうだな。その権力はシルバー以下と大きく異なる」

「ではまず、王族とゴールドを除いた者への処遇として話をしよう」

特に反対もなかったので前提は一旦それで決まったようだ


「ソンシティヴュの称号持ちはそれだけでかなりの影響力を持っていた。王族が囚われ、民が3国に亡命した今その称号の意味は無に等しいでしょうが…」

「本来守るべき者達を奴隷に落とした数も多いと聞く」

「自分たちだけがいい思いをし、我々で言う平民は搾り取られて疲弊していた」

「亡命したことで生きる希望が出てきたという声も聞いた」

次々と言葉が飛び交う

そのどれもが称号持ちを庇う気など無いと暗に伝えていた


「ともかく家の資産・財産は没収でしょう」

「それだけではぬるい。あの腐った性根は簡単に抜ける物じゃない」

「きっと平民に落としたところで間違いなく威張り散らして、それこそ害になりかねん」

「周りの方が迷惑するのは明白だ」

それらの言葉に反論する者はいない


「ソンシティヴュの王都は一度更地にしてしまうというのはどうだ?」

「更地?」

「機能しない国は必要ない。王宮や屋敷があればつけあがる程度の連中だ」

「なるほど。視覚的にすべて破壊すると?」

「あの趣味の悪い王宮も馬鹿でかい屋敷も権力の象徴なのだろう?」

レンヌがニヤリと笑う


「奴らにはそれがつぶれる瞬間をしっかり見届けさせましょう」

「むしろ自分たちで壊させればいいのではないか?」

「あやつらでは作業が進まんだろう」

「大きな破壊は魔術師団に頼めばいい。その後の瓦礫の撤去と片付けをさせるのはどうだ?」

「自分の屋敷の瓦礫を自ら集めるか?中々の見ものではないか」

その言葉に笑いが起こる


「しかし奴らがそう簡単に動くか?」

「まともに動けるとも思えないのだが…」

「その作業に期限を設けて、期限内に更地に出来なければ一家そろって奴隷落ちでどうだ」

「ほぅ。それなら嫌でも動くか?奴らも流石に鎖に繋がれるのは嫌がるだろう」

「些細なミスで奴隷に落とすのが好きだったらしいからな。期限を守れないなどミス以前の問題だ。奴隷に落とすと言われても文句をいう権利はない」

憎悪の籠った声だった

でもその声に皆が次々と賛同していく


「しかし更地にした後はどうする?放置すれば魔物がはびこる」

「それは困るぞ」

「それなんだが…」

魔物に対する不安の中、声を発したのはモーヴだった

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