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第01稿03話~爺ちゃん、採集に勤しむ14~



__久黎爺|草原



 儂は胸元まで地面に埋まった状態じゃ。薬草も取り出せず。体力が切れて抜け出せそうに無い。


「体力が無くて抜け出せぬ」


「薬草投げまーす」


「救援物資じゃ。ありがたい」


「あ、これ回復薬だった」


 薬草だと思ってた儂は迫りくる瓶を見て、死期を悟った。何もしなければ儂の口元にあの薬瓶は当たる事だろう。悲報、味方の投擲の精度が良すぎて死す。そんな未来を避けるため腕を盾にする事にする。

 学びとしては体力か足りない状態で発動出来ないと体力が1で止まる事じゃな。せめて使えなかった分は使う前の体力に戻して欲しいのぅ。


そして、その時はやって来た。儂の腕に瓶が当たり砕けた。



……もう死んだかの?むむ?おぉ、体力が回復しておる!!



「良かった、フレンドリーファイアが無くて……」


 同じぱーてーではだめえじが無い様じゃ。助かったのぅ。これで気を練って脱出出来よう。今度は体力が足りて無事に地面から抜け出す事が出来た。


「爺ちゃんは復活じゃ!」


「お爺ちゃん早く早く!」


 見るとK奈ちゃんが大兎の攻撃をいなしておる。相手の攻撃を木槌で叩き落とすとは、木槌を使いこなして居るぞ。おおっと、早く手助けせねば。


三節棍を装備し……三節棍装備して瓶を受ければよかったのでは?とと、よそ見をしている場合ではないのぅ。K奈ちゃんが大兎の腕を弾き返すのに合わせて大兎さんの足を三節棍で薙ぎ払う。

 転ばせる事は出来なかったが少しは怯ませる事は出来た様じゃ。


「矢が当たったら追撃お願いします」


「あい、分かった!」


「はーい!」


 大兎の挙動を見つつ気を練りながら矢が当たるのを待つ、おっと、一応、薬草を齧っておくとしよう。鞄から採集した白詰草を取り出し齧る。青臭い匂いが口から鼻までを支配する。やはりそのままで食べるものではない様じゃ。いかん、気が緩んでしまったのぅ。気を取り直して気を練る。


「射!」


 大兎が振り上げた腕をすり抜け、矢は大兎の胸元に突き刺さった。


「よいしょぉぉ」


 そこに釘を打つようにK奈ちゃんの槌が叩きつけられる。おぉ、だめえじが高そうな連携じゃのぅ。儂も槌を叩くとしよう。


「せいやっ!」


 槌の上から矢を叩きつけるように三節棍を鞭のように叩きつけようとしたが外れて三節棍の先の爪が大兎のお腹にめり込んだ。大兎はだめぇじに耐えられず鳴き叫んでいる。


「どうやら失敗した様じゃ!」


「普通に良い攻撃入ったと思うけどミスなの?」


「想定してたものと違っただけじゃよ。更に矢を打ち付けようと思ったのじゃが、腹に刺さってしまった」


「大兎が飛びました。二人とも回避してください!」


 見ると大兎の姿が地面には無かった。地面には赤い範囲が表示されておる。K奈ちゃんを引っ張り横跳びに飛んで赤い範囲から外に出た。そして、大きな音と共に大兎は地面に降って来た。


「おぉ、即断回避。ナイスドッジです!」


 着地した硬直で動けない大兎にK太君は次の矢を放った。儂も体勢を建て直し気を練りつつ武器を構える。矢が大兎の頭に当たった。そこに追撃じゃ!今度は違わずに矢の芯を捉える。


「私も行くよ!」


 体勢を建て直したK奈ちゃんが更に三節棍の上から木槌を叩きつけた。三節棍の耐久力は大丈夫じゃろうか?


 大兎の巨体が倒れ光の珠となった。どうやら無事討伐出来た様じゃ!


「倒せましたね!」


「やったー!」


「報酬はなんじゃろうか」


「大丸兎の角だって、角あった?」


「無かったと思うけど」


「毛に隠れてあったのかのぅ?」


「丸兎じゃなく角兎だったのかな」


「そうなのかもしれんのう」


「僕も出た。いや、モンスター名は大丸兎って出てるけど、実は角が生えてる兎なのかな?」


「今まで討伐したが丸兎さんの角は出た事が無いのぅ、儂もドロップ品を確認するとしよう」


 鞄の中身を確認すると大丸兎の角が入っておった!


「儂にも入っておったぞい」


「てことはボスドロップって事かな?」


「この素材の効果が楽しみじゃのぅ」


「そう言えば素材を使って装備を強化出来るんですよね」


「うむ、鍛冶師に頼むと良いらしいぞい。あとは鉄工場で作業もさせてもらう事が出来る様じゃ」


「鉄工場……」


「鍛冶場の様な所が組合員だと解放されてるようじゃ。時間があればこの後行ってみるかの?」


「行く!!」



__鉄工場


 という訳でやって来たぞい。


「ここが鉄工場じゃ」


「作業台に竈に大釜、それに調理場……生産職の為に解放されてる所みたいですね」


 前回来た時はちゃんと見ずに個室に案内されたから気付かなかったが他の生産なども出来る様じゃ。


「どうかしましたか?」


「む、受付の方かのう?」


「はい、そうです。生産施設のご利用ですか?個室の使用は受付で組合員のカードを提示していただければ使う事も出来ますよ。解放スペースはご自由にお使い下さい」


 受付のお兄さんはそう言って受付らしき机の方に戻って行った。


「どうやら、あそこは解放すぺぇすで自由に使っても良いらしいぞい。何か作ってみるかの?」


「やってみましょうか」



前回から開いてしまいました。大丸兎戦が終了してお爺ちゃん達は何かを作るようです。丸兎は小さいときは瘤のような角で目立たない瘤があります。大きくなると角が生えますが、毛に埋もれて見えません。丸兎の角は跳躍による逃走をする事により退化しました。次回は……多分装備を作ると思います。

それでは皆様また次回。

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― 新着の感想 ―
[一言] 続々とお友達が増えていく(笑) 何作るかな〜?(*´艸`*)
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