第一章1 『入学、そして』
四月五日八時 佐藤陸
「よし、準備オッケー」
そう口に出し、僕は扉の鍵を掛けた。
今日は大学の入学式だ。僕は足早と大学へと向かった。
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四月五日十三時 佐藤陸
入学式はあっという間に終わった。
周りの人は机から移動して話したりしてるのに僕は、自分の机から一切動いてない。
周りに馴染めない。人の目を見れない、僕はそんな人間だ。そんなクズみたいな人間、それが僕、佐藤 陸だ。
こんなクズみたいな人間、死んじゃえばいいのにな。
「簡単に死ぬなんて言うな」
「生きて」
ふと頭の中に声が響く。その声は聞き覚えのある聴き心地のいい声だ。だけれどその声の主を僕は思い出せない。思い出したくない。そう思案し、僕は思考を放棄した。
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八月十九日十時 佐藤陸
僕は最近流行りのシューティング系のバトルロワイヤルゲームをしていた。
「栗さんナイス〜」
「GG」
とスピーカーからネッ友の声が聞こえてくる。
栗とは、僕のハンドルネームだ。
僕もGGとチャットに打ちこんだ。
「てかさ、いつも栗って聞き専だよね。家庭の事情? 」
ネッ友の片方が不意に聞いてきた、
僕は罪悪感に苛まれながらチャットにまぁ、そんな感じと打ち込んだ。
嘘をついた、ただ人と喋るのが苦手なだけなのだ。そしてまたマッチに潜る。
どんどんゲームにのめり込んでいく、時間の経過に気づかないほどに……
*
八月十九日十二時 佐藤陸
やべ、バイトまで後三〇分しかない。急いで準備しなきゃ。
菓子パンをサッと食べ、歯を磨き、髪を整え、パーカーを着て、カバンを持ち、家の鍵を閉め、僕は走った。ただひたすら走った。周りの目など気にせずに。
「あの人なんであんなに走ってるんだろう? 」
そんな声には気づけなかった。
どうにか三分前に着いた。
過去と現在の二つの部分を一話で書いていきます、多分今後も
話が全然進まないです。一章、後5話くらいで終わらせたい。
文量が少なくて悲しい、話を膨らますのが苦手です。