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第一話 ―④ あれは何だったんだ?

 学校からの帰り道、俺は椎菜さんと一緒に帰っていた。


 途中まで同じ道らしく、教室からずっとお互いに話をしながら歩いている。


 誰かと一緒に話したり歩いたりするのはいつぶりだろうか?


 話してみると意外と趣味が合うようで、俺が以前教室で読んでいた小説の話など、時間を忘れて話していられて楽しかった。


「あ、そうだ……勇磨君ってNINEやってる?」


 椎名さんはもうすぐ分かれ道になると言っていた場所の手前まで来ると、某有名コミュニケーションツールの話題を切り出してきた。


「ああ、やってるぞ」


 相手は家族と公式アカウントしか居ないが……。


「それじゃあ……私とNINE交換してくれないかな……?」


「わかった、ちょっと待ってくれ」


 スマホを取り出して内心、家族と公式以外のアカウントが増えることに喜びながらNINEを交換する。


「これで大丈夫かな? ごめんね、私スマホの操作がおぼつかなくて……」


「俺も余り使ったこと無かったから気にしなくても大丈夫だ。ああ、ちゃんとできていると思うぞ」


「本当……?」


「ああ、本当……だ……?」


 そこで俺は違和感を覚えた。


 確認のためにスマホを注視していたのだが、しばらく注視していると画面が分解されていく様な錯覚に陥る。

 そして、バラバラになった破片一つ一つに目を奪われているとそれら全てが急に頭……いや、脳へと直接何かが流れ込んできたのだ。


 膨大な情報の渦に流されて意識が遠くなる気がするが、視界は鮮明でこの上なく脳は覚醒している。

 理解出来ないはずの情報や現象なのに、そんなことは関係無いと言わんばかりに無差別に……そして無尽蔵に取り込んで俺がパンクしかける。

 だが、そうして取り込まれた全てをこれまたあり得ない速度で消化し、どんどん知識として処理されて蓄えられていく。

 処理と吸収、どちらも異次元な速度で行われているが口が広い分、吸収の方が大幅に速いだろう。

 ある程度の吸収が終わるとその現象は終わりに向けて失速し始めた。

 異様な勢いで始まった吸収スピードは段々と落ちていき、遂には0となる。

 ……全て吸収できたわけではないが、これ以上は流石に処理の方が追いつかないようだ。


「勇磨君……?」


『システムを起動しました』


 椎菜さんの声が聞こえると同時に、何処までも遠い様で何処までも近くで響く、無機質な機械音声が聞こえた気がした。

この作品を閲覧してくださってありがとうございます。


物語の始まりとなる第一話はここまでとなりますが如何だったでしょうか?

気に入っていただけたら今後の期待を込めてブクマや最終部分から評価を入れていただけますと作者のモチベとなります。

感想なども書いていただければ最低でも作者が考慮し、物語に支障が出ない範囲なら修正も入れていく予定です。


できるだけ高頻度での更新をしていく予定なのでよろしくお願いします!


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