第01稿01話~東の拠点・アズマハラ2~
__久黎爺|アズマハラ・神社
「ふむ、ここが復活場所じゃったか」
死んで復帰した場所は先程の神社である。今度こそ着地を成功させて見せよう!
『普通に階段降りるという選択肢は無いようです』
それは勿論じゃ。こんな面白そうなゲームを始めたのじゃからめいっぱい楽しむぞい。
さて、気を練り脚に集め……跳躍する!
ほっほ、風圧が凄いのぅ!さて、気を練り直し。両腕に集め手の平から放出する。
ふむ、やはり手のひらの方が制動がしやすいのぅ。
『気の残量が切れます』
作り続けないときつそうじゃ。気を……失ってたようじゃ。どうやら出力配分を間違えて横回転してたようじゃ。
「おい!お前!今日こそは」
「仕切り直しですの?」
ふむ、眼下では先程の集団が先程と同じように人を囲んでいる様じゃ。
『起きましたか。予想墜落地点に先程と同じようにPLが居るようです』
気を練って……駄目じゃな。間に合わぬ。
そして儂は大地の藻屑になった。
「兄貴ィ!?」
『バッドステータス、骨折、出血、出血により残ったHPも無くなりそうです』
でじゃびゅじゃのう。しかも同じ人の元に落ちたようじゃ。さて、また死に戻りするかのう。
「羊!」
「はっ、かしこまりました。おぜうさま」
む、何か液体がかけられたようじゃ。回復ぽーしょんとやらか!
『バッドステータス、回復しました。HPも継続回復中です』
「ふむ?ふむ、おお、生きておる!」
「大丈夫でしょうか」
「おぉ、お主が助けてくれたのかの?」
「いえ、おぜうさまの意思です」
「ふむ、そちらのお嬢ちゃんか。ありがとうのう」
「気にしなくて良いわ!こちらも助かった事ですし」
「ふむ?囲まれてたのかの?」
「流石に二度目ともなると警戒して撤退したようです」
「でしたらさっさとここから離れた方が良いですわね。お爺様、ついてきてくださいまし」
「ふむ、あい分かった」
ついていくと喫茶店の様な場所に案内された。
「ここなら落ち着けますわね」
「りあるじゃのぅ」
「あら、お爺様はVRはあまりやったことが無いのかしら」
「うむ、つい先日、定年を迎えてのう」
「そうですのね。でしたら、このゲームについて教えてさしあげますわ!」
「おぜうさま、まずは自己紹介からが宜しいかと」
「そうでしたわね!私はおぜうよ!種族はオーソドックスな人間よ」
おぜうの姿は金髪についんてーるである。よく見る小説や漫画のお嬢様すたいるだと思われる。
「儂は久黎爺じゃ。種族は仙人と言うらしい」
「では僭越ながら、私は羊と申します」
羊と名乗った執事服に身を包んだ身長高めの羊……では無いのう、これは山羊頭じゃの。
「よろしくのぅ」
「このゲームはオープンワールド型のフリーシナリオのMMORPGよ」
「ふりーしなりお?」
「羊お願い」
「かしこまりました。このゲームではミッションや任務、NPCからの頼み事、タスクを熟すとそれに付随する形でストーリーが進んで行きます」
「ふむ……ではみっしょんとやらを終わらせていけば良いのじゃな?」
「色々な事が出来ますから好きな事して過ごすと良いですよ」
「取り敢えず食べましょう!味覚も再現されてるのよ!この世界は」
「ほう、それは楽しみじゃのぅ」
「ここは私が払いますわ。好きに頼んでください」
「ふむ、ではお言葉に甘えるとしようかの」
「こちらがメニューでございます」
「ありがとうの」
一般的な喫茶店のめにゅぅじゃのう。
『どうやら、この世界では料理を食べるとバフ、時間制の強化効果がつくようです』
成程のう、HPとMPに関係する物はあるのかの?
『HPは食べ物、MPは飲み物で回復するようです』
ふむ、ではと飲み物とせっとの物を頼むとするかのう。
「コーヒーとパンケーキをお願いするとしようかの」
「私はDXGTパフェとアイスティーを」
「なんと?」
「デラックスグレートトールパフェですわ」
「とても大きそうな事は分かった」
「食べきれなくて残りを食べさせられる事が多いのですよ」
「残すのは勿体ないじゃない」
「でしたら私は飲み物だけ頼みましょう」
羊がベルを鳴らすと店員さんが来る。
「ご注文は?」
「珈琲2つとパンケーキ、DXGTパフェとアイスティーをお願いいたします」
「珈琲2つ、パンケーキ、DXGTパフェとアイスティーで宜しいでしょうか」
「はい」
「DXGTパフェ、パンケーキは今から作るので少々お時間を頂きますがお飲み物は先にお持ちしますか?」
「紅茶は一緒でお願いしますわ」
「儂も一緒で構わぬよ」
「私も一緒で」
「かしこまりました。では、お待ちください」
二死は免れました。じっさまはおぜうさまとらんでぶー。はい、らんでぶー。
それでは皆様また次回。