プロローグ『エアコン』
「陸、好きだよ、愛してる。」
*
八月十九日九時 佐藤陸
暑い。エアコンをつけ忘れて寝てたようだ。
くそ、と頭の中で思いベッドから起き上がった。
それから時計を見た。時計は九時を指しており、
僕は焦ったが今は夏休み期間であることをふと思い出
す。
良かった。と考えながら浴室へと移動した。
血が沸き立つほど暑い体に水のシャワーを浴びせた。
心臓がキュッとなり、頭が冴えてきたのと同時にある事が頭をよぎる。
「今日は何か特別な日じゃなかったか?」
気づいたら口に出していた。ずっと頭の中でその事だ
けがぐるぐる回る。
体が冷えてきたのを感じ、浴室から出た。
ささっと体を拭き、服を着た。
そして洗面器の前に立ち、ドライヤーで髪を乾かした。
髪を乾かしながら、今日が何の日か考える、バイト? 実家に帰省? それとも…誰かと出かける予定でもあったっけ?
でも僕、友達なんて居ないよなと自問自答してる間に乾かし終わりドライヤーを止めた。
何しよう? ゲームでもするか? 積みゲー溜まってるんだよな。
読書もしたいな、買ったけど読んでない本が溜まってるしな。どうしよう? と考えてる内にさっきまで考えてたことは、頭の中にはこれっぽちもなかった。
*
ザー、ザーと降り止まない雨の中君は立っていた。
「陸、――――――――――――――ください」
「何? 雨の音でよく聞こえないよ」
すると君は僕の耳元まで迫ってきて
「陸、君のことが好きです、付き合ってください」
「…え? 」
中一の夏、彼女は僕に告白した、これが全ての始まり
だ。
僕の……僕たちの人生が大きく変わっていく始まりである事を今の僕たちは知る由もなかった。
*
カレンダーの八月十九日に二重丸の下に紗良の命日と書かれているのに気づくのはまだ少し先の話だ。
プロローグ短いですね。
どうも、ロッティーです。
創作したいと思い、始めました。
ある程度頭の中にはプロットがあるけど、どれくらいになるかははっきり分かりません。
あまり長引かせるつもりはありません、五か六章位で終わらせるつもりです。
文章書くのは下手ですけど、結末まで書けるように頑張ります。
応援してくれたら嬉しいです。