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愛があれば  作者: ロッティー
第一章 『青年』
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第一章幕間 『西宮姉妹の夜会』

 八月十九日二十一時 西宮美咲


「おかえり、お義姉ちゃん」


 義妹と母が玄関まで迎えに来てくれていた。私は「ただいま」と軽く返して、すぐ自室に閉じこもり今日の出来事を振り返る。


 *

 同日十九時 西宮美咲


  バイト終わりの賄い、ラーメンは太りやすいから嫌なんだよなぁとか思いながら麺を啜っていた。右隣では佐藤さんが同じように麺を啜っていた。かっこいいな。麺を啜ってるだけなのに。左隣には悠誠がチャーハンを食べていた。


  私には好きな人がいる。

  それは佐藤陸と言う一個上の先輩だ。

  同じ大学で、同じバイト先。

  彼の笑顔が好き。無邪気で子供っぽい笑顔が。彼の性格が好き。自分の事をあまり話さないミステリアスな所が。彼の全てが好き――。


  そんな事を考えながら麺を啜っていた。

  ピロリン

  急にスマホの通知が鳴った。彼のスマホの通知らしい。彼がLINEを返してるのが見えた。

  私は焦燥感に駆られた。もし今LINEしてる人が彼女だったら。彼女じゃなくても女の人だったら。


「佐藤さんって彼女とか居ないんですか? 」


  気づいたら口に出していた。滝のような汗が流れ落ちる。ものすごく喉が渇く。火のように体が火照ってくる。どうしよう。なんて誤魔化そう。


「居ないよ」


  私は心底安心した。これを機に少し攻める事にした。行け私。


「そうなんですか? イケメンなのに」


  少し嬉しそうに言ってみた。

  どんな反応するかな。と少しドキドキしながら麺を啜った。


「そんな事ないよ、そういう美咲ちゃんは? 彼氏とかいないの? 」


  心臓が止まるかと思った。これってあれ? 私に気があるって事? そういうことなの?

  確かめてみようかな。よし。


「彼氏はいないですよ。フリーです! フリーですよ! 」


「そうなんだ」


  あからさますぎて笑っちゃいそう。私バカじゃん。


 *

 同日二十一時 西宮美咲


「バカバカバカ、私のバカ」


  ベッドに顔を埋めながら、今日の反省会をしていた。なんであんなに攻めちゃったんだろ。なんでなんでなんで。絶対好きバレしちゃったじゃん。どうしようどうしようどうしよう。


「お義姉ちゃん、何してるの。さっきから。ちょっとキモイよ」


「ノックしてから入ってよ、バカ」


  義妹が音も立てずに部屋に入ってきた。

  なんで、ドア開けたら音鳴るじゃん。超能力?


「ドア開けっ放しだったよ」


  私の思考を読んだかのように妹は教えてくれた。


「何かあったの? お姉ちゃん」


「実はね――――」


  今日の出来事を義妹に淡々と分かりやすく、教えた。教えたつもりだった。


「お義姉ちゃん、落ち着いて話そ、ね」


  どうやら淡々と話せてなかったらしい。出来るだけゆっくり、今日の出来事を伝えた。


「流石にその人、鈍感すぎない」


  第一声がこれだった。佐藤さんをバカにしている。そんな気がして腹の虫の居所が悪かった。


「お義姉ちゃん、そんな怖い顔しないでよ。ごめんて」


  どうやら顔に出てたらしい。恥ずかしい。体が火照ってくる。あまりに暑いので扇風機の「強」のボタンを押した。



 ────────────────────────



  数時間近く話し込んだ結果、佐藤さんにデートのお誘いをすることになった。

  いつ行こう? どこに行こう? まだ行く事が確定してないのに、うきうきしていた。

 浮かれていたのだ。感情が顔に出ているのにも気づかないほどに。


 *

 同日同時刻 西宮菜々美


 恋するお義姉ちゃんが可愛い。可愛すぎる。

入れる所がここしかなかた。



やらかしてました。訂正します。


妹→義妹

姉→義姉


です。

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