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第01稿03話~爺ちゃん、採集に勤しむ~


__久黎爺|草原



 気を取り直して草原へやって来たぞい。先程はつい、調子に乗って水さんと戯れてしまったからの。今回はちゃんと薬草採集と勤しもうでは無いか。


 と言う訳で湖の方に向かいつつ採取場所を片っ端から見ていくぞい!儂は一流採集者じゃ!一流は誰にも気づかれずに獲物を回収するものじゃ。自分が一流になったつもりで行くぞい!


 早さと隠密を重視し光る場所を探索していく、採集物の確認はせずに光の珠を鞄に納める。確認は安全な所で纏めてすれば敵に気付かれる心配もなかろう。ふむ、そう言えば鞄にはどの位入るのだろうか?後で確認してみるとするかのう。



 ひとーつ、ふたーつ、みぃーつ、よぉーつ、数えながら道を進んで行くと何やら草がもぞもぞと動いている。大根や人参の様な根菜の葉……これは敵だろうか?地面をざざぁっと移動する草。ううむ、気になるのう。よし、捕まえてみるとするか!


「ほっ」


 早速掴もうとすると、するんと草が手をすり抜けて地面を這って行く。むぅ、速いのぅ。再度挑戦するが中々捕まらないのう。


「ここは動きを見極めるとしようかの」


 左右に揺れる葉っぱを観察する。左……右……左……奥……右……左……手前……右……左じゃ!!

 むんずと葉を掴む事に成功する。そして、引っこ抜く!!


「ビェェェェェ!!」


「ふぉっ!?」


 ……人型大根じゃ。しかも赤い。目と口の様な模様がついておる。何処から叫び声を出してるのじゃろうか?泣き声にも聞こえるのぅ。むむぅ、手足に該当する部分が動いておる。やはりもんすたぁさんなのかの?


 ふむ、少し泣いた後うんともすんとも言わなくなったのぅ。


「あぅぉーん!」


 ……後ろからはうんどさんの遠吠えが?


「ぐるる」「あぅおん」「がう」


 後ろを見るとはうんどさんと目が合い更に追加で何処からか3匹のはうんどさんがやって来たぞい。ついでに兎さん達にも囲まれてしまったぞい!!極めて迅速にはうんどさんを倒しこの場を離脱しなければ……さらに追加のはうんどさんが来てしまう!!


 ……そう言えばこやつはどうしたら良いのだろうか?


 手にぶら下がってぴくりともしない大根さんを眺める。つついてみる。反応が無いのぅ。抜いたら死んじゃう奴かのう?いや、アレは確か悲鳴を聞いたら死んでしまうという奴だったか?


「「「「あぅぉーん!」」」」


 狼の遠吠えで囲まれている事を思い出した。今の遠吠えは恐らく仲間を呼ぶ行動じゃろう。つまりはうんどさん達を倒してもおかわりが待っていると言う事になる。しかし、諦めずにやれるだけやるぞい!


『この兎の壁は久黎爺さんか?』


「おぉ、世紀末君かの?」


『やっぱり爺さんか。兎の壁の周りにハウンドの群れが居るがこの数はきつそうだから俺達で倒しても構わないか?』


「おぉ、それは助かるのぉ!」


『じゃあ、ハウンドの素材は頂くぜ』


 素材の取り合いにならぬ様に先に聞いたと言う事じゃろうか?まぁ儂はそこまできにならないので問題はないじゃろう。では目の前のはうんどさんに集中しなければ……世紀末君と話している間も遠吠えは続いていた。外には大量のはうんどさんが来ているのだろう。


 しかし、こまんど的には遠吠えを連打している様じゃな。ふむ、一定数のはうんどさんが増援として来たら攻撃を始める筈が兎の壁に阻まれて呼べなくなっているとそんな感じなのかの?取り敢えず手に持っている大根を鞄に入れて武器を装備する余裕はありそうじゃ。


 三節棍を取り出し構える。気を使い過ぎると倒れてしまう事は水さんとの戦闘で理解した。それでは気を節約するにはどうすれば良いのか。予期せぬ戦闘ではあるが実戦にて検証していくとしよう。


 1に考えられるのは単純に気を練る量を抑える。コレには恐らく気を練る練度が関係してくると思われるので保留とする。


 2に武器の面ではなく点として気を放出する。攻撃力を上げて撃つ回数を減らすという事じゃな。その場合は放出する部分を点で出せる場所が望ましい。現状、手のひらから放出すると手のひら全体から出る。つまり、指先等の点での攻撃に使うと良いかのぅ。三節棍で言うと丸兎の爪の部分じゃな。


 3に使う時を限定する。単純に弱点を狙う時だけだとか決め手として使うとかかのぅ。



 まずは点として使えるようにするかのう。では、いざ尋常に……勝負!

 遠吠えを続けるはうんどさんに向かって三節棍を振るう攻撃が当たると遠吠えを止めてこちらに向かってきた。どうやら攻撃を当てるまでは遠吠えをする仕様の様じゃ。


 他の3体は遠吠えを続けている。ならば1体ずつ相手が出来ると言う事じゃな。

 生物にとって分かりやすい弱点とは目である。と言う事で遠慮なく目を狙わせていただくとしよう。


 三節棍に付いた爪をはうんどさんの頭に向かって振り下ろす!それをはうんどさんは避けた。ううむ、弱点を狙うには儂の速さが足りないようじゃ。


 さて、速さを補うにはどうしたら良いのやら。



爺ちゃんは戦闘から逃れられない(兎のせい)爺ちゃんは無事に生還できるのか。鳴き声を聞きつけ駆けつけてくれた世紀末パーティははうんどさんの群れと戦う事になった。果たして世紀末パーティははうんどさんの群れを倒せるのか!爺ちゃんがのんびりしすぎて対応できない位増えてるかも知れない。

それでは皆様また次回!

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