第01稿03話~爺ちゃん、採集に勤しむ2~
__久黎爺|草原―月兎んフィールド
攻撃を避け、着地した所で足を狙う。狙うは後ろ足の関節。一点突破で足を潰そうと試みる。
相手の方が速いのなら、動きを止めてしまえば良いのじゃ。
「きゃいん」
当たったが有効打には至らなかったようじゃ。
着地する瞬間は狙う事が出来る。しかし、攻撃を避けると必然、着地の瞬間を狙うとなると背後となるのでおめめは狙う事が出来ぬ。先に移動手段を潰し、そののちに弱点を狙う事とする。
速いが幸い殺気を感じる。殺気を感じるとはぶいあーるならではじゃ。画面の向こうの分身を眺めるのとは違うりありてぃ。
そのおかげで攻撃を避ける事が出来ておる様じゃ。速いことには速いがふぇいくを入れてくることも無い様だしのぅ。同じような事を繰り返しているとはうんどさんは後ろ足を引きずりだした。あーるぴーじー風に言うと鈍足効果を付与した!!と言った所じゃろうか。
殺意の籠った眼でこちらを見るはうんどさんに対して、気を流し三節棍を振るう。それは目に直撃しズブりと突き刺さった。……こんな感触までりあるにしなくても良いと思うのぅ。これでは抵抗が出てくるゆーざーも居るじゃろうに。それとも儂が設定し忘れているだけでごあ表現の切り替えが出来るのじゃろうか?
ふむ、設定年齢で変わるとかかの?おっと、戦闘中であった。白い玉が鞄に吸い込まれて行く。ううむ、考えている間に死亡処理がなされていたようじゃのぅ。うむ、あと3匹もこの調子で行くとするかの。今度は足の関節を狙う時に気を流して見るか。
遠吠えを続ける3匹のうち1匹に狙いを定める。そう言えば攻撃当てたら攻撃してくるようになるなら最初に弱点に攻撃すれば良いのでは?よし、おめめにどーんじゃ!どすっと音を立ててはうんどさんのおめめに三節棍を叩きつける。先程のように刺さりはしなかったが仰け反る様にはうんどさんは後退った。
ふむ、残り体力が眼の防御力に関係しているのじゃろうか。それとも、この個体の防御力が先程のはうんどさんよりも高いのか。
はうんどさんがこちらを睨みつけ飛び掛かってくる。考え事はこのはうんどさんの相手が終わってからにした方が良さそうじゃ。反応が遅れてしまったが足に爪が掠る程度の被弾……と思ったらだめーじ的にはしっかり喰らっている判定の様じゃ。体力が減らされてしまったぞい。今の被弾で捏ねてた気が霧散してしまった!気を捏ねてる間は攻撃を喰らってはならないようじゃ。難しいモノじゃのぅ。おぉ、足から血が出ている様じゃ。出血の状態異常かの?……この状態異常のせいで気が練れなくなっている様じゃ!!めいんうぇぽんが封じられてしまったぞい!!
慌ててる内に追撃をまともに喰らってしまった。
たった一発の銃弾で戦況が変わってしまうのも戦場の常、どうにかして流れをこちらに戻さなくては。
出血の効果時間中は回避に専念する事とする。ふむ、薬草も使ってみておこうかの。鞄を漁り手に取った薬草を齧る。鑑定はしてないがただの草の可能性もあるのぉ。ぼりぼりと咀嚼する。うむ、大根を齧ってるような触感じゃの?どちらかと言うと少々干された大根、否、たくあんの様な触感じゃ。はて、草しか採取して無かったはずなのじゃが。
手元を見ると赤い根菜が、ふむ、先程の人型大根の手足あたりの部分じゃろうか?
おぉ、何だかヤル気がみなぎって来たぞい!ふむ、どうやら自動再生なる状態が付与されているみたいじゃのぉ。効果は540秒程、5分間のばふと言う事かの?出血は解除されていないが出血と自動再生では再生の方が回復量を上回っているようじゃ。
この分なら先程と同じく足をひたすら攻撃すれば良いかの!
てんしょんが上がった儂ははうんどさん達の足をばっきばきにしたぞい。そしておめめを突きまくったら残ったはうんどさん達は全滅したぞい。
ざざぁっと兎の壁が消え失せた。
「陣形保てぇ!左崩れてるぞ!」
「わかりやした!!」
沢山のはうんどさんと相対するもひかんの方々が居る。活かした髪型じゃのぅ!もひかんがいーち、にー……13人居るのぅ。そう言えばぱーてーめんばーは何人迄なのだろうか。ううむ、おぜうちゃんたちに聞いておけば良かったかのぅ。まぁ、暫くは1人でこの世界を堪能したいし、いずれかかの?
「左右で囲めー、って久黎爺さんか」
「世紀末君、お疲れ様じゃ。儂が手を出すと恐らく兎の海に攫われるかもしれないからここで見させてもらっても構わないかの?」
「あぁ、構わない。と言うよりどうしてこんなホードが起こったんだ?」
「ホード?」
「あぁ、ホードって言うのはこういう大量発生した集団化した魔物の事だ。こういうのを放置すると村や町にも被害が出るからな。素材も美味いし。見つけたらギルドのメンバーに声掛けてボーナスタイムとしゃれこむんだよ」
「ふむ、おそらくじゃがはうんどさんの仲間を呼ぶ行動が兎の壁により仲間が来ないので呼び続けるという挙動になったんじゃろう」
「あぁ、あの遠吠えか。と言う事は何時でも、あのホードを呼び出せる……久黎爺さん、ギルドに入る予定は?」
「すまんが暫くは1人で進めてこうと思ってるんじゃ」
「そうか、ワイワイやりたかったらうちも検討してくれ」
執拗に同じ部位を狙っていく爺ちゃん怖い、そして鑑定もしていないまま使用し始める爺ちゃんは毒草だったらどうしてたんだろうか、似非マンドラゴラはリジェネ効果と相成りました。まぁギルドに帰ったらきっと名前とか分かります。
採取に勤しむはずだったのに何時まではうんどさんと戦ってるのだろうか。
それでは皆様また次回!




