第01稿01話~東の拠点・アズマハラ5~
「フレアストーム」
赤い風が吹き荒れ丸兎達が香ばしい匂いと共に丸焼きとなった。
「おぉ、慈悲も無い」
丸焼きとなった丸兎はぽんと言う音とともに煙に包まれ光の珠の様な物が鞄に吸い込まれて行く。
「おお、もふもふがぁああ」
「今の光の玉はドロップ品ですわ」
「プレイヤーがモンスターを倒すとドロップ品を落とします。ここら辺はRPGっぽく自動回収されますね」
「ふぅむ、なるほどのぉ。そこ等辺は普通のげーむの様じゃな」
「一応、RPGの様ですから」
「ふむ、成程」
「もふもふ……もふもふが……」
「そこの燃え尽きてる者達は大丈夫なのかのぅ?」
「気にしなくても大丈夫ですわ。丸兎はすぐに湧いてきますから」
そんな事を話していると何処からか丸兎がやってくる。
「丸兎ぃー」
即座に捕獲される丸兎。機嫌は治ったようじゃ。
「良い囮ですわね。丁度、良かったですわ。クエストの達成ラインまで繰り返しますわよ」
鬼がおるわい。
4回程繰り返したのち、クエストの討伐数を満たした。
「やっと終わりか?じゃ、またな」
「えぇ、またお会いしましょう」
「邪魔をして悪かったのぅ」
「いえいえ、楽しんでください」
集会所への帰り道、気になった事を聞いてみた。
「対人と言っておったが対人要素は無いのではなかったか?」
「あの方達はPKK、つまりPKを狩る方達ですわ」
「ぴーけーけー……かのう?」
「プレイヤーキラーキラーと言ってプレイヤーを殺すプレイヤーを倒す人を指します」
「ふむ、儂のアレはぴーけーに入るのかの?お嬢ちゃん達にあった時のあれじゃ」
「PKをしたら通知が来るので直ぐに分かりますわね。通知が無ければPKで無かったと言う事になりますわね」
「では大丈夫じゃの」
「ですが、先程のトラブルで目を付けられてる可能性は高いので気を付けた方がよろしいかと、彼らがPKをやってるとは聞きませんがやって来ないという保証にはなりません」
「ふむ、そうじゃのう。気には留めておくわい」
「ここにカードをかざして報告すれば確認してくれますわよ」
「ほうほう」
確かにかーどりぃだーが受付に置いてあった。それに会員証をかざすと読み込んだ電子音が鳴る。
「依頼の達成を確認しました。素材の方は持ち帰りか買い取り窓口でギルドが買い取ることも出来ますがどういたしますか?」
「ふむ、先立つモノが必要じゃな。買い取りをお願いするとしよう」
「それではあちらの買い取り窓口で素材を提出してください」
「こちらの鞄からアイテムを取り出して提出するんですわよ」
「成程のぅ」
「いらっしゃい。新人さんかい?」
こちらの受付は男性のようじゃな。
「うむ、そうじゃ」
儂は先程、自動回収された品を鞄から机に出していく。目の前に浮かぶうぃんどうからどろっぷすることで出せるようじゃ。
「おぜう様、久黎爺様はまだ初期装備だと思われます」
「あら、そうでしたわね。では装備を作る為に皮を何枚か売らずにとっておきましょう」
「あい分かった。何枚位かのぅ?」
「その前に、武器は拳で行くのですか?」
「ふむ、武器、どんなものがあるのかのぅ」
「失礼しました。このゲームでは基本的にどんな武器でも装備する事が出来ます。物理系ならば基本的に3種、斬、打、突の武器にカテゴライズされますね。基本的に魔法職は杖とかが一応打属性だったりしますが。詠唱の要らない特殊技能とかだと魔法属性を持った剣や槍等も扱えます。このゲームはそれぞれ人と違ったスキルを基本的に持ってる上に説明欄も変わる様なので集会所の訓練施設で武器の説明文を見てからの方がよろしいかと」
「うむ、もうちょっと短く頼む」
「集会所の訓練施設で武器を見てみましょう」
「あい分かった。すまぬが買い取りは後でも出来るのかのう?」
「おう、出来るぞ。まぁ、説明は後にしようか。先に武器を見てくると良い」
「訓練所はあちらですわよ!」
爺ちゃん。触れる前に丸兎が討伐される。
頑張れ爺ちゃん。射程を伸ばせ。
この世界ではPKを倒してもPK判定はされません。
なのでPKと出会ってもヤラレル前にヤレマス。
それでは皆様また次回。