第01稿03話~爺ちゃん、採集に勤しむ3~
__久黎爺|草原
「おっと、あいつら押されてるな。俺はちょっと補佐してくるわ。爺さんは気を付けて見てろよ」
とげとげのついた鉄球……あれはもーにんぐすたぁという奴かの?鉄球が持ち手に引っ付いているからめいす型かの?しかし鎖付いている様じゃ。
「行くぜ!伏せろ!」
めいす状態からふれいる状態になった。ほぅ、けん玉の様な感じかの。短い槍の刃の根本に鎖が付いていてもーにんぐすたぁの玉と繋がっている。鉄球が鞘としてくっ付いていればめいすとして使えるらしいのぅ。
しゃらしゃらと鉄が擦れる様な音を立てて鉄球が飛んでいく。はて、明らかに伸び過ぎである。
西遊記の如意棒の如く鎖が伸びている。何処まで伸びるんじゃろうか。伏せたもひかん達の上を鎖が通り過ぎる。超低空を薙ぐ様に鎖と鉄球が飛んでいく。それに当たったはうんどさん達は弾かれて地面に叩きつけられる。おぉ、そう言うのが儂も欲しいんじゃ!
「おらぁ!!ヒットだ。お前等気張れよ!」
鎖が短くなり鉄球が短槍の先に収まる。ふむふむ、けん玉ならぬ槍玉かの?
「そのもーにんぐすたぁは興味深いのぅ」
「あぁ、特注なんだ。スターバレオって名前だ」
「すたぁはもーにんぐのすたぁからかの?」
「あぁ、バレオは参考にした奴の名称だな正しくはバレロだが」
「ほぅほぅ、なるほど?」
どうやらこの形の武器があるらしいのぅ。うーむ、儂も早く範囲攻撃がしたいのぅ。どうやって鎖を伸ばすのだろうか。
「しかし、多すぎて減らないな。気合じゃ無理そうか?」
続々と現れるはうんどさん。丸兎の様な海にはなっていないが所々押されている様じゃ。
「ふむぅ、見ているだけで良いのかの?」
「崩れそうならフォローするだけだ。あいつらにホードの経験を積ませたいだけだからな。まぁ、AIの人達も混じってるからそこのフォローは絶対に欠かせないな」
「なるほどのぉ。ふむ、えーあいの人かの?」
「プレイヤーじゃない人だな。だが冒険者としてプレイヤーと一緒にクエストをする人も居る」
「冒険者かの?」
「プレイヤーは探索者組合だけだがAIの人は冒険者組合や他にも生産組合とかその他諸々があるんだ。プレイヤーが作るギルド機能はプレイヤーだけでなくAIの人達も勧誘する事が出来る。冒険者組合の人達は魔物退治とかを手伝ってくれるんだ。もちろん、運営費から給料は出すことになるけどな」
「経営要素もあるんじゃな」
「まぁ、メンバーで分担とか出来るからそこは問題ないな」
「そう言えばおぜうちゃんを勧誘しておったのぉ」
「あのコンビは有名人だからな。おっと、伏せろお前等!」
話してる間に押されて陣形が崩れた所を再度、槍玉を使って押し返している。場を見る力は高いようじゃのぉ。儂も遠くから攻撃したいのぉ。
「おぜうちゃんたちは有名人なのか」
「おぅ!おぜうの方はド派手な爆殺令嬢、羊の方は抜き身の執事って言われてるぞ」
「おぉ、それは称号という奴かのう?」
「いや、通り名って奴だな。俺も付いているが自分では言いたくない……他の奴に聞いてくれ」
世紀末君はどんな通り名なのだろうか。ううむ、けん玉名人とかかのう?
「何とか名人では無いからな」
「おっと口に出してたかの?」
「しかし、けん玉か……バレロってのも、その凄く古い遊び道具のお仲間だ。爺さん世代ならギリ知ってんだな」
はて、そんなにけん玉は古いものだろうか?最近はすぴなーやらはいてくよーよーやらが流行ってるモノだから忘れられてしまったのかのぅ。
「そんなに古いのかのぅ、儂の住んでる所では」
「あー、すまん。リアルの事を詮索するつもりは無いんだ。ゲームの中ではリアルの話は持ち込まない勿論、ゲームの事もリアルには持ち込まないを徹底はしてるからな。爺さんもリアルがバレる様な情報はあんま言わない方が良いぞ。特に住んでる場所とかな」
個人情報の流出はねっとだと大変な事になる事もあるのぉ。忠告は有難く受け取っておくとするかの。
「む、あぁ、来ちまった。お前等!即撤退しろ!爺さんも早くにげるぞ!」
散らすようにもひかん達がばらける。空から小さい太陽みたいな玉が降ってきた。なんじゃぁ?目が痛いのぅ。世紀末君に手を引かれ離れつつも玉を見あげる。
「爺さん、見ない方が良いぞ」
「あれはなんじゃ?」
「鳥でも飛行機でもUFOでもない。アレは爆弾だ」
「爆弾とな?」
アレはどうやら爆弾らしい。ううむ、おぉ、もうすぐ地面に着きそうじゃの。
爆弾とやらが地面に着いた途端、辺りが真っ白な耳鳴りのする世界が広がった。
範囲攻撃と遠距離攻撃がしたいお爺ちゃん。前回の月兎んフィールドは「げっとん」か「つきうさぎん」かはお好みでどうぞ。多分、今後も使い……使わないかも?
今回はここまで、それでは皆様また次回。




